下野紘「向き合い方が変わっていった」 アーティスト活動10年で掴んだ確かな手応え
2026.3.3(火)
声優の下野紘が、ベストアルバム『シンフォニックロック・リミックスベスト』を2026年3月4日(水)にリリースする。2016年3月16日のアーティストデビューから10年目を迎える節目に、現存のヒット楽曲10曲を"リミックス&ストリングスアレンジ"で再構築した一作だ。
本作は、既存の歌声を軸にサウンドを大胆にアップデート。豪華になったアレンジの中でヴォーカルが埋もれないよう、トラックダウンやマスタリング段階で下野自身も細部まで確認し、スタッフと一緒に音を作り上げていったという。さらに、きゃにめ限定盤には新規撮りおろしジャケットのメイキング映像、過去のリード曲MV6曲のBlu-ray化、そして下野紘と作詞家・RUCCAによるオーディオコメンタリーも収録。10周年を"聴いて""観て"味わえるパッケージとなっている。
今回のインタビューでは、10周年という節目にベストアルバムを制作するに至った経緯をはじめ、アレンジを成立させるためにこだわったポイント、収録10曲の選曲の舞台裏まで、話を聞いた。
――ベストアルバム『シンフォニックロック・リミックスベスト』はリミックス&ストリングスアレンジということで、楽曲ごとに印象がガラッと変わっていて、原曲を知っていてもすごく新鮮でした
「ありがとうございます。楽曲ごとに受ける印象、全然違いますよね。知っている曲なのに、展開や空気感が変わることで別の楽しみ方ができる。そこが今回の面白さだと思います」
――今回は下野さんの声は当時のままなんですよね
「そうなんです。ただ、トラックダウンやマスタリングの作業のタイミングで、"ここ、もう少しこうしたいです"みたいなお願いはさせてもらいました。僕も聴きながら、スタッフと一緒に作っていった、という感じですね」
――アレンジの厚みが増えたぶん、歌の聞こえ方のバランスがより重要になりそうです
「豪華になったぶんだけ、僕の声が埋もれてしまう箇所が出てきてしまうという懸念がありました。ヴォーカル自体は当時収録したものなので、そこは変えられない。だからこそ"言葉が潰れないように"というのは、すごく重視しました。単語で聞き取りづらいかも、と思うところもあれば、出だしの一文字が聞き取りづらいかも、と思うところもあって。聴きながら"ここはもう少しヴォーカルを前に出してもらえたら助かります"とか、"この言葉がきちんと届くようにしたいです"と、具体的に相談させてもらいました。本当に細かいところまで音楽チームと一緒に調整していきました」
――アレンジについては下野さんからも要望されたんですね
「そうですね。とはいえ曲周りは、基本的には音楽チームに任せている部分もありました。最初に音の調整も何もかかってない状態の音源を聴いたときは、ちょっと合わないんじゃないかと思った曲もあったんですよ。でも、調整が入ったものを聴いたら"え、いいじゃん"ってなって。そこからは、曲の方向性に関しては信頼して任せよう、という流れになりました」
――アーティストデビュー10年目の節目に、ベストアルバムという形で作品を届けようと思った経緯を、改めて聞かせてください
「活動休止期間も挟みながら、ファンの皆さんにお届けできるもの、何か形になるものはないかなと、ずっと考えていました。そんな中でスタッフと相談して辿り着いたのが、今回のベストアルバムです。ただ"聴き慣れた曲をまとめました"というだけではなくて、シンフォニックロックというストリングスを取り入れたアレンジで、いまのタイミングで改めて楽曲を聴いてもらえる形にしたかったんです。以前から聴いてくださっている方にも、初めて触れる方にも、それぞれ新鮮に受け取ってもらえる一枚になっていたら嬉しいですね」
――10曲に絞る作業は、やはりかなり悩まれたのではないでしょうか?
「悩みました。正直、スタッフとは"これも入れたいんだけど"という話をしましたね。僕としては、ミニアルバムに入っている曲も入れたい気持ちがありましたし、カップリング曲も"入れてもいいじゃないか"と思ったりもして。ただ、初めてのベストアルバムなので、表題曲をなるべく多く入れたいという考えもあって、そのバランスをどう取るかは最後まで悩みました」
――完成した10曲は、最初から最後までテンポよく聴き通せる並びになっていますよね
「そうですね。1曲目から勢いがあって、終盤にミディアムな曲が来る流れも含めて、聴きやすい構成になったと思います。その中でも『邂逅地点』と『flowers』は、歌として"寄り添ってくれる感じ"が改めて強く出ている2曲だと感じています」
――収録曲の中で、アレンジによって特に印象が変わったと感じた楽曲を挙げるとしたら、どの曲でしょうか?
「全体として豪華になったという感覚は強いんですけど、たとえば『ONE CHANCE』は、イントロから知っている曲なのに、展開が全然違うなと感じましたね。それから『sympathy』は、もともと優しくて明るい楽曲なんですけど、そこに華やかさが足されて、日差しのような温度感というか、春っぽさが増した印象がありました」
――今作をきっかけに、もし今後また機会があれば、別の楽曲も"シンフォニックロック"のアレンジで聴いてみたい、という気持ちはありますか?
「ありますね。アレンジが変わるだけで、曲の表情や受け取られ方が大きく変わることを改めて感じたので、"この曲をこうしたらどうなるんだろう"と想像が広がるんです。皆さんが"ぜひ聴いてみたい"と思ってくれるのであれば、カップリング曲も含めて、別の楽曲もこういう形でアレンジできたら面白いだろうなと思います」
――そして、今回はジャケットも話題になっていました
「タキシード姿で、ちょっと指揮者っぽい雰囲気がある、というところだけで気になるって言ってくださる方もいて(笑)。実はこれ、少し変わった形のタキシードなんです。横がベストみたいなデザインになっていて、上の黒いジャケットを脱ぐと、思った以上に胸まわりの印象が強く出る形で。『このままだとちょっと......』みたいな話にもなりました(笑)」
――限定盤にはジャケットメイキング映像に加えて、MV6曲も収録されます。今回のベストにあたって、MVを見返したりもしましたか?
「少しだけ見ました。でも、じっくりは見られないですね。恥ずかしくて(笑)。もちろんいろんな人に楽しんでもらおうと思って撮っていただいたものなんですけど、それでも自分の映像を改めて見るのは照れますし、見返すとすぐ『もっとこうすればよかったな』って反省が始まっちゃうんです。ポージングとか、角度とか、表情とか......」
――そうした照れくささはありつつも、これまで積み重ねてきたものを改めて実感する機会にもなったのでは、と感じました
「いろんなMVにチャレンジさせてもらったな、というのは改めて感じました。『ONE CHANCE』は雨に濡れながら走って歌うシーンがあるんですけど、あれは僕が"雨に濡れながら歌いたい"って要望を出して(笑)。叶えてもらったのは忘れないですね」
――撮影の思い出でいうと、ロンドンで撮影した『WE GO! -On Your Mark-』も印象的です
「全部覚えていますよ。ロンドンで撮影して、雨で寒いロンドンから、晴れ渡ったロンドンまで味わいました。"ロンドンって晴れるんですね"って言ったのも覚えています(笑)」
――改めて、アーティストデビューから10年が経ちました。下野さんにとって、この10年間はどんな時間だったと感じていますか?
「どんどん歌うことが面白くなっていった、そして好きになっていった10年だったと思います。最初の頃は、"下野紘として歌ってパフォーマンスする"ということが、自分の中で本当にわからなかったんですよね。キャラクターソングであれば、そのキャラクターの感情や立場を軸に客観的に考えられますし、"このキャラクターならこう歌うだろう"という拠り所がある。けれど自分の曲となると、最終的には全てを自分が背負わなきゃいけない。その"全てを自分が背負う"という感覚が、当初は掴めなかったんです」
――"自分自身の名前で歌う"からこその難しさや戸惑いがあった、と
「そうですね。1曲1曲に、どんな想いで向き合えばいいのか。どう表現すればいいのか。最初はその答えが見えないことも多かったです。でも、歌って、ライブをやって、少しずつ積み重ねていく中で、"責任"や"覚悟"みたいなものが形になっていった気がします。自分に何ができて、何ができないのかを突きつけられる場面もありましたけど、それを受け止めていくことも含めて、アーティストとして歌うということなんだろうな、と感じるようになりました」
――そうした経験は、声優としてのお仕事への向き合い方にも影響を与えた部分があったのでしょうか
「影響はありましたね。褒めていただいたり、肯定していただいたりしても、最後に自分が納得できるのは、自分自身が自分を肯定できたときなんだ、ということを、この10年で強く感じるようになりました。その感覚があると、声優の仕事でも"自分は何を大事にしたいのか"が前よりはっきりしてくるというか。向き合い方が変わっていったと思います」
――2026年は、ベストアルバムのリリースに加えて、朗読祭など10周年に紐づく取り組みも控えています。現時点でお話しできる範囲で、今後の展望を聞かせてください
「今のところ、お伝えできる情報はここまでなんですけど、まだ"こういうことができたらいいね"という話をしている段階で、いろいろ動いている最中です。もう少し形になって、正式に発表できるタイミングが来たら、きちんとお知らせできればと思っています。10周年という節目を、皆さんと一緒に楽しめる1年にしていけたら嬉しいですね」
――最後に、アルバムを手に取るファンの方へメッセージをお願いします
「『シンフォニックロック・リミックスベスト』は、これまで何度も聴いてくださっている曲も、アレンジが変わることで、また違った新鮮な気持ちで聴いていただける一枚になっていると思います。ぜひ繰り返し聴いてもらえたら嬉しいです。そして、10周年というタイミングだからこそ、朗読祭をはじめ、皆さんと一緒に楽しめる機会も作っていけたらと思っています。このアルバムとともに、これからも"アーティスト・下野紘"としても、"声優・下野紘"としても、応援していただけたら嬉しいです」
取材・文=川崎龍也 撮影=内田大介
-

WHITE SCORPION、「Corner of my heart」で魅せる新たな進化。2周年を前に語る現在地と未来への思い
提供元:HOMINIS10/22(水) -

【小野賢章×岡本信彦】池袋ですれ違ったら"絡まれた"!?「完全にビビりました(笑)」〈ふたりのこと。〉
提供元:HOMINIS10/22(水) -

「行くぜ!つばきファクトリー」新シーズン始動!谷本安美・河西結心・土居楓奏が語る"新メンバー・西村乙輝とのこれから"
提供元:HOMINIS10/20(月) -

「もしも2人でゲームを作るなら?」の問いに小野賢章&岡本信彦が大盛り上がり
提供元:HOMINIS10/16(木) -

「ステつよ」キャストの大塚剛央、水野朔、小林沙苗が異世界で欲しいスキルとは?
提供元:HOMINIS10/13(月)

