オダギリジョーがその存在感を発揮し、広域捜査官を演じる!「時効警察」チームが挑む超感覚ミステリーと銘打ったドラマ「熱海の捜査官」
2023.4.1(土)
ドラマには目まぐるしい展開でスカッとできるものから、不思議な空気感を漂わせながら余白を残したまま終わるものもある。オダギリジョー主演の「熱海の捜査官」(2010年、テレビ朝日系)は後者に属し、独特の作風と全編に散りばめられた謎の数々で、ドラマファンの間ではカルト的な人気を誇った一策だ。
(C)テレビ朝日・MMJ
南熱海市という地方都市で、女子高校生4人を乗せたスクールバスが行方不明になる事件が発生。4人のうち1人の少女は意識不明で発見されるものの、長らく昏睡状態に陥っていた。事件発生から3年が経ち、広域捜査官の星崎(オダギリジョー)と相棒の北島(栗山千明)が捜査に派遣される。時を同じくして昏睡状態にあった女子高校生が意識を取り戻し、星崎と北島は地元警察と協力しながら不可解な謎だらけの事件の真相を追い始める。
"「時効警察」チームが挑む超感覚ミステリー"と銘打たれた本作は、主演のオダギリジョーと三木聡監督が再びタッグを組んで生み出した異色のドラマだ。メインはミステリーでありながらコメディー要素もあり、時にシュールでありながらオカルトな要素までもが絡み合う。作品の肝となるのは三木聡監督による意味有りげな演出の数々であり、そして主役から端役まで癖のありすぎる登場人物の面々だろう。
(C)テレビ朝日・MMJ
その中でもひと際光るのは、やはり座長であるオダギリジョーの存在感だ。独特のどこかひょうひょうとした空気感はもちろんだが、彼が今回演じるのは優秀な捜査官。柔らかな物腰で紳士のような雰囲気が感じられるが、それを鼻持ちならないと感じた地元の警察官から毎度のようにイタズラを仕掛けられたりもする。脱力系のコメディーパートも難なくこなし、何よりも個性派ぞろいの登場人物たちのキャラを立てながらも、彼らに負けることなく確固たる存在感を放っている。そんなオダギリに全幅の信頼があったからこそ、監督は「時効警察」と同じ座組で本作の制作にあたったのではないだろうか。
(C)テレビ朝日・MMJ
本作は学園で起こる事件が主軸となっているが、生徒役を演じる若手にも注目したい。特に目を引くのは、本作で俳優デビューを飾った山﨑賢人と、本作が連続ドラマ初出演となった二階堂ふみだ。両名ともに1994年生まれであり、ドラマ撮影当時は10代後半。山﨑は少し闇を抱えた物静かな少年を、二階堂は高飛車だが大胆な行動力を持つ少女を演じる。他にも染谷将太や三吉彩花も同級生役として出演しており、今や人気も実力も兼ね備えた俳優として活躍する彼らの若き日を見ることができることも楽しみの一つだ。
放送当時は公式サイトから多くの謎が投げかけられ、視聴者による白熱した"考察合戦"が繰り広げられた本作。近頃はただドラマを見るだけでなく物語を深読みし考察を楽しむというスタイルが定着してきたが、本作も改めて見直すことで新たな発見があるかもしれない。
文=本永真里奈
放送情報
熱海の捜査官
放送日時:2023年4月19日(水)・4月20日(木)・4月24日(月)22:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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