坂本昌行、ファンレターをきっかけに物事の捉え方が変わった経験
2026.2.25(水)
坂本昌行が主演を務める舞台『るつぼ The Crucible』が2026年3月14日(土)から29日(日)に東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。
世界中で人気の高い劇作家アーサー・ミラーの代表作でもある本作。坂本は今どんな気持ちで、舞台を迎えようとしているのか。"混沌の時代"と言われる現代を生きる上で坂本が軸としていることを伺うと、意外な答えが返ってきた。
――今回、演出の上村(聡史)さんが坂本さんをご指名されたとのことですが、オファーを受けてどう思いましたか?
「アーサー・ミラーの作品はこれまでに何作か観させていただいたことがあるのですが、"役者の力量というか、お客様へ伝える表現力が非常に必要だな"という印象を受けました。ただ演じればいいだけではなく、登場人物1人1人の心の奥にある何かをお見せできないと、作品としてお客様に届かないのかなと。
今回も、いろんな人間の未熟さとか、悲しさが随所に出てくるので、観る側も大変なんじゃないかなと思っています。自分に置き換えた時に反省してしまったり理解したりっていうのを繰り返しながら、お客様は観てくださるのかなと脚本を読んだ時に思いました」
――では"ちょっとハードルの高いものがきたぞ"みたいな感覚だったのでしょうか?
「そうですね。僕の勝手な印象ですけど、どう演じようかとか、どうしたらいいかというお芝居ではなく、内面の何をどう感じて、それを素直に純粋にどう表現できるかが大事。技術でやってしまうほど怖いものはない作品なんじゃないかなと思いました。
セリフを読む時って、なんとなく癖で抑揚をつけてしまいがちだったり、句読点のたびにセリフのニュアンスを変えたりするんですけど、思いきり原点に立ち返って、まずはフラットに言うように変えようかなと思いました」
――なるほど
「感情を表に出すお芝居は表現しやすいんです。怒ればいいし、泣けばいいし、笑えばいいし......。でも、そうじゃなくて、それと葛藤している心の内っていうのを表現しないといけないので、どう舞台上でぶつかり合えるか、感情をぶつけ合えるかが大事なんだろうなと思っています」
――今回の作品の舞台、現代の私たちが生きる社会とは随分かけ離れた年代ではあるものの、裁き合う社会や不寛容さが現代のSNSが前線の社会と通ずるなという印象を受けました。坂本さんとしては、役を通してどんなことを伝えたいでしょう?
「まさにおっしゃる通りで、現代に似ている部分が多いですよね。稽古や本番を通して、また伝えたいことは変わっていく気もしますけど、まずベースとして、それぞれの人間、果たして完璧な人間がいるのか、果たして本当に悪がいるのか、果たしてどこが正しいのかっていう人間のるつぼ、感情のるつぼが舞台上にある作品だなと思います。それをしっかりと役者がそれぞれの役を演じきらないと、ただ罵り合うだけの作品になってしまうので、それだけは避けたいなと思っています」
――今回、役としてはかなり重い役柄にはなると思うのですが、ご自身の「人」みたいなのがすごく出てくるような役柄にもなっていそうだなと思いました
「そうですね。役者が変われば、印象が変わってくると思います。だけど、基本軸を間違えていなければ役がそうぶれることはないと思っていますし、僕がやるジョン・プロクターということを自分の中でちゃんと持っていれば、ふわふわした時間がなくなると思うんですよね。どの作品でもそうですけど、そこだけはしっかり軸を持っておいて、それからぶれないようにしていきたいと思います」
――稽古期間と本番の期間の「重さ」は一緒に付き合っていかれるものですか?結構切り替えられますか?
「僕自身、いろんなことがある時って"まあいいか"と開き直るタイプなんです。未知のものに対する不安を大きくするのって、自分自身でしかないと思っているので考えるのはやめようって思っちゃうタイプ。ただ引きずるかって言われたら、まあ引きずりますよね(笑)。終わった瞬間"あはは"と笑っていられないですから」
――上村さんからのコメントの中で"名作の上演という枠を超えた、人は何を大切にして混沌の世界を生きなくてはいけないのかという問いかけを投げかけてくれる作品になると思う"と書かれていました。坂本さんご自身は、この混沌の世界の中で何を大切にして生きていますか?
「うーん、なんだろう......。今いろんなものが生まれて過ぎ去って、いろんなことが起きているじゃないですか。僕はそこに目がいかないんです。なぜかというと、僕自身が興味あるものしか目を向けないので。だから今、通りすぎていくいろんなものが早すぎて、逆に触ることができないので、心の揺れとかブレはないんです」
――そうなんですね
「よくSNSにどっぷり目を向けるとか、ハマるっていうこともあるじゃないですか。僕は見ていないのでわかりませんが、もし誹謗中傷のようなことがあったとしたら、それはあくまでもその方の意見であって"あ、意外と見てくださってるのね"っていうだけの話かなと思っています。
昔V6のライブを制作している時に、結構細かいファンレターをいただいたことがあって"あの曲のつながりは良かったですけど、こっちの選曲はどうでしょう?ライティングはあれもっとこうなんじゃないですか?"っていうことを書いた10ページぐらいのお手紙をいただいたんですね。その時に、よくよく考えたらこんなに見てくださってるんだって思って、この人のことを100%は無理でも90%以上楽しませることができたら最高だねって思ったのを思い出しました。だから、流れゆく時代の中で、僕はその流れを岸から見ているっていうだけかもしれません」
――いろんな作品において混沌とした世界とか言われがちな現代ですが、あまり巻き込まれている感覚はないのですね
「そうですね。逆にそこに入ることなく俯瞰で見られていることで表情とか感情とか動きもある程度見ることができるので、変に感情移入をしていないのが良かったのかもしれないですし、それをうまくこの役に反映できたらなと思います。先輩がおっしゃっていたんですけど"酔っ払いが上手い人はお酒を飲まない人だ"って。だからきっと、長野さん上手いと思うんですよね、酔っ払った役(笑)」
――最後に坂本さんが座長をなさる時に心がけてらっしゃることは?
「何もやらないです!やることとか覚えることもたくさんあって、なるべく自分の中で早く消化して、稽古を楽しみたいので。
というか、何もできないんですよ。皆さんを引っ張ってとか一切やらないので、共演者の方には本番が始まってから"話しかけづらかった"って言われることも多いです(笑)。唯一やるのはお弁当だけですかね。ケータリングのお菓子は絶やさないとか(笑)」
文=於ありさ 撮影=MISUMI
ヘアメイク=浅野有紀( Rooster) スタイリスト=KYOU
〈衣装クレジット〉
シャツ¥39,600/GUY ROVER(バインド ピーアール)、パンツ¥53,900/TAGLIATORE(トレメッツォ)、その他/スタイリスト私物
※価格はすべて税込
公演情報
『るつぼ The Crucible』
【日程】東京公演:2026年3月14日(土)~3月29日(日)
【会場】東京芸術劇場プレイハウス ※他、兵庫、豊橋公演と巡演
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