藤井聡太竜王・名人をはじめ、若きタイトル戦挑戦者の歴史を振り返る!
2023.9.13(水)

長い決勝トーナメントを勝ち上がった20歳の竜王挑戦者に沸く将棋界。伊藤匠七段の挑戦は歴史上でもかなり早い方だが、これまでの若きタイトル戦挑戦者の歴史はどうだろうか。
これまでで最も若い挑戦者はご存じ藤井聡太竜王・名人。2020年度の18歳になる直前での棋聖挑戦で、それまでの記録とは数日の差だった。この時は新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言により、遠征を伴う対局はストップ。東海在住の藤井は対局そのものができず、あわや勝敗以前のところで記録更新が不可能になるところだった。結果的には対局が再開してからのハードスケジュールをすべて勝ち、棋聖挑戦によりギリギリで記録を更新。この時は直後に王位挑戦権も獲得し、どちらも奪取し一気に二冠に躍り出た。
それまでの記録は1989年度の屋敷伸之九段による棋聖挑戦で、前述の通り藤井とはわずか数日の差だった。プロデビューから1年2ヶ月での挑戦で、こちらは歴代最速。この時はフルセットで敗れて挑戦失敗したものの、連続挑戦を果たして翌期に棋聖を奪取している。

Ⓒ囲碁・将棋チャンネル
第3位は羽生善治九段。屋敷と同じ1989年度の竜王挑戦で、19歳になったばかりだった。この時は持将棋を含むフルセット8局の激闘を制し、竜王を奪取。長きに渡る羽生時代の始まりだった。

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第4位は渡辺明九段の2003年度の王座挑戦。19歳4ヶ月での挑戦で、羽生王座(当時)を相手に堂々たる指し回しで2勝1敗と追い詰めたが、第4、5局と落とし挑戦失敗。この時は羽生の手が初めて震えたシリーズとも言われている。敗れた渡辺だが、翌年には竜王に挑戦し、こちらはフルセットで奪取した。ここまでの4人が10代でタイトル戦に出場した棋士となる。
5位以降も加藤一二三九段、中原誠十六世名人、豊島将之九段、佐藤康光九段、谷川浩司十七世名人、郷田真隆九段とトップ10には歴代の超一流棋士がずらりと並ぶ。今回の伊藤は21歳になる直前でのタイトル挑戦となり、佐藤と谷川の間に入る記録となる。同学年の藤井がタイトル、棋戦優勝をほぼ独占しているため霞んでしまうが、こうして見ると伊藤の記録も素晴らしいものであることが分かるだろう。若いうちからどれだけ活躍するかは一流棋士の大きな指標の1つであり、将来的にはタイトル戦の常連となる可能性が非常に高いと言える。
今回の竜王戦七番勝負は防衛側も非常に若いため、タイトル戦の合計年齢としては過去最少となる。若き絶対王者に若き挑戦者が挑む記念すべきシリーズだ。
文=渡部壮大
放送情報
(将棋)[生]第71期 王座戦 五番勝負 第3局 永瀬拓矢王座 vs 藤井聡太竜王・名人
放送日時: 2023年9月27日(水) 8:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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