高橋文哉がトップアーティストを目指す少年に！8LOOMの活躍も話題になった「君の花になる」

2023.7.6(木)

6月に公開された劇場版アニメ「ブラッククローバー 魔法帝の剣」で声優に初挑戦、7月公開の「交換ウソ日記」では恋愛映画初主演を果たした高橋文哉。ドラマやバラエティ番組でもひっぱりだこで、現在注目度急上昇中の俳優だ。

高橋の本格的な俳優活動は、2019～2020年に放送された令和仮面ライダーシリーズ第1作「仮面ライダーゼロワン」での主演から始まった。若手俳優の登竜門として知られるライダーシリーズを経て、2021年放送のドラマ「最愛」で演技力の高さが話題となり、一気に知名度がアップした。

高橋の演技の幅は広く、「仮面ライダーゼロワン」では表情豊かでハジける演技を見せ、「最愛」では憂いや儚さが滲む演技で視聴者の心を揺さぶった。その才能は計り知れないところがあり、今後の進化に注目していきたい若手俳優と言える。

そんな高橋の演技をたっぷり味わえるのが、2022年放送のドラマ「君の花になる」だ。主役は本田翼が演じる仲町あす花。ある事情から高校教師を辞めたあす花は、ひょんなことからボーイズグループ「8LOOM（ブルーム）」のメンバーが暮らす寮の寮母として働くことに。高橋は8LOOMのセンターで、かつてあす花の教え子だった佐神弾役を務める。

物語は、あす花が教師だった頃の回想から始まる。夜も更けた校舎、音楽室から聴こえるギターの音と歌声を不審に思ったあす花が見に行くと、そこには弾の姿が。ベランダから飛び降り自転車で逃走する弾だが、ICレコーダーを忘れたことに気づき、慌てて音楽室に戻る。

戻る際に自転車をドリフトさせるアクションもさすがだが、あす花との会話も見どころだ。歌を録音したICレコーダーを聴くあす花が唇に指を当て「しっ」と言った時、「すみません...」と子どもらしく素直に従ったり、歌を褒められた時には少し照れながらも嬉しそうに微笑んだり。回想の中の弾は、純な高校生といった印象を受ける。

しかし、時を経て再会した時、弾は以前の弾ではなくなっていた。事務所の社長からあと半年で契約解除と宣告された時、メンバーを励ますあす花を強い調子で遮ったり、冷たい調子で仲間を責めていさかいを起こしたり。8LOOMのメンバーとしてデビューしたものの、売れない焦りやイラつきが身体の中から滲み出ている。

そんな弾を含む7人のメンバーをあす花が応援し、トップアーティストになるべく支えていくわけだが、高橋は随所で絶妙な演技を見せてくれる。

配信ランキング1位を取るための新曲を寮の屋上で作るシーンでは、感性を開放して良い音を探しているような空気が伝わってくる。商店街のお祭りで着ぐるみが脱げて正体がバレた時に無理にカッコつけようとする可愛いシーンもあれば、寮の屋上であす花に自分の弱さを吐露するシーンでは辛く、寂しそうな表情を見せる。あす花に諭されて自分に素直になった時には、かつて生徒だったことを思わせる、甘えたような空気を漂わせたりもする。

高橋の表情や声音からは、喜怒哀楽にとどまらず、それ以上の何かが伝わってくる。人物の内面を深く伝える力があるからこそ、高橋の演技に引き込まれてしまうのだろう。

さまざまな障害を乗り越えるに従い、8LOOMのメンバーはアーティストとして成長し、同時に弾とあす花の関係も深まっていく。果たして8LOOMをどんな未来が待っているのか。また、弾とあす花の思いはどう発展していくのか？

ドラマに登場するグループ・8LOOMは、リアルでも期間限定で活動し話題となった。8LOOMの楽曲も合わせて視聴しながら、存分に本作を楽しんでほしい。

文＝堀慎二郎

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