斎藤工と趣里のラブシーンに目を奪われる...映画「零落」は漫画家の苦悩を描く人間ドラマ
2023.10.21(土)
大人の色気を漂わせるワイルドなビジュアルと卓越した演技力で、日本のエンタメ界に確かな存在感を残している俳優・斎藤工。そんな斎藤が、創作意欲を失って苦悩する漫画家を好演したのが2023年3月に公開された映画「零落」だ。
(C)2023 浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会
大学時代に恋愛関係にあった、猫顔の少女(玉城ティナ)が残した言葉に囚われながら生きる漫画家・深澤薫(斎藤)。お洒落な絵柄と若者の共感を呼ぶ恋愛模様を描いたコミック「さよならサンセット」の8年間に渡る長期連載を終えた薫は、新たなヒット作を求める担当編集者との意見が食い違う中で、描きたいものが思い浮かばずに鬱屈した日々を過ごしていた。最も身近な存在で自分の最大のファンであるはずの妻・のぞみ(MEGUMI)とは、彼女が自分より売れっ子の漫画家・牧浦かりん(安達祐実)の担当編集者ということもあり、すれ違いばかり。空虚な毎日を送る薫は安らぎを求めて、風俗嬢をホテルへ呼び出すように。そんなある日、猫のような目をした風俗嬢・ちふゆ(趣里)に出会う...。
(C)2023 浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会
本作で斎藤が演じるのは、「自分の描きたいもの」と「世間が求めるもの」の差に苦しむ漫画家。斎藤は、クリエイターならではの苦悩に囚われ、他者から差し伸べられる手に背を向け続ける深澤を、長く伸ばした前髪と暗く沈んだ表情、独り言のようなセリフまわしで表現している。MEGUMIが演じる仕事で多忙な妻とは無表情でスマートフォンを触りながら会話する一方、飼い猫を抱き上げた時には優しく温かい微笑みを浮かべる。そのメリハリのある演技が、夫婦の間にある深い溝を観る者に強く印象づける。
8年間続いた連載の打ち上げ会でも、自分の挨拶に耳を傾けることなくスマホを触り続ける関係者の姿に絶望した薫は、癒しを求めて呼んだ風俗嬢・ゆんぼ(信江勇)に優しくされたことを機に、虚しさや寂しさを女性との触れ合いで埋めることを考え始める。久々に再会した友人には小馬鹿にされ、仕事ばかりで自分を見てくれない妻に感情を爆発させ、追い詰められた薫は、再び風俗嬢を呼ぶことに。そうして彼の前に現れた運命の女性がちふゆだった。
ちふゆを演じているのは、現在、連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロイン・花田鈴子を熱演し、注目を集めている趣里。個性的なショートボブスタイルと、歌うようなセリフまわしで魔性の女を演じる趣里は、本作で大胆なセミヌードを披露。バックショットでありながら、うなじから背中にかけてのラインは観る者すべてを魅了すること確実の美しさだ。そんなちふゆに身も心も満たされた薫は、トゲトゲしかった雰囲気も無くなり、すっかり柔らかいものに。ちふゆに「無理しないでね」と優しい声を掛けられた時に薫が発する「ありがとう」は、それまでの暗く冷たい声色からは想像できないほど優しく、大きなギャップに驚くはずだ。
今の仕事を辞めて、病気になった祖母の面倒を看ると言うちふゆと共に、彼女の地元を訪れた薫。そこで豊かな自然やちふゆの素顔に触れ、少しずつ精気を取り戻して行く。薄暗いホテルの一室や夜の街でしか顔を合わせていなかった2人が、陽の光の下で心の距離を縮める姿や、斎藤と趣里が演じる熱のこもった美しいベッドシーンは必見だ。
日本映画界きっての個性派俳優であり、「無能の人」「東京日和」などの実力派監督でもある竹中が、長編映画の単独監督作としては10年ぶりに手掛けた人間ドラマ。「ソラニン」「おやすみプンプン」などで知られる漫画家で本作の原作者でもある浅野いにおが、劇中に登場する薫が描く漫画を自ら手掛けるなど見どころ満載の本作。緩急のついた演技を披露した斎藤と、魔性の女を文字通り体を張って表現しきった趣里の2人の熱演が生み出す化学反応を、ぜひその目で確かめてほしい。
文=中村実香
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