神尾楓珠&山田杏奈がありのままに生きる尊さを体現!ゲイとBL好きの高校生を描く青春映画
2023.4.11(火)

若手実力派として数々の映画、ドラマで存在感を発揮している神尾楓珠と山田杏奈。浅原ナオトの小説を映画化した「彼女が好きなものは」(2021年)では、彼らが3度目の共演を果たし、観る者の心を揺り動かす熱演を披露した。
原作は2019年に「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化されて話題を呼んだ、小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。神尾が演じるのは妻子ある男性と関係を持つ男子高校生で、ゲイであることを隠して暮らしている純。ある日BL(ボーイズラブ)好きであることを秘密にしている紗枝(山田)と急接近をし、紗枝が純のセクシュアリティを知らないまま付き合い始めることから巻き起こるドラマを描く。監督は「にがくてあまい」などで知られる草野翔吾が務めた。

(C)2021「彼女が好きなものは」製作委員会
本作で映画初主演を務めた神尾は、2019年に「左ききのエレン」で連続テレビドラマ初主演を果たした。その他にも、ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(2019年)への出演以降、一匹狼のヤンキーを演じた「ナンバMG5」(2022年)や17才の総理を演じた「17才の帝国」(2022年)、20歳で亡くなった青年の魂を表現した映画「20歳のソウル」(2022年)など、話題作に続々と出演している。
山田も、押切蓮介の同名漫画を映画化した「ミスミソウ」(2018年)で映画初主演を果たし、「小さな恋のうた」(2019年)ではヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞。「ひらいて」(2021年)では主人公のこじらせぶりを演じるなど、あらゆる作品で観客に強いインパクトを残してきた2人だ。

(C)2021「彼女が好きなものは」製作委員会
「彼女が好きなものは」で神尾は、主人公・純の切実さを見事に体現した。純は、学校で自身のセクシュアリティがバレないように周囲と話を合わせ、壁を作りながら過ごしている。友だちと話していてもどこか影を感じるような笑顔など、純のナイーブさに冒頭から惹きつけられる。女子高生・紗枝役の山田は、BL好きを隠しながらも、一度BLの話をし始めると止まらなくなるなど、腐女子としての熱っぽさまでを演じきり、こちらも目が離せなくなる魅力に溢れている。
思わぬことから接近した2人だが、BLをファンタジーとして享受していた紗枝は、生身の相手として純に本気の恋をする。彼女が恋に落ちた瞬間の表情が、なんとも瑞々しい。一方、彼女からまっすぐな告白を受けた純は、戸惑うばかりだ。もしかしたら自分も異性と結婚して、子どもをもうけ、家庭を築く...という長くスタンダートとされてきた"幸せの形"を手に入れられるのではないか。そんな気持ちを諦めきれずに、紗枝と付き合うことにする。
しかし、やっぱり男性が好きなんだと自覚するたびに、純は深みにはまっていく。純の「どうして生まれてきたのか」「普通に生まれたかった」という叫びは痛々しいほどで、多くの人が「普通って一体なんだ?」「自分は気付かぬうちに誰かを傷つけていないだろうか?」と考えたくなることだろう。
自分が嫌いだった純は、紗枝との出会いを通して、傷だらけになりながらも殻を破っていこうとする。そして紗枝は「想像することはできる」と彼に精一杯寄り添っていこうとする。彼らが"人と人"として、向き合っていく姿が眩しくてたまらない。前田旺志郎、三浦獠太らの好演も見応えがあり、若手俳優陣がありのままに生きる尊さを表現した、骨太な青春映画に仕上がっている。
文=成田おり枝
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