SHINee・ミンホの「泥臭い」演技に魅了！俳優業への覚悟を感じさせる生々しい肉体表現とは？

2023.9.13(水)

今年の5月にデビュー15周年を迎えると、6月にリリースした8thフルアルバム「HARD」が世界40の国と地域のiTunesのトップアルバムチャートで1位に輝くなど、大きな反響を集めたSHINee。熱烈な日本のファンの声に応え、9月末からは約5年ぶりの日本アリーナツアー「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]」も幕を開ける予定だ。

華々しいグループ活動の復活にファンが歓喜する一方、各々が傑出した才能を持つSHINeeは積極的なソロ活動でも個性を磨いており、2022年末にはデビュー14年目にしてミンホが1stミニアルバム「CHASE」をリリース。メンバー内では最後となるソロデビューを果たし、多彩な魅力を放った。

また、2010年頃から俳優としても活躍しているミンホは、SHINeeを代表する"演技ドル"としても有名。映画では甘いロマンスも封印し、9月にKNTVにて放送される映画「アンダードッグ 二人の男」(2016年)と「長沙里9.15」(2019年)といったハードなアクション作品にも挑戦しており、ステージとは異なる一面を見せつけてきた。

ミンホにとって映画初主演作となった「アンダードッグ 二人の男」は、ストリートに生きる若者と裏社会に生きる男が激突するクライム・サスペンス。一方、「長沙里9.15」は、朝鮮戦争下に実行された無謀な作戦を題材に、歴史の闇に葬り去られた兵士たちの死闘を描くミリタリーアクション大作だ。

両方の作品に共通するのは、それまでのミンホの爽やかなイメージをガラリと覆すハードな役どころという点だ。

「アンダードッグ 二人の男」で演じるのは仲間と共に盗みを繰り返し生き抜く、家を持たない不良グループのリーダー。そして「長沙里9.15」では事実上の捨て駒として長沙里上陸を命じられた学生兵をまとめあげる分隊長。どちらもK-POP界のスターとしてスポットライトを浴び続けてきたミンホ自身とは大きなギャップを感じる泥臭いキャラクターだ。

どちらも壮絶なキャラクターであるがゆえに、役作りに困難を極めたことは想像に難くないが、ミンホの演技に懸ける"覚悟"が端々から伝わってくる。いつもの王子様のような甘いスマイルは皆無で、泥や血でまみれた顔は、大きな瞳が揺らぎ緊張感を誘う。

また切ない叫びや怒りの演技も、彼の内側から湧き上がる熱量がしっかりと感じられ、その気迫に心震わされる。手に汗握る苛烈なアクションにも果敢に挑んでおり、その迫りくるリアリティには圧倒されるはずだ。

俳優として新たな壁に挑み、試行錯誤と努力を積み重ながら見事に新境地を開拓したスクリーンでのポジション。その迫真の演技を目の当たりにすれば、華やかなスターの姿とは一線を画す俳優・ミンホの姿に今後も期待してしまうことだろう。

文＝川倉由起子

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