緒形拳、田中裕子、西田敏行がユーモラスな演技を見せる映画「北斎漫画」
2023.9.22(金)
今は亡き名優・緒形拳が江戸時代を代表する人気浮世絵師・葛飾北斎を演じ、「怪物」の怪演が話題となっている田中裕子が北斎の娘・お栄を演じた映画が、1981年に公開された「北斎漫画」だ。
(C)1981松竹株式会社
原作は矢代静一の同名戯曲で、メガホンを取ったのは「裸の島」でモスクワ国際映画祭・グランプリを受賞した新藤兼人。「南総里見八犬伝」で有名な北斎の相棒・曲亭馬琴は西田敏行が演じ、鉄蔵(北斎)の前に突如現れた魔性の美女・お直は樋口可南子が演じた。
緒形、西田が30代から90代まで、田中が10代から70代までの人生を生き生きと時にコミカルに演じている。後に春画の大家となった鉄蔵がお直をモデルに描くつもりが恋をして魂を抜かれ、お栄に説教されたり、絵師として本能のままに突っ走る生き方を緒形拳がエネルギッシュに表現。目が離せない父親を支えるお栄を演じた田中裕子は当時、まだ20代半ばながら既に大女優の予感に満ちている。
■早熟で毒舌なお栄は娘にして北斎の最強のバディ
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幼いときに幕府御用達の鏡磨師、中島伊勢の養子となり、絵師の弟子として修行を積むものの素行の悪さで破門されてばかりの鉄蔵は、下駄屋の婿養子の佐七(後の馬琴)の家にお栄と居候している。描きたいものが見つかったら、後先考えず、鉄砲玉のように飛んでいってしまう鉄蔵は芸術家気質のロクデナシ。偶然、出会ったツンデレの美女、お直に"夕立が来たらずぶ濡れになって歩き出し、いつのまにか駆け出す。そうなったら、もうどこに向かっているかわからない"とまくし立てるシーンがあるが、まさに鉄蔵の生き方だ。衝動的な鉄蔵と対照的な性格なのが親友の佐七(西田敏行)。年上の女房の尻に敷かれながら、コツコツお金を貯め、滝沢馬琴の名で読み本を出すことを夢見ている。
お直に傷心な鉄蔵のことを「大した女でもないのに逃げられたとなると相当、男心がむしばまれるんだよな」とバッサリ斬るお栄は生意気で聡明。大人になってからは陰で北斎を支え、春画が描けなくなって落ち込む姿を見ていられず、父のために身体を張る。最強のバディである親子の波乱万丈の人生を緒形と田中がパワフルかつユーモラスに体現している。
■ヨレヨレになっても創作意欲が尽きない北斎の弾丸人生
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お栄は曲亭馬琴としてすっかり有名になった佐七のもとを訪ね、お金を借りに来るが、北斎は歳とっても相変わらずの格好つけ男。お金を持って娘を置いて、富士の絵を描きにひとりで旅に出てしまう。それで描き上げたのが有名な「冨嶽三十六景」だ。生涯、お金には恵まれず浅草の長屋にお栄と住んでいる北斎はヨレヨレになり、裕福な暮らしをしている馬琴はボケ老人に。それでもお栄が連れてきた美女をモデルに有名な「蛸と海女」を描き上げ、「人間、誰だって魔性を持ってる」と俄然やる気になる北斎の尽きることのない情熱に圧倒される。全員が年老いた後半はコントのような面白さもあるが、変わらない北斎と馬琴の友情、お栄の心に秘めた恋も描かれ、ヒューマンドラマとしても味わい深い。と同時に名優たちの若き日の共演が貴重すぎる映画だ。
文=山本弘子
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