本郷奏多が中学生の多感な心情を体現!阿部寛主演の映画「青い鳥」
2023.9.24(日)
現在放送中のヒューマンコメディ「姪のメイ」では姉夫婦を事故で亡くし、姪を1カ月だけ引き取ることになった32歳独身男子を演じている本郷奏多。そんな本郷が今から15年前の2008年に阿部寛と共演し、中学生の少年を演じたのが映画「青い鳥」だ。原作は直木賞作家・重松清の同名短編小説で、メガホンをとったのは本作が劇場用映画デビューとなった中西健二。当時17歳の本郷が、中学2年生の多感な少年・園部真一を演じている。
物語はいじめを苦に自殺未遂を図った生徒・野口哲也がいたクラスに臨時教員として村内(阿部)が赴任してきたことから始まる。吃音の村内は「あまり上手に喋れませんが、本気で喋ります。本気の言葉を本気で聞くのは当たり前のことです」と挨拶。片付けられていた野口の机を教室に戻し、机に向かって毎朝、声をかける。そんな村内の姿に教室には動揺が広がり、「事件の原因は自分にもあるのではないか」と思い悩んでいた園部は、異端の教師の行動に言いしれない不安を覚える。最初は疑心暗鬼だったものの、村内が屋上で1人佇んでいる姿や、バスの中での行動を目撃する内に、園部が内に抑えこんでいた"何か"が動き出していく...。
(C)2008「青い鳥」製作委員会
公開当時「泣ける」と話題になったのは、阿部と本郷が本当の教師と生徒のように心を通わせていく演技によるところが大きい。仲野太賀や新木優子も出演し、まだ10代だった頃の瑞々しい演技が見られる。
■本郷と太賀が2人きりで話すシーンから透けて見える少年の心理
(C)2008「青い鳥」製作委員会
雑誌の記事にもなったクラスメートの自殺未遂事件で、井上武志(仲野)はいじめの首謀者として遺書に名前を書かれていた。放課後、井上が園部に声をかけ、お茶を飲みながら話すシーンでは2人の演技のコントラストが印象的だ。
いじめたという自覚が薄く、「あいつ、いつも笑ってたじゃないか」と言う井上の言葉を俯きながら聞き、ついには「もういいって!」と遮る園部。壁に寄りかかる井上と猫背の園部の佇まいも対照的で、捉え方は違っていても、互いに事件のことが抜けない刺のように心に残っていることがわかる。学校側には村内のやり方に父兄から抗議が殺到し、生徒も静かな反抗心を見せるが、村内は感情を表には出さず、信念を曲げることはない。教室には次第に不穏な空気が漂い、"いじめの原因"のなすり合いになり、喧嘩が勃発。大人たちによって抑えこまれていた生徒の感情がついに爆発することになる。
■溢れ出す思いを先生にぶつける園部...本郷の演技に涙
事件後、校内には生徒が悩みや意見を書いて入れられる「青い鳥BOX」が設置されるが、入れられているのはゴミばかり。そんな中、入れられた1枚の質問が書かれた紙をスルーしようとする生活指導の先生に園部は声をあげ、教室に戻って野口の机に書かれた落書きを泣きながら消しゴムで消す。その姿を見ていた村内に、野口の机を置き続ける理由を問いかけ、「責任だ」と返される場面は本作の見どころだろう。痛ましい事件を、受験を控える生徒たちのためにも何とか丸くおさめ、なかったことにしようとする大人たち。そんな大人たちにどこかで違和感と不信感を抱いていた園田に村内の言葉が響き、胸の痛みと後悔が涙になって後から後から溢れ出していく。
吃音のコンプレックスを抱きながら本気で生徒と向き合ってきた村内という教師との出会いによって、園田の閉ざされていた心が開いていくさまを本郷はヒリヒリした演技で見せた。そんな若き日の本郷に出会える作品でもある。
文=山本弘子
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