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つばきファクトリー・山岸理子&岸本ゆめの、ファンとメンバーに見送られた卒業公演。℃-uteやBerryz工房の楽曲披露も

2023.11.9(木)

「つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋 可惜夜~山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッぺシャル~暁」が11月6日に東京・日本武道館にて開催された。約11年間におよぶアイドル活動を終えるリーダーの山岸理子と岸本ゆめのにとっては最後のステージでもあり、約8000人のファンが会場に駆けつけた。

メンバーが両脇から登場すると、9月27日にリリースされたニューシングル「妄想だけならフリーダム」からライブはスタート。最新曲ながらライブではキラーチューンとなっている同曲だが、序盤に披露されたのが今のつばきファクトリーの勢いを示しているようだった。続く「最上級Story」で可憐なダンスを披露したかと思えば、「三回目のデート神話」ではステージの端にメンバーが別れて、赤色と青色のライトに照らされながら激しいダンスパフォーマンスを届けていく。さすがつばきファクトリーと言える起伏のある楽曲でセットリストに深みを作り上げる。

MCでは挨拶をした後は、岸本が「卒業とか卒業じゃないとかそんなの関係なくいつも通り必死に最後まで挑戦したいと思います!」と意気込みを語り、山岸は「11人で揃ってステージに立てていることが本当に幸せに思います」と噛み締めた。

ここからは本日限定のメドレーブロックへと移っていく。ハロプロ研修生の「おへその国からこんにちは」からスタートすると、「Love take it all」「FOREVER LOVE」「桃色スパークリング」といった山岸が尊敬している℃-uteの楽曲で彩っていく。山岸、新沼希空、谷本安美、岸本による「青春まんまんなか!」を挟んだ後は、「彼女になりたいっ!!!」「アジアン セレブレイション」「サヨナラ 激しき恋」「行け 行け モンキーダンス」とBerryz工房中心のセットリストが続いたが、これも岸本のアイデアだ。メドレーのラストは山岸と岸本がBerryz工房×℃-uteの「超HAPPY SONG」を届け、2人の多幸感に満ちた歌声が響き渡った。これまでコンサートツアーで各県を回ってきたが、本日は卒業スペシャルメドレーということで、山岸と岸本のやりたいことが詰め込まれたステージと言えよう。メドレーが終了した後はその熱気も冷めやらぬままに「Just Try!」「間違いじゃない 泣いたりしない」といったアッパーチューンでつばきファクトリーらしいダンスと歌唱力で見せていった。

山岸は「研修生時代に℃-uteさんのコンサートに帯同させていただいて、すごく憧れだったので今日は℃-uteさんの楽曲をこんな大きなステージで歌わせていただくことができてとても幸せでした」、岸本は「研修生の頃からBerryz工房さんに憧れてデビューを夢見ていたんですよ。だからBerryz工房さんの楽曲をたくさん歌わせていただきました」とそれぞれの選曲理由を語った。

MCを挟んだ後は「弱さじゃないよ、恋は」「低温火傷」「抱きしめられてみたい」「可能性のコンチェルト」といったつばきファクトリーの歴史を彩ってきた楽曲が披露されたが、オリジナルメンバーでもある山岸と岸本の歩みを辿るかのようなセットリストで感動的な空間となっていた。改めてつばきファクトリーの楽曲は奥が深く、多様性が感じられる。会場ごと、そして今回のツアーを経て変化する彼女たちの現在地を証明していたように思う。

山岸と岸本の感動的なVTRがステージ上に映し出されると、「足りないもの埋めてゆく旅」ではメンバーそれぞれから卒業する2人に対してメッセージが届けられる。いつもであればメンバーが卒業メンバーに向けて手紙を読み上げるのが恒例となっているが、今回は楽曲の中で伝えられる形となった。とはいえ、2人に対するメンバーの思いが伝わる本公演のハイライトとなっており、楽曲の世界観も相まって感動的な空間となっていた。「アドレナリン・ダメ」「断捨ISM」を披露した後に、この日が初披露となる「アタシリズム」では一際大きな歓声が上がった。同曲は病気療養だった岸本が最新シングルに参加できなかったため、これが初めて11人でのパフォーマンスであり、ファンはその瞬間を噛み締めているようだった。

「マサユメ」「今夜だけ浮かれたかった」に加え、「初恋サンライズ」というグループにとって始まりとも言えるメジャーデビュー曲を披露し、本編を締めくくった。最初には新曲「妄想だけならフリーダム」、最後に「初恋サンライズ」を配置したセットリストはまさにグループの歩みを辿るものになっていた。

そしてアンコールでは2人のメンバーカラーでもあるライトグリーンとイエローのペンライトで埋め尽くされ、「ゆめの」「理子ちゃん」コールが鳴り響く。しばらく続いた後に黒のドレスに身をまとった岸本がステージの中央に現れメッセージを読み上げる。「ハロー!プロジェクトでの11年間で、たくさんの人に支えられて、たくさんの人の愛をいただいて、ここまで来ることができました」と感謝を述べると、「つばきファクトリーと、(山岸)理子ちゃんと、私の物語はこれからも続いていくもので、私はこの先もたくさん歌を歌って生きていきたいです」と決意を口にし、披露されたのは岸本にとっても思い入れのあるBerryz工房の「BE」。ステージの隅々まで見回しながら歌っている姿が印象的だった。

岸本と入れ替わるように純白のドレスを着た山岸が登場すると、そのままハロー!プロジェクト モベキマスの「かっちょ良い歌」をソロ歌唱。山岸の掛け声に合わせてファンのシンガロングも巻き起こり、卒業ライブとは思えないポジティブな空間が作り上げられていく。だが、山岸が手紙を読み上げると雰囲気は一変。「活動していく中で、アイドルってこんなにかっこよくてキラキラ輝いているんだなって、ハロー!プロジェクトの素晴らしさに気づかせてくれました」とアイドル人生を振り返ると、「グループ内で一番リーダーに向いていないだろう私が、リーダーになり、毎日プレッシャーに押しつぶされそうになりながら活動していました。そんな頼りないリーダーに今までついてきてくれて支えてくれたメンバーのみんなには本当にありがとうの気持ちでいっぱいです」と述べ、メンバー一人ひとりに感謝の手紙を読み上げた。

そしてポジティブなメッセージ・ソング「愛は今、愛を求めてる」へと歌いつなぐと、最後のMCでは山岸と岸本も涙ぐみながらもファンに感謝を告げる。メンバー一人ひとりが卒業する2人に向けて最後のメッセージを送り、11人で披露する最後の曲「勇気 It's my Life!」で会場を揺らした。

同公演はCSテレ朝チャンネル1で生中継されたほか、47都道府県の映画館51スクリーンに加え、台湾、香港でもライブビューイングが行われるなど、ライブの模様は様々な地域で放送された。卒業する山岸は俳優業、岸本はソロアーティストとして芸能活動を続けていくことも明かされており、今後の2人の活躍も応援していきたい。

取材・文=川崎龍也

放送情報【スカパー!】

つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋 可惜夜~山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッぺシャル~暁
放送日時:2023年11月18日(土) 16:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます