田中圭、高橋一生ら個性豊かな生徒役が揃う!定時制高校が舞台の観月ありさ主演ドラマ「夜のせんせい」
2023.4.4(火)
誰もが羨むほどの抜群のスタイルと美貌ながら、気さくな笑顔とコミカルな演技を持ち味とする観月ありさ。これまでに数多くの連続ドラマの主演を飾ってきた観月が2014年に主演を務めたのが「夜のせんせい」だ。
本作の舞台となるのは、とある定時制高校。さまざまな職業を転々として場末のスナック「来夢来人」のママにおさまった夜野桜(観月)、38歳。店の常連客である砂川誠(光石研)の半ば強引なスカウトによって、定時制高校の教職に就くことになった桜は、「1人でも退学したら即クビ」という条件で4年1組の担任を務めることになる。クラスには、年齢はもちろん、生活環境も価値観もまったく違う、いつ退学届けを出してくるかわからない、そんな一筋縄ではいかない生徒たちが揃っていた。しかし、桜は「私はあなたたちの手を絶対に放さない」と言ってどんな問題にも首を突っ込み、生徒たちの心を掴んでいく。
観月が演じる桜は、いつも明るく前向きで、思い立ったら即行動するようなタイプ。本作の語り部となる、元ひきこもりの黒井華(蓮佛美沙子)にも、初対面から距離感なしでグイグイと迫り、その閉ざされていた心の扉をこじ開けてしまう人物だ。そんな桜を観月は、ヒョウや虎などの動物モチーフの派手なファッションに身を包みながらハイテンションな演技で表現。ただし、圧倒的なスタイルをカモフラージュすることは不可能で、第2話では華がクラスメイトの桃(清水くるみ)に、桜のことを「体大きいけど頭小さいからね。小綺麗なティラノザウルスみたいな人だから」と表現するほどだ。
そんな桜の生徒役にも豪華俳優陣が顔を並べる。中でも田中圭、高橋一生といった面々が、クセの強いキャラクターを好演している。

田中が演じるのは、ブログのネタにするためだけに定時制高校に通っている自称不動産業者・上武俊介。どこか世の中を斜めから見つめているタイプで、あることないこと噂を流して人間関係に混乱を及ぼすことに生きがいを感じている。実は、若くして成功を収めた年商1000億円稼ぐIT企業の社長で、かつて父親の死がきっかけで中退せざるを得なかった高校に働きながら通っているのだ。そんな上武を田中は、自身のトレードマークでもある穏やかな笑顔を完全封印し、鋭いナイフのような雰囲気を漂わせながら表現。ポーカーフェイスを気取っていながら、桜の登場によって成長していくクラスメイトの姿に焦りと苛立ちを覚える上武の複雑な心情を繊細な表情の変化で見事に演じきっている。
一方で高橋は、売れない役者人生に見切りをつけ、星野流星という源氏名でホストとして働いているものの、売り上げ最下位となり居場所をなくしつつある33歳の山田一郎を熱演。パーマヘアに編み込み、派手な色のシャツにジャケットを羽織るなど、いかにもホストらしい出で立ちで気だるげなオーラを放ち、高橋お得意の「ダメ男」キャラを本作でもいきいきと体現。
4年1組をまとめるようになる正体不明の生徒・大澤雄大を山本耕史がミステリアスに演じ、「本当の自分になりたい」と性同一性障害を告白して生きるデザイン事務所経営者の仙波を大杉漣がたおやかに好演するなど、見どころ満載のヒューマンコメディ。日の出学院定時制4年1組の生徒になった気分で、桜先生の熱い指導に心ふるわせてみてほしい。
文=中村実香
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