阿部寛と対峙する磯村勇斗の存在感が圧巻!清野菜名、高杉真宙ら若き才能が集結した「異動辞令は音楽隊!」
2023.6.27(火)
現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」で戦国武将・武田信玄を貫禄たっぷりに演じている阿部寛。そこに居るだけで作品の格がワンランク上がるような絶対的な存在として長きにわたり映画やドラマで活躍し続けている。
強面だが人間味があり、どことなくコミカルな印象も与える唯一無二の魅力を生かした演技、さらに初のドラム演奏に挑んだことでも話題を集めたのが、昨年公開の映画「異動辞令は音楽隊!」だ。阿部の演技を堪能できるのはもちろん、磯村勇斗、清野菜名、高杉真宙といった若手の実力者たちも阿部に負けず劣らずの存在感を放っている。
(C)2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会
「ミッドナイトスワン」(2020年)で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞など9部門に輝いた内田英治監督がメガホンを握り、「ミッドナイトスワン」組のスタッフが再集結した本作。警察音楽隊に配属されたベテラン刑事の再出発が、個性豊かなはぐれもの警察官たちとの交流と共に描かれていく。
犯罪捜査一課一筋30年のベテラン鬼刑事・成瀬司(阿部)は、犯罪撲滅に人生を捧げるがゆえに独りよがりな捜査を行い、コンプライアンスの遵守を重視する上層部と衝突。高圧的な態度が部下にも煙たがられ、周囲から浮かれる古い男だ。そんなことも気にせず、高齢者を狙うアポ電犯を追っていたが、行きすぎた捜査の結果、県警本部長から音楽隊への異動を命じられてしまう...。
(C)2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会
この成瀬と共にアポ電事件の捜査にあたるバディの坂本祥太(磯村)は、違法スレスレながら結果を出す成瀬に敬意を抱きつつも、振り回されるうちに失望を感じるという複雑なキャラクター。磯村は呆れたような冷ややかな視線、一歩も引かない強い口調など阿部と渡り合う演技で、坂本の不信感や怒り、軋轢を表現している。
音楽隊に異動した後も現場に現れる成瀬に対し、もう刑事ではないという残酷な事実を突き付ける坂本だが、音楽隊の演奏に耳を傾けるなど、成瀬のことをどこかほっとけない一面も。高慢な男から徐々に変わっていく成瀬を少し離れたところから見守る坂本は観客の代弁者でもあり、胸中をさりげなく表現した表情の変化など、ドラマ性のある演技は目を引くものがある。
(C)2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会
配属先の音楽隊でも次々と敵を作ってしまう成瀬が交流を重ねるのが、トランペット担当の交通課の来島春子(清野)だ。音大を卒業し、自ら音楽隊を志望した来島は、音楽隊を見下すような成瀬に嫌悪感を抱いていたが、人間的な一面を目の当たりにし次第にほだされていく。来島の成瀬に対する感情の移ろいを、清野は眼差しの変化で巧みに表現している。
来島は、夫と別居し、幼い息子を一人で育てる母親でもあり、仕事も子育てもやりたいことをこなそうとするも、甘くない現実に葛藤する。子どもに向ける笑顔から悩みを吐き出す弱気な顔まで、清野は多彩な表情で来島の等身大な一面を体現。またトランペットも実際に吹き替えなしで演奏しており、3ヶ月の猛特訓の末、見事な音色を響かせている。
(C)2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会
同じく吹き替えなしでの演奏に挑んだのが、サックスを担当する北村裕司役の高杉真宙。元刑事志望の北村は、音楽に関してはてんでやる気もなく練習中にもあくびを連発するほど無気力だが、成瀬に触発され情熱を帯びていくキャラクターだ。
口角を片方だけ上げた不器用な笑顔など、高杉は無骨な男をチャーミングに演じており、「宝島」の演奏でソロパートを成功させた時の清々しい顔がなんとも印象的。このソロパート、元々は寄りのショットは予定されていなかったそうだが、高杉の成長が著しかったため、急遽追加されたそう。思わず気持ちがあふれたというリアルな表情には心を揺さぶられることだろう。
阿部演じる主人公はもちろん、その周囲の人々の表情からも成瀬の成長を描いていく「異動辞令は音楽隊!」。引力のあるキャラクターを支える重要な役どころで見せる若手俳優たちのいぶし銀な演技からは、彼らの実力の高さを存分に感じることができるはずだ。
文=HOMINIS編集部
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