小麦色に焼けた三浦春馬のまぶしさに目が奪われる映画「奈緒子」
2023.7.22(土)
駅伝に懸ける高校生の夏を描く映画「奈緒子」は、雑誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載された同名の人気漫画を上野樹里・三浦春馬の共演で映画化した青春ドラマだ。
長崎の島を舞台に、幼い頃の傷を抱えて生きる2人の高校生の交流と再生を、みずみずしい若手俳優らの演技で描き出す。
12歳の時に喘息の療養で長崎の島を訪れた奈緒子は、誤って海で溺れてしまい、同じ船に乗り合わせていた男性に助けられる。しかし、その男性は帰らぬ人となり、彼の息子である雄介に心の傷を負わせてしまう。それから6年後。陸上競技に手伝いとして参加した奈緒子(上野樹里)は、天才ランナーに成長した雄介(三浦春馬)と再会を果たす。奈緒子は自分が6年前の少女だと打ち明けるが、雄介からは冷たくあしらわれ、そんな2人の複雑な事情を知った陸上部監督の西浦(笑福亭鶴瓶)は、奈緒子をマネージャーとして夏合宿に参加させることにする。
(C)2008 坂田信弘・中原裕/「奈緒子」製作委員会
映画のタイトルこそ「奈緒子」だが、この映画の真の主人公は三浦春馬が演じる雄介だと言っても過言ではないだろう。2007年に映画「恋空」でブレークを果たした彼にとって、本作は俳優としての注目度が一気に上がった2008年に公開された作品だ。「恋空」で日本アカデミー賞新人賞を受賞した三浦は、続く「奈緒子」で毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を手にし、若手俳優としての地位を確かなものにした。
(C)2008 坂田信弘・中原裕/「奈緒子」製作委員会
三浦は本作で、駅伝に挑む天才ランナーという役を演じる。スポーツものを演じるにあたって重要なのは説得力のある身体だといえるが、三浦は小麦色に焼けた肌にしっかりと筋肉のついた体で、爽やかな運動少年に変身を遂げた。短距離走から駅伝に転向するという変わった役だが、冒頭の100m走とメインとなる駅伝の両方で美しいフォームを見せ、天才ランナーとしての風格と説得力を醸し出している。
撮影当時は現役高校生だった三浦にはまだ少年らしいあどけなさが残っているが、確かな演技力で高校生の自然な姿をカメラの前に映し出している。雄介は無邪気で明るい性格だが、父親の死という過去を抱え、その原因である奈緒子には複雑な感情を抱いている。そして天才であるがゆえに、陸上部の合宿でも他の部員たちとの葛藤に苦しむことになる。焼けた肌にキラキラと輝く瞳が印象的な三浦だが、ただの爽やかなアイコンというだけではない、生きて悩みもがく人間である彼に、思わず心をつかまれてしまうだろう。
10代のまぶしい輝きを放つ三浦を筆頭に、主役の奈緒子を演じる上野樹里、陸上部の先輩役である柄本時生などの若かりし姿を楽しめるのは青春映画ならでは。特に、雄介のライバルともいえるエリートランナー・黒田を演じる綾野剛は、三浦と手に汗握る対決シーンを展開する。ひと夏に懸ける高校生たちの姿が清々しい感動をもたらす作品だ。
文=本永真里奈
放送情報
奈緒子
放送日時: 2023年7月27日(木)7:30~、8月15日(火) 19:00~
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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