中村倫也がMUSICAL『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』で見せた演劇に対する情熱
2023.4.13(木)
4月に衛星劇場で放送されるミュージカル作品「ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~」では、主演の中村倫也の演劇に対する底知れない情熱が感じられる。
同ミュージカルは、2018年に韓国で上演され注目を集めた作品を、河原雅彦の演出で上演した日本版。ベートーベンの生涯を通して、彼の音楽への情熱や音楽家として致命的な"難聴"という病にむしばまれていく苦しみ、運命に立ち向かっていく人間の美しさを描く。
ORIGINAL PRODUCTION BY ORCHARD MUSICAL COMPANY/MUSIC BY SOO HYUN HUH/BOOK BY JUNG HWA CHOO
中村のイメージはクールなイケメンで、何事もスマートにこなす印象があり、"必死で暑苦しい"というようなイメージを持つ者はほとんどいないだろう。だが、本作では過酷な運命に翻弄されながら、音楽に向き合う"楽聖"ベートーベンという難役を熱演。いわば、本人のキャラクターとは似ても似つかない役を演じているのだ。
ORIGINAL PRODUCTION BY ORCHARD MUSICAL COMPANY/MUSIC BY SOO HYUN HUH/BOOK BY JUNG HWA CHOO
登場から、人気絶頂の中で難聴の初期症状が現れ始め、どこかで音楽家としての終わりを予感するような不安を抱える。さらに、進行する病気に苦しみ、自ら命を絶とうとするところまで追い込まれるなど、苦しみもがく姿を目を血走らせながら苛烈に表現。額に汗し、髪を振り乱して過酷な運命と向き合うベートーベンを、必死に暑苦しく演じている。
おそらく中村本人は、大声を上げたり、自分の気持ちを優先して周りを巻き込むような人間ではない。つまり、演じるベートーベンとは真逆の性格なのだ。だが、気難しい正解で癇癪持ちの"激情"のキャラクターを、圧倒的な熱量で高いクオリティーに仕上げている。そんな姿から、彼の演劇に対する底知れない情熱を感じることができる。それは、役に対して真摯に向き合う姿勢と演じるキャラクターへの惜しみないリスペクト、深い作品への愛が、芝居の端々から感じ取れるからだ。
ORIGINAL PRODUCTION BY ORCHARD MUSICAL COMPANY/MUSIC BY SOO HYUN HUH/BOOK BY JUNG HWA CHOO
出演する作品、演じる役に対して、これほどまでに命を削って向き合う姿に心動かされない者はいないだろうし、それこそが俳優として最も大切なものだ。本作で俳優としてのある種のゴールを感じさせる中村の熱演を楽しみつつ、今後の芝居の変化にも期待を寄せてみてほしい。
文=原田健
放送情報
MUSICAL『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』
放送日時:2023年4月23日(日)16:00~
放送チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
-

小栗旬が学ラン姿で、荒くれ者だが純な一面もある不良を熱演!山田孝之共演「クローズZERO」
提供元:HOMINIS12/8(月) -

波瑠×鈴木京香、芝居のコントラストが生み出した名バディ!「未解決の女 警視庁文書捜査官(2020)」
提供元:HOMINIS12/8(月) -

世界にも波及?「国宝」現象を引き起こした吉沢亮&横浜流星...朝ドラ「ばけばけ」&大河「べらぼう」にも表れた鮮烈な存在感
提供元:HOMINIS12/7(日) -

Stray Kids、ENHYPENの涙の初受賞も...追悼ムード一色の「MAMA」に連帯感をもたらしたパク・ボゴムやチョウ・ユンファらの言動に滲む、誠実な人間性
提供元:HOMINIS12/6(土) -

豊川悦司が放つ、妖艶さと不気味さ...内に秘める"悪"の表現が秀逸な「松本清張サスペンス わるいやつら」
提供元:HOMINIS12/6(土)

