羽生善治九段─佐藤康光九段をはじめ、「百番指し」の歴史を紹介!藤井聡太竜王・名人と「百番指し」を誰が達成するのかにも注目!
2023.7.22(土)

将棋界において、同じ相手との対局が100局に到達することは「百番指し」として大きな節目になっている。対局をそれだけ重ねるにはタイトル戦で何度も対戦することが必須であり、ともに時代を代表するトップ棋士であることの証でもある。トップ同士の実戦ということもあり、百番指しを達成した暁には棋譜集として出版されることも多い。

©囲碁・将棋チャンネル
歴代で最も多い対戦は、中原誠十六世名人─米長邦雄永世棋聖。昭和を代表する黄金カードで、中原から見て106勝80敗1持将棋となっている。番勝負での対決は実に20回。
歴代3位は大山康晴十五世名人─升田幸三実力制第四代名人で、大山から見て96勝70敗1持将棋。こちらも昭和を代表する対決だが、当時はタイトル数が多くなかったため3位に甘んじている。
現役棋士同士では羽生善治九段─谷川浩司十七世名人が歴代2位にランクイン。平成を代表するカードで、羽生から見て106勝62敗となっている。
大山─升田戦と並ぶ歴代3位には羽生九段─佐藤康光九段のライバル対決も入っている。羽生から見て112勝55敗と差が付いている。両者は7月下旬に順位戦B級1組での対戦が決まっているため、羽生─谷川戦に並ぶ歴代2位となるのは確定だ。
同世代のライバル対決では、羽生九段─森内俊之九段が歴代7位に入っている。羽生から見て79勝60敗で、羽生を最も苦しめた相手かもしれない。永世名人争いでも森内が先を越している。

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いずれも時代の王者とそのライバルという関係性だが、大山十五世名人─中原十六世名人は百番指しを達成している。中原から見て107勝55敗と差が付いているが、20歳以上の年齢差があるため仕方のないところと言える。大山は米長とも百番指しを達成しており、50~60代でも次世代の強豪と渡り合う強さがあった証明だ。
ひふみんこと加藤一二三九段も大山、中原、米長の3人と百番指しを達成。いずれも結果は負け越しだが、対局を重ねていることが超一流であったことを示している。
現在猛烈な勢いで対局数を増やしているのが、里見香奈女流五冠─西山朋佳女流三冠。対局数はまだ50局を超えたところだが、昨年度は20局を軽く超えている。今年もすでに清麗戦五番勝負、白玲戦七番勝負での対決があるため、さらに増えていくことは必至だ。女流棋界においては実力が抜きんでているため、片方がタイトルホルダー、もう片方が挑戦者で対戦するパターンが非常に多い。また、実力も拮抗しているため番勝負は一方的にならず、フルセットになりやすいため必然的に対局数も伸びていく。
女流棋士では清水市代女流七段─中井広恵女流六段が唯一の百番指し達成カードだが、これに続くのは間違いないだろう。

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藤井聡太竜王・名人と最初に百番指しを達成するのは誰になるだろうか。早くもほぼすべてのタイトルを手中に収めてしまったため、対局数を伸ばすにはタイトル戦に何度も挑戦する、ダントツのナンバー2になる必要がある。現状は様々な棋士が藤井への挑戦者になっているため、有力な候補は今後次第だろう。なお、一番多いのは豊島将之九段だが、まだ30局を超えた程度になっている。
文=渡部壮大
放送情報
将棋熱戦 徹底解説 第30期銀河戦・藤井銀河特集 3 準決勝 藤井聡太竜王 vs 豊島将之九段
放送日時:2023年8月14日(月)17:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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