石原さとみ、柳楽優弥ら豪華俳優陣が若者の苦悩を爆発させる映画「包帯クラブ」
2023.10.2(月)

岡田将生、松坂桃李らと共演したドラマの劇場版「ゆとりですがなにか インターナショナル」の公開が控えている柳楽優弥。2004年に「誰も知らない」で第57回カンヌ国際映画祭の男優賞を受賞して以来、その活躍は多くの人が知るところだが、柳楽と石原さとみが共演し、話題を呼んだ映画が「包帯クラブ」だ。

(C)2007「包帯クラブ」製作委員会
田中圭、貫地谷しほりも出演した本作は、天童荒太のベストセラー小説が原作。傷ついた人の代わりに忘れられない場所に包帯を巻きに行く「包帯クラブ」の活動とメンバーたちの心模様を描いた小説は反響を呼び、2022年には続編である「包帯クラブ ルック・アット・ミー!」が16年振りに刊行された。
2007年に公開された映画のメガホンをとったのは「ケイゾク」、「池袋ウエストゲートパーク」、実写版「20世紀少年」などの堤幸彦。柳楽が演じているのは衝動的でぶっ飛んだ青年・ディノで、それまで内向的な役が多かったこともあり、ターニングポイントとなった作品となった。そして石原が演じているのは将来に希望が見出せず、空虚な日々を送っていたワラ。ワラが手首に包帯を巻いていたことでディノが思いついたことが"包帯クラブ"誕生のキッカケとなっていく。20才になったばかりの石原と18才だった柳楽が見せたヒリヒリする演技とは?
■醒めていた女子高生、ワラを変えるディノを柳楽が生き生きと演じる

(C)2007「包帯クラブ」製作委員会
たまたま包丁で手首を切って病院に行き、医者に「リスカはよくない」と言われ、屋上の柵の上に立っていたワラをからかったのが入院していたディノだ。「私の何がわかるのよ!」と怒鳴るワラにディノがしたことは屋上の柵に包帯を巻きつけることだった。
なぜか、気持ちが楽になったワラは親友のタンシオ(貫地谷)が傷ついて泣いた時にディノのことを思い出し、一緒に乗っていたブランコに包帯で手当てをする。その写真を撮ったことが「包帯クラブ」の始まりだった。タンシオがPCが得意な浪人生、ギモ(田中)を巻き込み、3人はディノを探しに高校や自宅を訪ねる。
ヘタクソな関西弁で喋り、お金持ちの息子なのに裸足で登校したり、爆竹で自分を傷つけたりするディノは生命知らずのやばい問題児。「着るものや履くものがないヤツが世界にいっぱいいるやろ。もし、みんなが他人の痛みをホンマの意味で知ることができたら、世界は絶対変わる」と言うディノにワラは呆れるばかり。ヘラヘラ笑っているのにスイッチが入ると何をするかわからない危うさを持つ青年を柳楽が自由奔放に生き生きと演じている。
■自分たちが抱えていた傷も露わになっていく「包帯クラブ」

(C)2007「包帯クラブ」製作委員会
立ち上げたサイト「包帯クラブ」には、やがて次々と書き込みが...。サッカーゴールや鉄棒など、依頼者のトラウマのある場所に4人は包帯を巻きつけ、デジカメで写真を撮ってアップすることで多くの人たちに勇気を与えていく。両親が離婚した過去をひきずり、投げやりになっていたワラを演じた石原さとみは幼少期の思い出があるデパートの屋上でディノに見せる極上の笑顔とからかわれたら容赦なく蹴りをいれるギャップが魅力的。ワラとタンシオたちの親友を救うために身体を張って高いビルの屋上に何百枚もの包帯を巻きつけ、何度も絶叫する柳楽の渾身の演技と空撮シーンも見どころだ。お互いの深い傷にいち早く気づくディノとギモの友情など"誰にも言えなかった痛み"を超えていこうとする姿がリアリティを伴って描かれる。
文=山本弘子
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