清原果耶の異彩を放つ存在感と演技力に圧倒される...人間の善と悪を描く映画「デイアンドナイト」
2023.4.5(水)
2023年1月期のドラマは、櫻井翔主演の「大病院占拠」、草彅剛主演の「罠の戦争」、妻夫木聡主演の「Get Ready!」、桐谷健太主演の「インフォーマ」など、"人間の善と悪"を描いた作品が多かった。未来に不安を感じる時代には、そんなことが気になってしまうのだろうか。
2019年公開の映画「デイアンドナイト」も、そんな「人間の善と悪」を描いた作品だ。主演の阿部進之介が企画・原案を務め、独特な演技力で定評のある俳優の山田孝之が裏方に徹し、初めて全面プロデュースに挑んだ作品ということも注目された作品だ。演じ手たちがこだわりにこだわって作り上げた作品は、脚本開発になんと述べ4年をかけ、28稿にまで及んだという。
父親の自殺により、実家へ戻ってきた明石幸次(阿部進之介)。自動車工場を営んでいた父・和幸(渡辺裕之)は、大手自動車メーカーの不正を内部告発したことで死に追いやられ、家族も崩壊寸前に。そんな明石の前に現れたのが、父親とも交流があったという児童養護施設のオーナー・北村(安藤政信)という男。北村は孤児を父親同然に養う傍ら、「子供たちを生かすためなら犯罪をも厭わない」という姿勢で経営資金を稼いでいた。彼の下で働くようになり北村に魅せられていく明石。そんな明石を児童養護施設で生活する孤独な少女・大野奈々(清原果耶)が案じる。だんだんと善悪の境を見失っていく明石は、父を陥れた三宅(田中哲司)たちへの復讐に乗り出す――。
(C)「デイアンドナイト」製作委員会
阿部、安藤、田中らベテラン俳優陣の中で異彩を放っていたのが、500人もの応募が集まったオーディションから選ばれ、ヒロイン・奈々役を射止めた清原だ。撮影当時、15歳だったとは思えない演技力に、藤井監督は「15 歳にして 2、3回人生をやり直している人だ」と言ったそうだが、その例えはぴったりだ。
清原が演じる奈々は、17歳の高校生。親の顔も知らずにずっと児童養護施設で育ってきたが、その悲しみや孤独を表情には出さずにひたすら絵を描いている。「親は東京にいる」と聞いていた奈々は東京から来た明石に興味を示し、明石も彼女の存在が気になっていく。ある日、明石を見つめて「彼女になってあげようか?」と明石を戸惑わせ「嘘だよ、ロリコン!」と返す...そんなさり気ない場面に、明石と奈々の関係性と奈々の性格が上手く描かれている気がする。
淡々としている奈々が感情をあらわにするのが、安藤との滝壺でのシーンだ。物語の結末へと流れ込む複雑な関係の2人の感情が交錯するシーンは、雪景色の中、サイレントで進む。名優・安藤と堂々とやりあう清原の演技は、15歳とは到底思えない迫力。この作品の名場面となっている。
「善と悪は法律では決められない。自分の正義を信じないと、大切な人を守ることはできない」と北村は言う。正しいことをしている人間が追い詰められていき、善と悪が何なのか、そして今、自分はどちら側にいるのかがわからなくなっていく。家族を殺された男。家族を生かすため罪を犯す男。家族を知らない孤独な少女...。「デイアンドナイト」は、そんな人間たちそれぞれの抱える善と悪を描いた骨太な作品だ。
エンドロールでは清原が大野奈々名義で歌った主題歌「気まぐれ雲」が流れる。RADWIMPSの野田洋次郎が作詞・作曲・プロデュースを手掛けた楽曲を清原の声が彩るが、その透明感はまるでこの物語に寛容を与えてくれるかのようだ。
文=坂本ゆかり
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