棋界史上初の快挙! 藤井聡太、八冠までの軌跡<前編>
2023.11.10(金)

史上初の全八冠制覇を成し遂げ、ついに棋界を制圧した藤井聡太八冠(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)。八冠を成し遂げた段階では出場している朝日杯、銀河戦、NHK杯、将棋日本シリーズも前年度の優勝者であり、文字通り完全制覇だ。今回は2回にわたってこれまでタイトルを奪取してきたシリーズを振り返っていきたい。
藤井が最初にタイトル挑戦に近付いたのは2019年度の第69期大阪王将杯王将戦。挑戦者決定リーグで4勝1敗と星を伸ばし、最終戦は同じく 4勝1敗の広瀬章人竜王(当時)との直接対決で、勝った方がリーグ優勝となる挑戦者決定戦の形になった。相矢倉から二転三転の大熱戦となるが、最後は藤井が応手を誤る形で自玉を詰まされてしまう。初のタイトル挑戦はお預けとなった。
前述の対局(2019年11月)から数ヶ月後、世界で新型コロナウイルスが流行。将棋界もその影響を受けて、東西どちらも遠征が必要な藤井の対局はストップしてしまう。史上最年少のタイトル挑戦はかなわぬものになるかと思われたが、2020年6月に入りギリギリで対局が再開。第91期ヒューリック杯棋聖戦、第61期王位戦でともに挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠(当時)を破り、一気にダブルタイトル戦を決めた。17歳でのタイトル挑戦は史上最年少だが、デビューから29連勝、中学生での全棋士参加棋戦優勝を果たした藤井にとっては遅いくらいだっただろう。満を持してのタイトル戦登場だ。

©囲碁・将棋チャンネル
初のタイトル戦は第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(2020年6~7月)で、相手は渡辺明棋聖。タイトル戦デビューとなる第1局で相矢倉の名局を制すると、第3局で研究負けをしたものの、全体的には中終盤でねじ伏せる形で制勝。3勝1敗として第一人者の渡辺に充実した内容で勝ち、史上最年少でタイトルを奪取した。
続くタイトル戦は第61期王位戦七番勝負(2020年7~8月)で、相手は前年に史上最年長の初タイトルを獲得した木村一基王位。最年少対最年長の対比となる、30歳差でのタイトル戦となった。第2局でかなり苦しい将棋を逆転したのが大きく、結果は4連勝で奪取。初タイトルから1ヶ月余りで二冠となった。
三冠目の挑戦は第6期叡王戦五番勝負(2021年7~9月)で、相手は豊島将之叡王。この時豊島は王位戦で挑戦者になっており、立場が異なるダブルタイトル戦だった(王位戦は藤井が4勝1敗で防衛)。このシリーズは互いに先手番を取り合いフルセットへ。最終局で先手となった藤井が奪取したが、八冠までのタイトル戦で唯一フルセットとなったシリーズだ。最後の振り駒で先手を取れたのは運も味方したと言える。
四冠目は直後の第34期竜王戦七番勝負(2021年10~11月)で、こちらも相手は豊島将之竜王。難解な将棋ばかりだったが、終わってみれば4連勝と圧倒。初手合から苦戦を強いられていた豊島相手に王位戦、叡王戦、竜王戦と番勝負で3連勝。棋界の頂点である竜王を奪取して四冠となり、10代にして第一人者となった。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
第71期 王座戦 五番勝負 第1局 永瀬拓矢王座 vs 藤井聡太竜王・名人
放送日時:11月13日(月)13:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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