オスカー受賞で話題のミシェル・ヨーの原点!時代を切り開いた「戦う女性」のキャラクター
2023.4.2(日)

先日行われた「第95回アカデミー賞」で監督賞、作品賞などの主要部門を筆頭に最多7部門を受賞し、一大センセーションを巻き起こした映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。うだつの上がらない女性・エブリンが突如、全多元宇宙の命運を託されるというオリジナリティあふれたこの作品で、主演のミシェル・ヨーはアジア系として初の主演女優賞を受賞。新たな歴史の1ページにその名を刻んだ。
ヨーは仕事も家族関係も絶不調の主人公を筆頭に、カンフーマスター、歌手、シェフ...など、様々な次元に生きるエブリンを巧みに演じ分けた。悪の組織を相手にしたキッレキレのカンフーなど華麗なアクションも見せているが、ヨーといえば女性アクションスターの第一人者として長らく活躍してきた。「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997年)や「グリーン・デスティニー」(2000年)、近年もマーベル作品「シャン・チー/テン・リングスの伝説」(2021年)など大作でも存在感を示している。

(C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
香港の映画界でキャリアをスタートさせたヨーは、サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェンら錚々たるスターを輩出した香港アクション界でトレーニングを積み、幼い頃からバレエで培った運動神経を生かしてアクション俳優として開眼。サモ・ハン製作の「レディ・ハード 香港大捜査線」(1985年)で主演を務め、女性はお飾りという男性主体の香港アクション映画界に風穴を開けた。
そんな「レディ・ハード 香港大捜査線」につづく「皇家師姐」シリーズの2作目として作られたのがムービープラスで4月27日(木)に放送される『皇家戦士』(1986年)で、こちらは復讐につぐ復讐を描いたバイオレンス・アクションだ。

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香港警察のミッシェル(ヨー)は休暇で訪れた東京からの帰路、飛行機でハイジャック現場に遭遇する。犯人は同機が護送する仲間の奪還を目論みる指名手配犯「殺人兵団」の一味で、ミッシェルは乗り合わせた日本人の元刑事・ヤマモトらの協力も得て、その場を制圧。帰国後、彼らは英雄として祭り上げられるが、復讐を誓う殺人兵団に狙われてしまい...。
サポート的な立ち位置だった前作とは異なり、ヨーのアクションが全面に押し出されている本作。バーでの格闘ではジャンプしながら相手の首に両足を絡めて、その反動で相手を投げ飛ばしたり、クライマックスでは敵のチェーンソーの一太刀を、体をクルッと回転させながら鮮やかに交わしたり...と、しなやかな香港カンフーを披露している。

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酒瓶が並ぶバーカウンターに投げ飛ばされるなど、見ているだけで痛々しいハードなスタントもこなしており、主演として体を張った演技で作品のレベルを引き上げている。
また、日本を代表するアクションスター・真田広之がヤマモトを演じており、ヨーと共にアクションを展開。高速で走る車の乗り移りや崩れ落ちる砂山を必死に駆け上るなど、無骨なアクションがヨーとのコントラストを生み出している。

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日本でのロケも敢行されており、ミッシェルが代々木体育館の前で絡んでくるチンピラを竹刀と鮮やかなカンフーで成敗する一幕まで見どころ満載。アクションはもちろん、復讐がテーマゆえのダークな表情など、のちに演技を高く評価され、オスカーを受賞することになるヨーの片鱗を垣間見ることができることだろう。
文=HOMINIS編集部
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