佐野勇斗がメガネをかけた典型的なオタク男子に?学校一の美少女を演じた中条あやみからも目が離せない映画「3D彼女 リアルガール」
2023.2.22(水)
漫画やアニメという2次元の世界をこよなく愛するオタク男子が、なぜか3次元のリア充女子と付き合うことに...。映画「3D彼女 リアルガール」は、そんな"ありえない純愛"を描く那波マオの同名漫画を実写化したラブコメディーだ。根暗な男子高校生を佐野勇斗が、"超絶美少女"と呼ばれる同級生を中条あやみが演じ、「ヒロイン失格」などラブコメを多く手掛ける英勉監督がメガホンを取った。
(C)2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 (C)那波マオ/講談社
コミュ障かつ恋愛経験ゼロのオタク高校生・筒井光(佐野勇斗)は、大好きなアニメのヒロインとオタク仲間である親友だけを心の支えにして生きていた。彼は学校一の美少女でリア充な同級生・五十嵐色葉(中条あやみ)と2人きりでプール掃除をする羽目になるが、その日を境に、色葉は光を"つっつん"と呼び急接近を始める。色葉から「半年間だけあたしと付き合って」と突然の告白を受けたつっつんは、ありえないと反発しつつ期限付きでの交際をスタート。積極的な色葉に振り回されながらも、彼は次第に気持ちの変化を感じていく。
「オタク男子×リア充女子」という少女漫画的にはありえないカップルが主軸となる本作で、誰もがイメージするようなオタク像をコミカルに演じきった佐野勇斗の功績は大きい。それは冒頭のシーン、つっつんがアニメを凝視しながら自身の見解を早口でつぶやき続ける場面からも明らかに見てとれる。コミカルなシーンでは気持ち悪い仕草もなんなくやってのけ、その若干オーバーともとれる演じっぷりが、クスッと吹き出してしまうような面白さに繋がっているといえよう。その一方で彼氏としてのカッコよさが求められるシーンでは、ドキッとさせるような表情ものぞかせる。その演技の幅はもちろん、地味な外見ながらも実は誠実で優しいという新たな王子様像を生き生きと描き出した佐野の演技に拍手を送りたい。
(C)2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 (C)那波マオ/講談社
対する中条あやみは、"超絶美少女"という色葉のキャラクターにぴったりのルックスで、華やかなヒロインを体現している。早口で長台詞の多いつっつんに比べ、色葉はそこまで言葉数が多くない。それゆえに、中条はビジュアルで色葉という人物を表現することに苦労したという。少し小悪魔的な笑顔を見せてつっつんに彼氏としてのミッションを課す姿や、彼が愛するアニメのフィギュアを柔らかな表情で大切そうに扱う姿からは、色葉の可愛らしさやピュアな一面がしっかりと伝わってくる。中条自身は「いかに可愛くカメラに映れるかを意識した」と語っており、写真写りを意識してきたモデルとしての経験が役に立ったという。
いつの時代も、身分違いの恋は胸を熱くするものだ。その意味で本作は劇中でつっつん自身が同級生から指摘されるように、スクールカーストのトップと底辺という両者が引かれ合うラブコメとして仕上がっている。前半は"壁ドン"や"顎クイ"といったお約束な場面も盛り込んでコミカルに盛り上げつつ、後半からはシリアスでキュンとする展開も待ち受けている。王道な展開ながら、2人のピュアな思いに胸を打たれてしまう良作だ。
文=本永真里奈
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