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伊藤美来、声優活動10周年を振り返り「アーティストデビューはすごく大きなターニングポイント」

2023.10.8(日)

2016年にソロメジャーデビューを果たして以降、数々の楽曲でタイアップ曲を担当してきた伊藤美来が、11枚目となるシングル「点と線」を10月11日(水)にリリース。10月から放送予定のTVアニメ「星屑テレパス」のオープニング主題歌に決まっており、宇宙をイメージした浮遊感漂う楽曲となっている。作詞は渡部紫緒、作曲・編曲は坂部剛が担当。伊藤とは2017年発表の1stアルバム「水彩~aquaveil~」に収録されている「ワタシイロ」以来のタッグとなる。渡部と坂部の楽曲提供に嬉しさを滲ませる伊藤が、「これまでにない楽曲」と位置づける本作にかける思いや、声優活動10周年について語った。

声優活動10周年を迎える伊藤美来
声優活動10周年を迎える伊藤美来

――11枚目となるシングル「点と線」の第一印象を教えてください

「いい意味でつかみどころがないフワッとした雰囲気で、宇宙観というか不思議な曲だと思いました。今までにない楽曲でしっとりとした心地の良い音楽なんですけど、『星屑テレパス』のオープニングになることを先に聞いていたので、しっとり系の楽曲なんだっていう意外な気持ちもありました。あとは歌いこなせるかなっていうドキドキもありましたね」

――作詞作曲された方々とは「ワタシイロ」以来のタッグと聞いています

「そうです、久しぶりみたいな感じでした。『ワタシイロ』のときのフワッとした可愛らしさから、ガラッと変わった楽曲に作ってくださって、歌詞も紫緒さん節の美しい言葉が並んでいる感じが2人のタッグはやっぱり素晴らしいなと思いました。レコーディングにもいらっしゃって、私自身は私と作品のことを考えて作ってくださった曲なので、歌いこなさないとっていう気持ちと、『ちょっとお姉さんになったよ』っていうところを見せたい気持ちでドキドキしていたんですけど、結局『うわー、難しい』ってあたふたしていた姿をさらす羽目になり、そんな私を2人はすごく優しい目で応援してくれてました(笑)」

――MV撮影を振り返ってみていかがですか?

「部屋が3つぐらい並んだハウススタジオのような空間で撮影しているんですけど、あの映像を撮ったとは思えないような場所だったんですよ。だから、ここからあの映像になったんだっていうのが私も驚きましたし、大量のスーパーボールを投げて遊んだりして楽しかったです。普通はこの曲だとロケで星空を見に行きそうなのに、ちょっとスタイリッシュでアーティスティックに作っていただけたっていうのが、この曲らしさを汲んでくださっていて、すごく嬉しかったです」

――衣装について好きなポイントを教えてください

「今回は"新たな伊藤美来"を見せたくて、アーティスティックな方向性のデザインになっている水色のワンピースと、逆にいつも通りの私の2つの衣装を選びました。水色の衣装の方は、チュールがたくさん重なっていて形がすごく面白いんですけど、腰の後ろあたりがアヒルみたいにほわっと出ているので、全身が映っているシーンの時に確認してみてください。もう一つの衣装は左右で非対称のアシンメトリーになっているワンピースで、すごくおしゃれになっています」

――タイアップ作品ということで宇宙や星がコンセプトの楽曲になっていますが、好きな星や星座はありますか?

「小さいときにプラネタリウムを見に行っただけなのでそんなに詳しくはないんですけど、記憶にはあるのはさそり座。星座には神話のエピソードがあると思うんですけど、プラネタリウムでやっていた特集で、さそり座の話がめちゃくちゃ怖かったのが印象に残ってて、さそり座を見ると毎回そのエピソードを思い出します。でも、お父さんの星座だっていうのを知って『お父さんの星座怖いね』っていう話を父にした記憶があって、ちょっと好きですね」

――シングルのタイトルである「点と線」をモールス信号に例えるなら、伝えてみたい言葉はありますか?また、伝えるとしたら誰に伝えたいですか?

「私の周りには『宇宙人は本当にいる』っていう人が多くて、その影響で私もそんなふうに思っているので、すごく信じてる人たちのために本当にいるのか確認してあげたいです。モールス信号を私がやってみて『宇宙人さん、いますか~』って聞いて『宇宙人です』って返ってくるかどうか...その結果を教えてあげようかなって思います」

――最近、点と点が繋がって線になるような、ハッとさせられた事はありますか?

「この前カナダに行ったときに、ずっと時差のことがよくわかってなくて、なんでお昼に飛行機に乗ったのにその日の朝にバンクーバーに着いてるんだろうって。そしたら日付変更線っていうのがあるって聞いて、『習った!』ってハッとさせられました。この話は『チームみくの会』でもしたんですけどあの時にはすでに知っていて、実は配信では今知ったかのように話してましたね(笑)」

――「星屑テレパス」は女子高校生たちの青春ストーリーですが、高校生時代の青春の思い出を教えてください

「文化祭ですね。お化け屋敷をやりました。ダンボール集めて色を塗って壁作って、窓の光も入れないようにしたり、びっくり箱みたいな感じで人が飛び出るような大きい箱を作ったりしました。私は当日、受付と裏で霧吹きをやるっていう役をやってたんですけど、序盤も序盤で最初の怖がらせポイントって別に誰も怖がらないんですけど、けなげに穴からシュシュって。でも、無反応で、今回もダメだったな~って思ってました」

――カップリング曲「空色ミサンガ」の聴きどころを教えてください

「この楽曲は、今までに挑戦したことがない音楽のジャンルで作ろうということになって、サンバというか、明るいブラジルの音楽を本格的に取り入れていて、メロディーも歌詞もすごくパワーをもらえる楽曲になっています。歌詞はポルトガル語がときどき出てくるんですけど、英語も苦手なのにと思っていたら、『英語より上手だね』って褒められて自信になりました。周りの人たちとテンションを上げながら歌い続ける現場だったので、すごく楽しくレコーディングできました」

――10月にオフィシャルファンクラブが開催されることが決まりました。夢だったそうですね

「はい。第一線で活躍されている憧れの声優さんたちが、結構近い距離でイベントして感謝を伝えたりされていて、ファンの人と触れ合う機会が多く作れるっていうイメージがすごくあったんです。でもファンクラブって人気者じゃないと作れないと思っていたので、なかなか簡単に作りたいとは私の口からは言えない。だから今回やっと機会がきて、いいなって思ってたものが、私も実現できるかもってことがすごく嬉しかったです。昔から応援してくださる方もそうだし、新しく私に関心を持ってくれた方も楽しんでもらえるようなコンテンツを用意したいなと思います」

――デビューして声優10周年を迎えましたが、振り返ってどんなことを思いますか?

「振り返るといろんなことがあったなと思い返すんですけど、時間でいうとあっという間だなって思いますね。濃かった。何にもしてなかった時間がありがたいことになかったので、ずっとお仕事のことを考えさせてもらったし、頑張る機会や新しい挑戦も、毎年やらせてもらっていたと思います。すごく恵まれた10年でした。その中でもアーティストとしてデビューをさせてもらったことは、私にとってすごく大きなターニングポイントで、20歳でデビューしてからまだ続いているのもすごいですし、この10年間で切っても切り離せない活動の1つだと思います。これからもスタンスとしては、目の前にあるものをしっかりやっていきたいというのがあるので、1つ1つをちゃんと丁寧にできる人間でありたいです。いただいた仕事をやっていたら、いつの間にか数年経ってた、みたいになってたら一番すてきですね」

――リリースを楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします

「今回の楽曲は新しい一面を見せられる1枚になっています。聴いているとすごくフワッとしたり、逆にテンションが上がって楽しくなったり、2曲だけどバラエティー豊かな1枚になっていると思います。ぜひ何度も聞いて、宇宙旅行やブラジルに行けた気持ちになって楽しんでもらえたらいいなと思います」

撮影・取材・文=永田正雄

リリース情報

11th Single「点と線」
2023年10月11日(水)発売