二宮和也が見せた号泣必至の情感あふれる演技...北川景子との仲睦まじい夫婦ぶりがより強い感動を呼ぶ「ラーゲリより愛を込めて」
2023.7.26(水)
転生とか異能とかタイムリープとか、もはやなんでもありの映画の世界で、"奇跡"を描くのは難しい。それでも戦争時の抑留者収容所という絶望的な状況でなんの特殊能力も持たない弱き人間たちが起こした奇跡をストレートに描ききった感動作が映画「ラーゲリより愛を込めて」だ。
(C)2022「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 (C)1989清水香子
作家・歌人の辺見じゅんによるノンフィクションを「とんび」の瀬々敬久監督が映画化したこの作品。舞台は、第二次世界大戦後の1945年、厳冬のシベリア、零下40度の中で、わずかな食料で過酷な労働を課せられ死者が続出する収容所(ロシア語でラーゲリ)。しかし、日本人抑留者の1人、山本幡男(二宮和也)は、周囲の絶望する抑留者たちに「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」と訴え続ける。山本自身、日本に帰った妻・モジミ(北川景子)や4人の子どもと再会することを生きる目標にしていた。
山本の信念ある言動は、終戦後も軍隊の上官であったことが捨てられず周囲を威嚇する相沢(桐谷健太)や、「自分は卑怯者だ」と葛藤する松田(松坂桃李)らの心をも溶かしていく。しかし、8年経っても、日本とロシアの国交は回復せず、希望の見えない日々は続いていた。
(C)2022「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 (C)1989清水香子
二宮はロシア語のセリフの特訓をして、ロシア文学好きのインテリでありながらロシアという国にどこまでも徹底的に虐げられる山本の苦悩を真摯に演じている。どんな時でも、けっして声高に叫んだり他人を貶めたりしない山本だが、病気になりベッドの上から動けなくなった時の悲しみの表現が、情感豊かかつ自然で素晴らしい。瀬々監督は、あれこれ細かい演技の指導はせず、役者に任せるタイプだったというが、新潟に作った収容所のオープンセットの中で、二宮は実在した山本自身にしか見えない程の迫真の芝居をしている。絶望と希望の間で感情のグラデーションをシームレスに見せる演技力はさすがだ。
終盤、山本は同郷の先輩の原(安田顕)に「遺書を書きなさい」と言われ、妻や母、子供たちに当てて数通の遺書を書く。その言葉にも、実話ならではの人間味が溢れているが、中でも、子供たちに当てた言葉「最後に勝つものは道義であり、誠であり、真心である」という主張に、彼の生き方が集約されている。
これまでに二宮が出演した戦争映画といえば、思い浮かぶのが、2006年公開のクリント・イーストウッド監督によるアメリカ映画「硫黄島からの手紙」。当時20代だった二宮はオーディション動画で監督に注目され、西郷という少年のような若き応召兵(ここでも一等兵)を演じた。「ラーゲリより愛を込めて」で演じた山本はもはや若者ではない4児の父で、収容所で出会った若き青年 (中島健人)に文字を教えたりする。
北川景子は、戦争によって夫と生き別れ、1人で4人の子を育てなければならない母親を熱演している。気丈なモジミは子どもたちの前では明るく笑顔を絶やさないが、ある知らせが届いて、ついに耐えられず感情を溢れさせてしまう。その場面のエモーショナルな演技は、多くの作品に出演してきた北川のキャリアの中でも新境地だと言えるだろう。
二宮と北川が演じる夫婦は仲睦まじいからこそ、ラストがいっそう感動的で、悲しみの中にも希望が見えるものとなっている。桐谷健太、松坂桃李、安田顕ら演技力のあるキャストが顔をそろえており、中島健人の好演も印象的だ。
文=小田慶子
放送情報
ラーゲリより愛を込めて
放送日時:2023年8月12日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2023年8月13日(日)10:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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