妻夫木聡と長澤まさみの生き生きとした表情が眩しい!有名楽曲をモチーフとした映画「涙そうそう」
2023.10.25(水)

妻夫木聡と長澤まさみがW主演、2006年に公開されたのが沖縄を舞台にした映画「涙そうそう」だ。本作のストーリーは森山良子作詞、BEGIN作曲のミリオンセラーとなった同タイトルの楽曲(BEGINの曲を後に夏川りみがカバー)をモチーフにしたもの。今も歌い継がれる曲の背景にあるのは若くして亡くなった森山良子の兄への想い。「涙そうそう」が沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」という意味だということをBEGINから聞いた森山が自身のことを歌詞にし、普遍の名曲が完成した。メガホンを取ったのは「映画 ビリギャル」や「罪の声」、「花束みたいな恋をした」でおなじみの土井裕泰。父親の失踪、母親との死別により幼い頃から助け合って生きてきた兄・洋太郎を妻夫木が、妹・カオルを長澤が演じている。ちなみに撮影当時、妻夫木は20代半ばで長澤は20歳前。血がつながっていない兄妹の切なくも感動的な物語が多くの人たちの涙を誘った。

(C)2006 映画「涙そうそう」製作委員会
■妻夫木と長澤の太陽のように眩しい笑顔と切なくも温かい涙

(C)2006 映画「涙そうそう」製作委員会
洋太郎(妻夫木)にとってカオル(長澤)は何があっても守らなくてはならない存在。母(小泉今日子)はジャズミュージシャンの父(中村達也)と再婚するものの父は失踪。母も病気で亡くなり、父の連れ子だったカオルと2人きりになってしまったからだ。思い出のシーンを挟みつつ、物語は親戚のもとで暮らしていたカオルが高校に入学するため、洋太郎の暮らす那覇で一緒に生活するところからスタートする。朝は市場で夜は居酒屋で働く頑張り屋の洋太郎はカオルが来る日をワクワクしながら待ち、カオルは白いワンピースを着て船の甲板の上から「にーにー!」と満面の笑顔で思いきり両手を振る。天真爛漫でにーにー(兄)のことが大好きなカオルに洋太郎もデレデレ。高校の入学式にも出席し、嬉しさのあまり、はしゃぐ姿は娘の成長を見る親のようだ。そんな微笑ましい2人が幼い頃にした約束は涙がこぼれそうになったら鼻をつまむこと。洋太郎は入学式で嬉し涙で鼻をつまみ、いつまでも子供扱いされることに怒り、夏祭りで喧嘩した時にはカオルが帰り道をひとり鼻をつまんで歩く。今やトップ俳優の妻夫木と長澤が見せる太陽のような笑顔と愛ゆえに流れる涙が眩しすぎる。
■お互いを思うが故に大人になってすれ違っていく兄妹の行方は?
いつか自分の飲食店を持つこと、カオルをいい大学に進学させることが洋太郎の夢だ。そのためにハードな仕事をこなしている兄の気持ちをわかっているからこそ、カオルはなんとか兄を助けたいと思い、やがて自分の存在が兄の人生を束縛しているのではないかと思い始める。初めて見たカオルの浴衣姿に見入っていることを友人(塚本高史)に指摘されながらも妹に幸せな道を歩んでほしくて自分の本当の気持ちを見ないふりをしているように見える洋太郎。一方、カオルは洋太郎の彼女で医者を目指している恵子(麻生久美子)に兄はカオルのために頑張っていると聞き、「鬱陶しいよ。オマエのため、オマエのためって」と泣きながら、もっと自分のために生きてほしいと訴える。
その絆が深いことが伝わってくるからこそ、これ以上、2人に悲しいことが起こらないように願わずにはいられない。傷つきながらもピュアに賢明に生きる兄妹を妻夫木と長澤が琴線に触れる生き生きとした演技で表現。その人生やぽろぽろとこぼれ落ちる涙を見守ってくれるような沖縄の海や三線の音色、ブーゲンビリアも主人公たちと共に胸に刻みつけられる。
文=山本弘子
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