キム・ヨンデが色気あふれる若き王を熱演！「そばにいてくれ...」と懇願する名シーンが涙を誘う初のロマンス時代劇

2023.9.30(土)

"WEBドラマ界のプリンス"として頭角を現し、「偶然見つけたハル」(2019年)での学校の人気者・ナムジュ役でブレイクを果たしたキム・ヨンデ。その後、名門高校に通う御曹司役で出演した「ペントハウス」シリーズが社会現象レベルの大ヒットを巻き起こしたこともあり、今最も期待される次世代スターの1人として注目を集めている存在だ。

そんなヨンデが初の時代劇に挑み、ツンデレな若き王という新たな魅力を発揮した主演ドラマが、10月21日(土)よりKNTVにてTV初放送されるロマンス時代劇「禁婚令 -朝鮮婚姻禁止令-」(2022-2023年)だ。

同名の人気WEB小説が原作となる本作は、若き王イ・ホンが世子だった時代に、愛する妻・ジャヨン(キム・ミンジュ)を亡くしたことで国全体に"禁婚令"が下されたまま7年が経過した架空の朝鮮が舞台。

一方、ヒロインとなるのは、禁婚令によって結婚や恋愛が禁じられた世の中で違法な結婚仲介を行っている茶屋・愛達堂の女主人、ソラン(パク・ジュヒョン)。ある日、詐欺の容疑をかけられ、牢屋へ。危機を脱しようとウソをつき、王・ホンの前で霊を憑依できると言ってしまったことから、女官として王に仕えることに。一国の王と女詐欺師――本来出会うはずのない2人のロマンスが、ときにコミカルに、ときにドラマチックに描かれる。

まず目を引くのは、時代劇初挑戦のヨンデが演じる若き王・ホンの色気あふれる美しさ。7年経っても亡き世子嬪・ジャヨンを忘れられないホンは、新たな妃を...と画策する臣下の者たちに反発し、刃を向けて嫌悪する。やつれた様子で瞳だけをギラつかせ、うなされるようにジャヨンの名を呼ぶホン。その狂気じみた美しさのインパクトは強烈だ。

打って変わって、生前のジャヨンと甘い会話を交わす回想シーンでは、別人のように優しい表情でニコニコと「一度でいいから"ハニー"と呼んでほしい」と甘えてみせるホン。ジャヨンを演じるキム・ミンジェの儚さあふれる表情も相まって、2人のシーンは美しく、幻想的に描かれている。

そして場面が、ジャヨンの死が判明した日の朝へと移ると一変。ホンは冷静さを失い、遺体を抱いて泣き崩れる。幸せの絶頂から悲しみのどん底へ...ヨンデが体現した感情の落差は見事で、情の深い王の人となりがよく表れた熱演を見せている。

一方のソランは、そんなホンの前に引っ立てられ、結婚詐欺の罰を逃れるため"世子嬪の霊を憑依できる"という大嘘をつくハメに。持ち前の観察眼と度胸を活かし、会ったこともないジャヨンの"ふり"をするソラン。

初めは疑いの目で見ていたホンだが、しおらしい言葉を並べるソランを見ているうち、その姿に愛しい亡きの妻の面影を重ねてしまう。「会いたかった...こんな形でも」「待ってくれ、頼むから行くな...」――絞り出すように言葉がこぼれ出すホン。ジャヨンのふりをしたソランに涙ですがる姿は何とも切なく、胸を締めつける序盤の名シーンだ。

やがて、女官として王と身近に接するうちに2人の間には特別な感情が芽生えていく。ソランに「そばにいてくれ」と懇願するホンと、「王は今、誰として私を見ているのか」ともどかしさを募らせるソラン。

実は、ソランには7年前のある出来事から"名門一族の令嬢・ヒョンソン"という名前を捨てたという過去があり、しかも、結婚するはずだった義禁府の武官・シノン(キム・ウソク)とは宮廷で再会。別人を装うものの、シノンは王のホンが唯一心を許す友であり、宮廷の陰謀に巻き込まれたソランを護衛する役目を担っていたことから、複雑な三角関係へと発展していく。

互いに気になる存在となり、距離を縮めていくホンとソランのロマンスを軸にしながらも、かつての許嫁・ヒョンソンの面影をソランに重ねるシノンの恋慕も、キュンを加速させていく。何より、亡き世子嬪を忘れられずに泣き暮らしていたホンが、ソランを守るために威厳をある王へと成長していく過程は痛快そのもの。キム・ヨンデの色気あふれる美しさとともに、じっくり味わいたい。

文＝酒寄美智子

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