「チェリまほ」劇場版でも、赤楚衛二と町田啓太が演じるカップルの純愛は健在！

2023.10.21(土)

2023年、「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」でリーダーシップに長けた正義感の強い青年を演じ、「こっち向いてよ向井くん」では初めてゴールデンタイム枠の主演を務めた俳優・赤楚衛二。そんな赤楚のブレイクのきっかけとなったのがドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」だ。通称"チェリまほ"と呼ばれる本作で赤楚は町田啓太と共演し、ピュアなBLストーリーで多くの女子たちの心を掴んだ。ドラマの人気は日本だけには留まらず、韓国やタイ、ベトナムなど世界各国に飛び火するブームを巻き起こし、終了後は"チェリまほロス"になる人が続出したほど。

そんな中、2022年に公開されたのが劇場版の「チェリまほ THE MOVIE 〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜」だ。ドラマでは一途な黒沢(町田)に動揺し、やや受け身だった安達(赤楚)だったが、映画では自分の意志をはっきり伝えるようになり、驚くほどの成長を遂げていく。とはいえ、どんな時もお互いを思いやる純粋で繊細なカップルぶりは変わらず。母性本能をくすぐる赤楚のかわいらしさと、ジェントルな町田の最強コンビのやりとりは劇場版でも期待を裏切らない。

■幸せオーラ全開の2人に胸キュン

30歳の誕生日を迎えても童貞だった会社員の安達は、ある日、人に触れると心の中の声が聞こえるようになり、同じ会社の営業部トップの爽やかイケメン・黒沢が自分に好意を寄せていることを知る。一見クールに見える黒沢の優しさに触れ、紆余曲折の末、告白し合うというのがドラマのストーリーなのだが、劇場版の前半には、晴れてカップルになった2人の幸せシーンの数々が散りばめられている。

初めて一緒に過ごす年末には、恋人に尽くすタイプの黒沢が手作りの年越し蕎麦を用意し、安達が「うんまーい！」と無邪気に喜ぶ。そんな姿は"チェリまほ"ファンのツボな場面だ。2人だけのカウントダウンを過ごした後で初詣に出かけ、「春になったらお花見だよね」「夏になったらお祭りでさ」「ビアガーデンも行きたいよね」と夢心地で話す黒沢の横顔を見て安達が微笑むなど、一点の曇りもないハッピーモード。ドラマでもお馴染みの小説家・柘植(浅香航大)とダンサー・湊(ゆうたろう)のカップルにバッタリ会う展開にもニヤニヤさせられる。

■突然の転勤を命じられ、2人の関係にも変化が？

キラキラした日々も束の間、これまでの仕事が評価され、安達は長崎に行くように打診されるが、黒沢のことを思い、自問自答することになる。先輩からその話を聞いた黒沢は「新店舗を任されるチャンスだ」と笑顔でエールを送るものの、本音を確かめたくて、先を歩いていく黒沢にぎこちなく手を伸ばす安達がなんとも言えず愛おしい。

そして、物語は安達が長崎に発ってから急展開を迎える。現地で起こったアクシデントによって、それまで幸せで満たされていた2人は切ない現実に直面し、自分たちの在り方を見つめ直すことになるのだ。自分の本当の気持ちより相手のことを優先してきた黒沢の美意識は崩壊し、安達はこれからも一緒にいるためにどうしたらいいのか考え、自分の決心を黒沢に伝える。

甘えん坊でクヨクヨしがちだった安達の内面の変化を、表情や視線で丁寧に表現した赤楚と、クールな黒沢の中に潜んでいた本音を弱さも含めて繊細な演技で見せた町田。次なるステップを踏んだ2人が出した結論とは？ピュア100%の恋の行方を、赤楚と町田の演技にも注目しながら見届けてほしい。

文＝山本弘子

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