知念侑李の魅力を内村光良のエンタメ力で引き出した映画「金メダル男」
2023.9.10(日)
「一等賞になりたい」と、誰もが一度は思うことだろう。そんな素朴ながらも壮大な願いに全力を懸けた男の半生を描いた作品が、9月24日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される映画「金メダル男」だ。
お笑い芸人でありながら映画監督としても活躍する内村光良の監督第3作である本作は、2011年に上演された内村の1人舞台を映画化したもの。映画版では内村と知念侑李がW主演として二人一役を演じ、七転び八起きな男の半生をコミカルながらも温かなタッチで描き出す。
東京オリンピックが開催された1964年、長野県塩尻市で生まれた泉一。冴えない子供時代を送っていた彼は小学生のときに徒競走で1位になり、一等賞になる魅力に取りつかれる。それ以来あらゆる大会で金メダルを取って"塩尻の金メダル男"と呼ばれるようになり、中学生になった泉一(知念侑李)は入学早々に注目の的になる。ところが彼は中学で初めての挫折を経験し、再び金メダルを手にするために奮闘し始める。時は流れ、30代後半を迎えた泉一(内村光良)は、やはり一等賞への執念を捨てきれない日々を送る。
泉一の中学時代から20代までを演じるのは、本作で映画初主演を飾った知念侑李。内村と知念はバラエティー番組で長年共演してきた間柄だが、その現場でスタッフから親子のようだと言われたことがキャスティングのきっかけだったという。
アイドルでありながら見事なコメディー演技を見せている知念だが、その裏には内村監督が直々に施した笑いの英才教育があった。挫折のたびにその顔立ちからは想像もできないような情けない表情を繰り出しつつも、泉一が再び脚光を浴びるきっかけとなる一人芝居のシーンでは鮮やかな舞とずば抜けた身体能力を見せてくれる。
20代の泉一が挫折を味わいながらもまだハツラツとしているのに対し、内村光良が演じる壮年期の泉一は、やはり明るい人物ながらも切なさが漂っている。特に印象的なのは、泉一が一等賞への捨てきれない思いを吐露するシーン。幾度にも及ぶ挫折の悲哀を抱えながらも、それでも諦めることを選ばない...いや、選べないのかもしれない泉一の姿に、それが彼の生きざまなのだと応援したくなるはずだ。
本作では原作・脚本・監督・主演と一人四役をこなしている内村だが、さらに作詞・作曲の手腕も見せている。若くして挫折した中学時代の泉一は歌番組でアイドルが歌う姿を見て勇気を取り戻すが、その劇中歌の作詞・作曲を内村自身が手掛けている。さらに彼はレコーディングやダンスレッスンにも参加するなど、そのこだわりっぷりが伺える。
そしてこの劇中歌を歌うアイドル役の清野菜名をはじめ、大泉洋やムロツヨシ、長澤まさみといった豪華な面々が助演として物語に深みを与えているのもポイントだ。気軽に鑑賞できる作品でありながらも、時にクスッと笑え、時にはジーンとしながら、最後には内村監督らしい温かなエールが胸に残ることだろう。
文=本永真里奈
放送情報
金メダル男
放送日時:9月24日(日)21:00~ほか
※本編前後には、内村光良のインタビューも放送。
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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