永作博美と松山ケンイチの自然なカップルぶりから目が離せなくなる!繊細な恋模様を綴る映画「人のセックスを笑うな」
2023.5.19(金)

甘くて、楽しくて、でも切なくて、壁にぶつかる時もある。そんな青春時代の恋模様を巧みな心理描写で綴った山崎ナオコーラのデビュー作「人のセックスを笑うな」。印象的なタイトルはもちろんのこと、第41回文藝賞を受賞し、また第132回芥川賞候補となったことで大いに話題となった作品だ。
多くの人の心を揺さぶったこの青春ラブストーリーは、2008年に映画化もされている。美術学校に通う主人公の"みるめ"を松山ケンイチが演じ、その恋の相手である講師・ユリは、永作博美が演じる。

(C)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
みるめの学校の講師としてユリが現れたことで2人の恋が始まるのだが、みるめに思いを寄せるえんちゃん(蒼井優)、友人の堂本(忍成修吾)らの恋も同時に描かれる上、実はユリには夫がいたりもする。しかし決してドロドロすることはなく、交錯するそれぞれの思いが淡々とスクリーンに映し出される。
豪華キャストはもちろん、井口奈己監督が作り出す独特の映像空間など見どころの多い本作にあって、特に注目を集めたのは松山と永作が演じた"ごく自然なカップルの姿"だった。あまりに自然すぎて「本当のカップルなのでは?」と話題になったほどだが、そう見えるのはやはり2人の演技力によるものだろう。特にユリを演じた永作の小悪魔ぶりは絶品だ。

(C)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
終電を乗り過ごしたユリを、みるめら学生がトラックに乗せるシーンから物語が始まる。疲れているのか、力なくずるりと荷台に滑り込むユリの姿は、滑稽だが放っておけない気持ちにさせる。また美術学校でみるめと再会し、リトグラフを制作している部屋に「入んなよ」と誘い入れるユリの笑顔には、みるめを品定めするようでありながら、何か楽しい悪戯でも思いついたかのような、得体の知れない空気に満ちている。
2人の仲が進むと、ユリは自らのアトリエにモデルとしてみるめを招き、服を脱がせていく。恥ずかしがるみるめを楽しみつつ、積極的に振る舞うユリの姿は、まさに純な男を弄ぶ"小悪魔"だ。
最初のうちはユリが完全に主導権を握っている。初めてのキスシーンにもそんな雰囲気がありありと出ていて、立ち尽くすみるめを観察するように目を見開き、何度も音を立てて唇を重ねる。

(C)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
小悪魔に翻弄される純な青年・みるめを演じる松山の演技も秀逸だ。アトリエで服を脱がされるシーンでは戸惑うあまり、唇が震えているのがわかるほどだ。キスシーンでも、未知の世界に放り出されてどうしたらいいかわからない、といったふうに、ユリになすがままにされている。
自由奔放で魅力溢れるユリと、どこまでも純で素直なみるめ。この2人の対比が、物語と映像をより印象深いものにしていると言えるだろう。
そして仲が深まるほどに、2人は本当に仲の良いカップルの姿を見せてくれる。部屋に敷くための空気マットに空気を入れるシーンや、ストーブに灯油を入れる時の他愛のないやり取りは、どこかで本物のカップルが交わしていてもおかしくないような、自然で好感が持てるシーンとなっている。

(C)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
しかし前述したように、ユリには夫がいるのだ。みるめの思いは果たしてどこに向かうのか。また、みるめを思い続けているえんちゃんの恋の行方は?永作や松山、また蒼井らの名演によって、それぞれの思いが心に染み込んでくる本作で、恋の甘さと切なさを存分に味わってほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
人のセックスを笑うな
放送日時:2023年6月8日(木)20:25~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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