三谷幸喜監督作「ギャラクシー街道」で綾瀬はるかと小栗旬が見せたコメディの演技
2023.5.21(日)

映画やドラマ、舞台にCMなどで活躍し、今や日本を代表する役者の1人となった綾瀬はるかと小栗旬。綾瀬が主人公を務めた大河ドラマ「八重の桜」でも共演していた2人が再び顔を合わせたのが、三谷幸喜監督の第7作目となるSFコメディ「ギャラクシー街道」だ。
時は西暦2265年。「ギャラクシー街道」と呼ばれる、木星と土星の間に浮かぶスペースコロニーと地球を結ぶスペース幹線道路「ルート246666」は、かつて多くの人が行き交っていた。開通してから150年経ったこともあり、老朽化が進み、閉鎖の噂も聞こえてくる中で、街道の中央に佇むハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」には、クセの強い人々が集まっていた...。

(C)2015 フジテレビ 東宝
綾瀬が演じるのは、サンドサンドバーガー・コスモ店のオーナー・ノア(香取慎吾)の妻、ノエ。無愛想なパート女性・ハナ(大竹しのぶ)と上手くやりつつ、粘液でシートを濡らしてしまうカエル型宇宙人・ズズ(西川貴教)が発する不思議な言葉もしっかり理解し、丁寧に対応するという優秀なフロアスタッフだ。
綾瀬は、おでこの真ん中で切りそろえられた前髪が印象的なヘアスタイルと、素顔かと思うほどの超ナチュラルメイクというビジュアルでノエ役を好演。店頭に立っている時は穏やかな微笑みを絶やさない一方、客として店にやって来たノアの元恋人・レイ(優香)の登場に揺れる女心をコンピュータの相談プログラムでもある堂本博士(西田敏行)に打ち明ける時や、仕事で知り合ったリフォーム業者・メンデス(遠藤憲一)が店を訪れて関係を迫って来た時などには、くるくると変わる表情と演技を披露することで、ノエのオンとオフをしっかりと表現している。

(C)2015 フジテレビ 東宝
一方の小栗が演じるのは、生まれ故郷の惑星に帰らなければならなくなった宇宙警備隊のハトヤ隊員。オールバックのヘアスタイルにレザーパンツというクラシカルなビジュアルと落ち着いた口調で、ハトヤ隊員の生真面目な性格を体現。宇宙の平和を守る変身ヒーロー・キャプテンソックスの正体が自分だと上司のトチヤマ(阿南健治)に告白したものの、「あり得ん」と否定された瞬間には、「これが嘘を言っている顔ですか!」と圧をかけたり、恋人のマンモ隊員(秋元才加)を支えてやってほしいと涙ながらに頼むシーンでは、小栗の喜劇俳優としての輝きを観ることができる。
その他にも、クライマックス前に巻き起こる予想外のシーンや、エンディングで歌い上げられるテーマソングなど、さまざまな見どころ、聞きどころが満載の本作。綾瀬と小栗の演技に注目しながら、サンドサンドバーガー・コスモ店内で巻き起こる人々の物語を軽妙なタッチで描く、三谷監督お得意のシチュエーションコメディを堪能してほしい。
文=中村実香
放送情報
ギャラクシー街道
放送日時:2023年6月17日(土)18:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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