土屋太鳳と竹内涼真がまばゆい青春を駆け抜ける演技を見せた映画「青空エール」
2023.8.7(月)
部活に熱中する日々と同じ夢に向かったクラスメートとの淡い恋――。見終わった時に夏空が広がるような感覚に陥るのが映画「青空エール」(原作は同名の人気コミックで監督は三木孝浩)だ。
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
ヒロイン、小野つばさを演じているのは、生田斗真主演のドラマ「警部補ダイマジン」に警視庁捜査一課の巡査部長として出演中の土屋太鳳、つばさが恋をする野球部のクラスメイト・山田大介を当時、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」で注目を集めた竹内涼真が演じている。
自信が持てず、自分の靴ばかり見て俯いていた主人公・つばさは吹奏楽と大介に出会ったことによって別人のように生き生きと輝いていく。その過程を演じた土屋は当時、20才。爽やかで木訥とした野球部員役がハマっている竹内は実は撮影時、キャッチボールさえできずに猛特訓。HOMINSのインタビューで周囲には大介はピッタリと言われたものの「今考えると大介は"真面目すぎるバカ"でカワイイ男の子なのですが、演じているときは大介と僕の似ているところが分からず苦戦しました」と語っている。大介の先輩役に山田裕貴、つばさの先輩役に志田未来、同級生役に葉山奨之、吹奏楽の顧問の先生役に上野樹里とキャストも魅力的な本作。土屋と竹内が作中で送り合ったエールとは?
■トランペット初心者、叩かれてもめげない雑草女子を土屋が演じる
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
吹奏楽部でトランペットを吹きたくて名門の白翔高校に入学したつばさは消え入りそうな声で自己紹介する引っ込み思案な性格。同じクラスの大介と会話を交わしたのは野球部や吹奏楽部が獲ったトロフィーがズラッと並ぶショーケースの前。白翔高校が甲子園に出た時の試合を見て、トランペットに憧れたことをつばさが話すと大介が「俺もだよ。絶対甲子園に行くから、その時はスタンドで応援してくれる?」と爽やかな笑顔で返し、2人だけの約束を交わす。しかし、いざ入った吹奏楽部はレベルが高く、先生(上野樹里)もスパルタ。初心者のつばさは部員から白い目で見られ、同じ1年で実力を認められている水島(葉山)からも「応援がしたいとか、軽い気持ちで入られると迷惑」とバッサリ言われるが、大介との約束と励ましに力をもらい、つばさはへこたれない。先輩からどんなに叩かれても奮起し、雑草のように根を張っていく。そして、肝心な時に大介がミスをして負けてしまった試合でひとり立ち上がり、トランペットを吹いてしまうのだ。"好きこそ物の上手なれ"、"千里の道も一歩から"を地でいくヒロインを土屋が青春そのものの一途さで好演している。
■甲子園を目指す野球男子の不器用さ、切なさを表現した竹内に胸キュン?
甲子園を目指しながら、試合に敗れて卒業していく先輩、碓井(山田)は落ち込んでいる大介を励まし、「オマエは後輩、連れてってやれよ。甲子園」と夢を大介に託して卒業していく。つばさと交わした約束、先輩から引き継いだバトンを背負っているゆえに大介はつばさから告白されても、今は野球に集中したいと自分の気持ちを抑え込んでしまう。このあたりが竹内が語っていた"真面目すぎるバカ"で可愛い男の子の所以なのだろうが、その後も部活に青春を賭ける大介は夢が遠ざかって挫折を味わっていく。「青空エール」で描かれる2人の青春は爽やかという一言では表せない。メンタルが強くないと逃げ出したくなる局面も多々あり、振り返ってみたら"ほろ苦い"が"甘酸っぱい"に変わるような、そんな日々を土屋と竹内が感じさせてくれる作品だ。
文=山本弘子
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