当時15歳の三浦春馬の姿が眩しい！高校生3人のひと夏の出来事を描いた青春サーフムービー「キャッチ ア ウェーブ」

2023.6.21(水)

3人の高校生のまばゆいばかりのひと夏の出来事を描いた青春サーフムービーが三浦春馬初主演の「キャッチ ア ウェーブ」だ。撮影当時、三浦はまだ15才だったが、映画に出演したことがキッカケでサーフィンの面白さに目覚め、その後も指導を受けた師匠のもとを度々訪れ、忙しい日々の合間を縫って波乗りをしていたエピソードはファンの間では有名だ。逆にいうと本作に出会わなかったら、三浦はサーフィンに熱中していなかったのかもしれない。

舞台になっているのはサーフィンのメッカ、湘南で、サーファーの憧れの地でもあるハワイのノースショアも登場。三浦、木村了、濱田岳演じる高校生3人組の面倒を見ることになるデューク川原(竹中直人)が経営するサーフショップもいい雰囲気を醸し出していて、三浦演じる大洋が恋に落ちるジュリア(加藤ローサ)と一緒に観に行く映画も伝説のサーフムービー「エンドレス・サマー」(1966年)だったりもする。原作の同名小説を書いたのが当時、まだ高校生だった豊田和真というところも映画のポイント。キャストも含めて、10代のみずみずしさ、キラキラ感、夏休み感が画面から溢れ出している。

■サーフィンの魅力に取り憑かれていく三浦の眼差しが尊い

お金持ちの息子、浩輔(濱田)の別荘で高1の夏休みを過ごすことにした3人は江ノ電で七里ヶ浜に着き、ビキニのギャルたちを見て万才するほどハイテンション。自由を満喫するはずだったが、浩輔が浜辺で別荘の鍵を失くしてしまったことで一転、宿なしになってしまう。そこで出会った変態オヤジ(竹中)を助けたことがキッカケで3人はオヤジが経営するサーフショップで住み込みのアルバイトをする代わりにサーフィンを教えてもらうことになる。浩輔と誠人(木村)は女のコにモテたいという不純な動機だったが、サーフィンコンテストを見てショックを受けた大洋は真剣そのもの。オヤジことデュークのサーフショップで来る日も来る日も掃除の特訓(モップや雑巾が重り付き)をさせられ、デュークからサーファーマナー3箇条とバドリングの仕方を教わり、3人はボードを持って初めて海に出る。何度も失敗を繰り返し、やっとボードの上に立てた時の嬉しそうな大洋の笑顔は"まぶしい"という言葉がピッタリだ。あどけない少年が熱中するものを見つけ、やがて好きな女のコを守るためにどんどん男らしくなっていく過程を三浦が15才とは思えない演技で表現している。

■ジュリアとの淡い恋愛の中で見せる三浦のコミカルでピュアな演技

サーフショップを訪ねてきたジュリアに大洋は直立不動でフリーズしてしまうほど一目惚れ。浩輔と誠人が帰ってきても放心状態で、柱に抱きついてニヤけるシーンでは三浦のコメディアンとしての才能を垣間見ることができる。細やかなのは目の演技だ。ジュリアにサーフィンをしているところをムービーカメラで撮ってほしいと頼まれ、砂浜で2人で話している時に笑顔を見せた次の瞬間にジュリアの横顔をじっと見つめる視線だけで恋をしていることが伝わってくる。まっすぐで爽やかな少年を演じた10代の三浦にフォーカスして見るのも良し、運命の悪戯によってドキドキの連続の夏休みを過ごす3人の青春ムービーとして楽しむのも良し、天候によって表情を変える美しくて厳しい海とサーファーたちのダイナミックで夏感満載の映像を満喫するのもいい。主題歌を担当したDef TechとDEPAPEPE、ビーチボーイズの音楽も映像と溶け合っている。

文＝山本弘子

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