西野亮廣×MEGUMI『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』対談 「MEGUMIちゃん以外ないなと思いました」
2026.3.16(月)
2020年に公開され、興行収入27億円・観客動員196万人を記録し、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞も受賞した『映画 えんとつ町のプペル』。その最新作となる『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』が、3月27日(金)に公開される。
本作の舞台は、"すべての時間が集まる"とされる謎の異世界「千年砦」。奇跡の夜から1年後、親友のゴミ人間・プペルを失ったルビッチは、止まった時計台を動かす使命を背負い、約束を信じて待ち続ける時計師・ガスらと出会いながら、"信じる勇気"を取り戻していく物語だ。
本作で製作総指揮・原作・脚本を務める西野亮廣と、言葉を話す異世界ネコ・モフ役のMEGUMIに、最新作の核に据えた「信じて待つ」というテーマの背景や、アフレコ現場で生まれた掛け合い、モフ誕生の裏側まで語ってもらった。
――前作は⽇本アカデミー賞受賞、国内動員196万人の大ヒットを記録しました。その反響はどう受け止めていますか?
西野「自分の中では、芸能人としての総決算というか、決着をつけるという感覚だったんですよね。何をしても叩かれる、みたいな時期があって。絵本を書いてもダメだって言われてしまう。だから前作は、最後の最後に決着つけるぞという気持ちで臨んだ作品でした。結果として、そこは決着がついたんじゃないかなと思います。あとは、公開がコロナ禍だったので、自分たちが頑張ることで、当時しんどい状況にいたお店の方とか、踏ん張っている方のエールになればいいなと思っていました。公開を延期する選択肢もありましたが、この状況だからこそやろうと決めて、その結果、少しでも背中を押すことができた実感があったので、そこは狙い通りだったと感じています」
――今作の核となるメッセージについて、西野さんの中でどんな思いを添えて作られたのでしょうか?
西野「すごく個人的な話なんですけど、キングコングが2〜3年目の頃、梶原くんが仕事のプレッシャーで失踪してしまった時期があって。2〜3カ月ほど僕は一人で過ごしていて、そのとき吉本興業の方から『梶原が戻ってくるかわからないし、一人で活動しないか』と提案されたんです。一瞬やろうかなとも考えたのですが、もしそれがうまくいったら、梶原くんが戻ってくる場所をなくしてしまうかもしれない。二人で漫才をして、二人でしゃべる時間が好きだったから、僕は待つことに決めました。振り返ると、あのときが人生で一番覚悟を要した瞬間だったと思います」
――今作も実体験がベースになっているんですね
西野「そうした経験から、"待つ"ということを改めて考えるようになりました。子育てでも、つい口を出したくなるけれど、先回りしすぎれば自分で考える力は育たない。仕事も同じで、若いスタッフに対してもどかしさを感じる瞬間はあっても、待たなければ成長しない。"待つ"には体力も勇気も覚悟もいるんです。だからこそ、いま誰かを待っている人たちへのエールになるテーマだと思って、この映画を書き始めました」
――今作は原案の絵本も拝見しているのですが、映画になると印象が一気に変わりますよね
西野「しかも、あれを動かしているのがSTUDIO4℃ですから。とにかくすごい。めんどくさいんですよ、どう考えたって(笑)。例えばえんとつ町ひとつ取っても、建物が多ければ多いほど工数が増えるわけで。今回はえんとつ町を作って、さらに千年砦も作って、それを形にしたSTUDIO4℃は、本当に素晴らしいスタジオだなと思います」
――MEGUMIさんは今回、作品に参加されてみていかがでしたか?
MEGUMI「この世界に入って最初にレギュラー番組をご一緒したのがキングコングのお二人だったので、20年以上経って、こういう形で再会できたことがすごくエモーショナルでした。二人の活動をずっと見てきたから、これは二人の物語なんだろうなっていうのも一目瞭然でわかって......。いろんなことがエモすぎて、こんなことってあるんだな、長くやっててよかったなと思いました」
――西野さんは、MEGUMIさんにオファーした決め手は何だったのでしょうか?
西野「続編なので、まずルビッチというキャラクターをもう少し掘り下げられるなと思ったんですよね。素直でいい子、だけじゃなくて、子どものムカつくところとか、わがままなところとか、バーッて走っていっちゃうところ......要するに車道に出ていっちゃうみたいな危うさを描くなら、保護者が必要だなと思ったんです。そのためには、ツッコミができる人。さらに、モフの口癖でもある『あんた』が似合う人って、MEGUMIちゃんかマツコ・デラックスさんしかいないな、と」
MEGUMI「他にもいるでしょ(笑)」
西野「でも僕は、MEGUMIちゃんだと思って。スタッフから連絡しようとしていたのですが、それはやめてほしいと伝えて、自分から直接連絡しました。たしか海外にいるタイミングだったと思うんですけど、それでも時間を作って会いに来てくれて。その姿を見て、もうMEGUMIちゃん以外ないなと思いました」
MEGUMI「ありがとうございます」
――西野さんから連絡が来たときは、すぐ受け入れられたんですか?
MEGUMI「いわゆる"カメオ出演"的な、ちょこっと出て終わる感じかなって、わりとラフに受け止めていたんですよ。内容もあんまり詳しく聞いてなかったので、『ちょっと出てほしい』みたいなノリだと思って『もちろん』って言ったら、かなりしゃべる役で、そこはびっくりました(笑)」
西野「量のこと言ってなかったね。それは失敗した(笑)」
MEGUMI「もちろん嬉しかったんですけどね。でも、アフレコでは西野くんもずっとブースにいてくれて、モフが多面的な猫なので、姉御肌なところと、ルビッチとの関係性がグラデーションで濃くなっていく感じとか、割と酷なことを言うところとか......かっこいい猫なんですよ。それでいて、乗り物に乗って『わー!』みたいになる瞬間もあって、そこは全部アドリブで、『やってみたらええやん』みたいに監督が言ってくださるので、私もバラエティでやってきた人同士のセッションみたいで、すごく楽しかったです」
西野「そもそも決まったセリフがあったわけではないんです。例えば森に突っ込んでいくシーンも、映像に合わせてその場で言葉を探していく。ここでこれを言ったら気持ちいい、という"当たり"を探り続けていた感じですね」
――森に突っ込んでいくシーン、かなりしゃべっていましたよね
西野「めっちゃしゃべってる(笑)。それが面白いなと思って」
MEGUMI「最初から自由にやっていいよって感じだから、プレッシャーもあるけど、楽しめばいいかと思ってやりました」
(C) 西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」製作委員会
――モフは憎めない、いいキャラクターですよね。きっとファンになる方も多いのかなと思います
MEGUMI「多いと思う」
西野「スタッフが喜びすぎて、気持ちが先走って、ぬいぐるみみたいなの作ってました(笑)」
――MEGUMIさんにとって、モフはどんな魅力のあるキャラクターでしたか?
MEGUMI「モフは、ルビッチをいい方向に導いてくれた存在だと思います。距離を取りながら『あんたの好きにしなさい。でもこういうパターンもあるよね』って、助言と行動で支えてくれる。人生において、そういう存在っているじゃないですか。自分のメンター的な存在でありつつ、チャーミングで、ちょいちょいふざけているところもある。すごくバランスのいい猫だなと思いました」
――MEGUMIさんにとって、モフみたいな存在っていらっしゃいますか?
MEGUMI「いつの時代もいますよ。仕事でも、このプロジェクトの"モフ"はこの人だ、と自然に決まる瞬間があるんです」
西野「MEGUMIちゃん、パーソナルな部分がちょっと似ているなと思いました。モフを作っているときに『どういう猫なんだろう』って考えて、元ヤンで母親っぽい......元ヤンの母親じゃね?みたいな話になって(笑)。それがMEGUMIちゃんだったんですよね。しゃべり方とか熱さとか、最後ちょっと優しい、人情がある感じとか。根っこの部分が似ている気がしますね」
――最初はどうなることかと思いましたが、最終的にはルビッチとモフはいいコンビになっていましたね
西野「よかったですね。アフレコの順番で言うと、永瀬ゆずなちゃんが先にルビッチを録っていて、その声に合わせる形で、後からMEGUMIちゃんに録ってもらったんです。その順番がすごく良かったなと思います。モフの収録はほぼ最後だったので、全体のバランスを取ってくれたのは本当に助かりました」
(C) 西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」製作委員会
――永瀬ゆずなさんが今回ルビッチ役に決まりましたが、お二人から見て印象はいかがですか?
西野「ゆずなちゃんはオーディションで決まりました。前作が芦田愛菜さんだったので、どうしてもプレッシャーはあるし、比べられることもある。でも、この作品でゆずなちゃんと出会えたのは、最大の幸運だったと思っています。子どもだから目がいく、耳がいく、というのとは違う引力があるんです。思わず聞いてしまうし、泣いてしまうし、頑張れと応援したくなる。芸達者なのは間違いないけれど、それが鼻につかない。ちょうどいい距離感で、自然と応援したくなる存在なんですよね」
MEGUMI「わかる」
西野「『飛べ〜!』って言ってるときも可愛くてしょうがないんですよ(笑)」
MEGUMI「いいですよね。人が感情を揺さぶられずにはいられない声って、本当にあるんだなと思いました。泣くシーンも、ただ感情を出しているだけじゃなくて、奥行きがある。これまで生きてきた子どもとしての経験や、きっと抱えてきたであろう傷や深みのようなものが、声だけで伝わってくるんです。天才だと思いました。国民全員が好きになってしまう人ですよね」
西野「間違いない。大人になる前のあの声、今のうちにもっと録っておきたいですね。将来が楽しみな俳優さんだなと思います」
――最後に、前作からのファンの方も、今作で初めて観る方もいると思います。改めてメッセージをいただけますか?
西野「先日、あるお母さんから『よその家の子はすくすく育っているのに、うちの子だけ......』と、つい比べてしまうという相談を受けました。僕は子どもがいないので偉そうなことは言えませんが、同じ悩みを抱えている方は多いと思います。でも、結局できるのは"待つ"ことしかない。待つには体力も覚悟もいるけれど、その時間が人を育てる。僕の好きな言葉に"早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければみんなで行け"というものがあります。遠くへ行くには、誰かを切り捨てるのではなく、少し遅い人も待つ必要がある。この映画が、いま誰かを待って踏ん張っている人へのエールになって、待たせている人にも『大丈夫、間に合うよ』と届いたら嬉しいです」
MEGUMI「西野くんの話を聞いて、真っ先に息子のことを思い出しました。ずっと肌が触れるくらい近くにいた子が、いま17歳で、距離を取って見守る段階に入っている。私から見ればその選択は違うかもと思う瞬間もあるけど、あえて口を出さずに待つ。心配はしていますが、見守ります。その先で学ぶと信じるしかないんですよね。作中の『待つっていうのは何もしないことじゃなくて、信じることだ』という言葉は、まさにそれだと思いました。私自身プロデュースをしていても、映画って完成しないかもと思う瞬間が何度もあるし、大勢で作るほど人それぞれのペースに揺さぶられる。結局、パートナーでも、子どもでも、仕事でも、人には必ず待つ時間があるんです。この作品は、その時間の尊さを優しく肯定してくれる。子どもには楽しかった、が残って大人には深く刻まれる作品なので、ぜひ劇場で体感してほしいです」
(C) 西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」製作委員会
取材・文=川崎龍也 撮影=内田大介
西野亮廣/
ヘアメイク=KAE(NORA)
スタイリスト=久 修一郎
MEGUMI/
ヘアメイク=エノモトマサノリ/MASANORI ENOMOTO
スタイリスト=NIMU
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』公式サイト
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