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前田敦子「20年の集大成、最後の写真集に全てを出し切った」写真集『Beste』インタビュー

2026.2.14(土)

前田敦子 写真集『Beste』
前田敦子 写真集『Beste』

芸能生活20周年を迎えた前田敦子が、14年ぶりとなる写真集『Beste』(講談社)を2026年2月13日(金)に発売した。

舞台はオーストリア・ウィーン。「大人の恋」をテーマに丁寧に撮り下ろされた本作は、前田の新たな一面を映し出す"大人の色気"に満ちた一冊だ。「これが最後の写真集」と語る前田に、撮影の裏側や当時の心境、そして作品に込めた思いを聞いた。

―今回、写真集を出そうと思った理由を教えてください

「お話をいただいたのは2024年の冬だったと思うんですけど、正直すごく迷いました。この年齢になって、私が写真集を出す。どこに需要があるんだろうと思って。そんな簡単に写真集に向けて、自分のコンディションが整うとも思わなかったですし、年齢的にも20代のときは何も考えずに開放的にやれていたなと思ったんですけど、今はもう難しいな...と最初はすごく後ろ向きでした」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――それでもやろうと思ったのはなぜですか?

「編集部の方がタイミングを見計らってくださって。ちょうど自分の中で写真集に向けて自分と向き合うのもいいかもしれないと思ったタイミングと重なったからです。あと、『20周年』っていうのにこぎつけないと私はもう2度とこういう写真集をやれないだろうなと思いました(笑)。このタイミングを逃したらたぶんもう絶対やらないと思います。なので私にとってはもう最後の写真集です」

――「最後」というのはかなり決意が固いですね

「撮影中も『もう最後かな』と言っていましたし、あんなに頑張るのは正直もう無理だと思います。私の中ではウェディングドレスを着る花嫁だと思ってやっていました。もちろん花嫁以上に肌を露出していますけど(笑)」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――撮影に向けての準備はいつから始めましたか?

「2025年の7月に編集部の方たちと打ち合わせをして、それから本格的に頑張りました。2024年の冬にお話をいただいてから、ずっと頭の中で写真集を意識はしていて、それ以来やれるかやれないかを考えながらも、準備はずっとしていました。最後の追い込みをかけたのは撮影前の1ヶ月間です。あらゆることをやったので、本当に実験台みたいな感じでした。ピラティスも週3で通っていましたし、夏休み中だった子供にも一緒に付き合ってもらいました」

――特にハードだったことはありますか?

「食事制限がきつかったです。特に撮影中の5日間はいろいろと我慢したので一番きつかったです。食べるという選択肢を選べないので。だから、最終日に思いきり食べられた幸せな気持ちは忘れられないです。帰国後5日間ぐらいも毎日ずっと食べていました。帰国してからフードファイトしていました(笑)」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――今回の写真集のロケ地にウィーンを選んだ理由は?

「写真集を作るときにこだわったのは、過去の作品や他の方々と同じものにしたくなかったということだったので、いろんな写真集を見て研究させてもらいました。その中で、なるべく引き算をしました。他の方がやっていないことをやらないと意味がないし、そういうのを探すのはとても大変な作業でした。ウィーンを選んだ理由は、他の方がまだあまり行ってない穴場というのが大きかったですね。でも結果的に大正解でした。食事はあまり食べられなかったけど、美味しかったですし、現地の有名なレストランにも行けました。あと、ウィーンのみなさんが優しかったです。通りがかったらピースをしてくれました(笑)」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――他にもウィーンの魅力を感じた場所はありましたか?

「ワイナリーではぶどうジュースをすごく飲んでいる写真がいっぱいあったと思います。ウィーンは中心部からワイナリーも近いし、ワイン好きな人には良いと思います。あと、街並みが綺麗で、芸術を楽しむのにもいいです。『グスタフ・クリムト』も見られました。オペラは撮影期間はお休みだったんですけど、音楽も楽しめる街ですよね。街を歩いていたら、おじいさんが道端で生演奏でバイオリンを弾いていて素敵でした。深呼吸ができて、いい空気感があって、ゴミも落ちていないし、虫もいない。とにかく街全体が良かったです。

また、今回のテーマは『大人の恋』だったので、大人同士の恋として、ウィーンはいいなと思いました。30〜40代の人たちにぜひともおすすめしたい。どっぷり大人の恋愛に浸ってほしいです。私自身も撮影していて、本当に久しぶりに恋人が欲しいと思いました。『好きな人と来たいな』『こんなところ連れてきてくれたら絶対に好きになる』という妄想が膨らむ街でした」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――今回の撮影で、ランジェリーは特にこだわったそうですね

「打ち合わせとフィッティングの段階からかなりこだわって選びました。何回もミーティングをして、フィッティングも2回行いました。全体のバランスを見て透け感を入れた方がいい、こういう色を入れた方がいいなど、かなり計算をし尽くしました。日本のランジェリーショップは本当に全部見たくらい。スタイリストさんにもあらゆるショップを探してもらいました。スタイリストさんは『もうこれ以上はない』っていうくらい、寝る間も惜しんで探してくださいました」

――この写真集で挑戦したことは?

「衣装や撮影に関しては、『普通女優さんはやれないでしょ』ということにたくさん挑戦しました。『普通ならここまでかな...』という限界を超えられたと思います。本当にスタッフの皆さんと一緒に、いいものを作り上げることができたと思います」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――体型作りについてはいかがでしたか?

「体型も細くなりすぎず、プリッとした女性らしさは残しつつ、締まった身体にするのがとても大変でした。それが大人になって一番難しいことなんだなと思いました。体重を落とすだけなら私にとっては体質的に比較的簡単なことなんですけど、『触れたいな』と思ってもらえる身体じゃないと意味がない。そういう想像を掻き立てるものにしたかったので、男女ともに魅力的に思ってもらえる体型を目指しました。個人的に、ピラティスが一番女性らしい体作りに向いていると思い、今回はピラティスで特に背中とお尻を鍛えました」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――撮影現場の雰囲気はどんな感じでしたか?

「それぞれがプロとしてベストを尽くせたと思います。『みんなで1つの作品を作っている』という感じがすごくしました。久しぶりに『戦った』という感じがして、楽しかったです。大人になったら手に職をつけて、なんとなくでもこなせるようになる。でも今回は、さらに1つギアをあげて、その場にいる全員で本気を出すという感覚があって、それが久しぶりで本当によかったです。準備の段階から『今日が人生最後』と思ってやっていたので、本当にボクサーみたいな気持ちでしたし、『最後の花嫁姿を見せるんだ』という気分でした」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――過去の写真集と比べて、今回は違うアプローチだったようですね

「この体づくりのための努力をずっとは続けられないです。『あと1ヶ月頑張ったら、もうこんなに頑張らなくていいんだ』と思って頑張りました。だから今回、自分の限界に挑戦したかったですし、ここまで頑張れるんだと思えるところまでやり切りたかったんです。それをこの写真集を機に試してみました。ランジェリーもそれぞれのシーンごとにシチュエーションを想定して、みんなで考え抜いて撮影したので、『なんとなく撮った』というカットは1つもなかったです。普段は役者の仕事をしていますが、写真集はいいものが撮れるまで粘ったので、役者の仕事に近い形でギリギリまで完成度の高さを求めました。

――過去の写真集との違いを感じますか?

「今まで写真集は何冊か出していますが、10年以上前になります。当時は本当に自然体で、ほぼそのままの私でした。正直、あまり深く考えずに撮影していたので、基本的にはスタッフさんにお任せしていました。ただ、今回は制作の工程が全く違います。打ち合わせから細かく入って、しっかりテーマを据えて『作品を作る』という感覚に近かったので、今回はみんなで意見をたくさん出し合いました」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――今回の写真集では、どんなことを心がけていましたか?

「誰にどんな気持ちで読んでほしいか、誰に手に取ってもらいたいか。そのために必要なものは何か、いらないものは何か、ということを大切にしました。過去にひとりよがりになって失敗も経験したので。この仕事をしていて、『自分だけがいいって一番人に伝わらないな』と思うんです。

例えば、今回写真をセレクトするときは『自分はこのカットしか嫌だ』とは絶対に言わないと決めていました。スタッフさんと一緒に見て、いろんな目線で選んでいきたい。だからこそ、今回は『写真を撮るときにきちんとこだわりたい』と思っていました。撮影の時はできることを全部やり切って、セレクトの時は絶対に読者の目線を忘れず、なるべく多くの人に見てもらって、最後はいろいろな人の意見を聞いて選んでいきたいと心がけていました」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

――最後に読者へのメッセージをお願いします

「今回の写真集は、準備の段階から『熱』を持って制作しました。ボクサーのように限界に挑戦し、花嫁のように全力で臨んだ、自分にとっての『最後の写真集』です。1人でも多くの方に手に取っていただければ嬉しいです」

(C)講談社 撮影/北岡稔章

前田敦子 写真集『Beste』
前田敦子 写真集『Beste』

(C)講談社 撮影/北岡稔章

文=HOMINIS編集部

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作品情報

前田敦子 写真集『Beste』
2026年2月13日(金)発売
(C)講談社 撮影/北岡稔章