大沢たかお、綾瀬はるか、内野聖陽――「JIN-仁-完結編」を名作たらしめた三者三様の名演
2026.2.14(土)
村上もとかによるヒットコミックをドラマ化し、国内外で大好評を博した名作「JIN-仁-」(2009年放送)。幕末の江戸にタイムスリップした脳外科医・南方仁が、現代医療の技術を駆使して人々を救う物語だ。タイムスリップの謎はもちろん、坂本龍馬といった歴史上の人物や、人々との深いつながりなども生き生きと描かれていて、奥の深い内容となっている。
そして2011年には、続編「JIN-仁-完結編」も放送された。主なキャストは第1作と同じで、大沢たかおが主人公の仁を演じている。また、仁に想いを寄せると同時に彼を支える旗本橘家の娘・咲を綾瀬はるか、坂本龍馬を内野聖陽が演じた。
激動の時代を舞台にした本作で、3人はそれぞれの人物をどんな演技で体現したのだろうか?
■仁のキャラクターと背負った葛藤を説得力のある演技で魅せた大沢たかお
「JIN-仁-完結編」の物語が始まるのは、仁が江戸に来て約2年が経った1864年の夏。第1作で「仁友堂」という医学所を開いた仁は、その後も人々の治療にあたっていた。冒頭、怪我をしている豆腐屋にすぐさま処置を施し、お礼をもらって爽やかな笑顔になるシーンなどを見ると、江戸での生活も慣れたようだ。しかし、なぜ自分が江戸にタイムスリップしたのか、どうしたら元の時代に戻れるのかといった謎は、まだ解き明かされていない。さらに「完結編」では、激動の時代の余波で、仁もさまざまな事件に巻き込まれる。
京都で佐久間象山の治療にあたった時、象山から自分のなすべきこと諭され、雷に撃たれたような表情になったり、また、虫垂炎を患った西郷隆盛と対面した時は、自分から土下座をしてまで治療させてくれるよう西郷に頼み込んだりもする。そんな仁の姿からは、人の命を救うという信念だけでなく、自分が日本の歴史に関わっていることの重みと葛藤が、強く伝わってくる。
市井の人々と触れ合う時の優しい笑顔、人の命に向き合う時の真剣さ、また、自分が歴史を変えてしまう可能性があることへの苦悩。仁が背負ったものを説得力を持って体現する大沢の演技はさすがで、それゆえに、本作の物語がより奥深いものとなっている。
■女性らしさと芯の強さを併せ持つ咲を綾瀬はるかが好演
(C)村上もとか/集英社
咲は第1作に続いて、「完結編」でも仁友堂に身を寄せ、仁を支えている。辛い状況にあっても泣き言を言わない、武家の女性らしい芯の強さを持つ。綾瀬が演じているだけあって、彼女自身が持つ"華"が画面に映し出されることもしばしばだ。考えごとをしている時に話しかけられ、しゃもじを逆さに持っていた時の表情などは愛らしいし、脚気で臥せっている母の治療法を仁が見つけた時は、輝くような笑顔を見せる。
そういった女性らしい魅力に加え、第4話で仁との仲がぎこちなくなった時にそれが微かに笑顔に出ているところや、第10話で「医者の端くれでございます」という時の真摯なまなざしなど、細かい演技や醸し出す空気には、つい魅入ってしまう力がある。綾瀬の演技力があってこそ、咲の存在感がより確かなものとなっているのだろう。
■内野聖陽の豪胆で熱のある演技は、本物の龍馬を見ているよう
(C)村上もとか/集英社
内野が演じる龍馬は御存知の通り、日本の歴史に深く関わる幕末の志士だ。ざっくばらんな性格でユニークなシーンも多く、仁を捕らえている役人に手もなく叩き伏せられたり、かつて大怪我を負っていた長州藩の武士と再会した時は、飛びついて相手の無事を喜んだりもする。
そんな龍馬の最大の魅力は、その胸の奥に「日本をひとつにまとめたい」という強い想いがあるところ。第3話で日本のこれからを勝海舟や仁に語る時には、清々しいほどの笑みを見せる。第4話で薩摩と長州の盟約をまとめるため、西郷隆盛を説得する時の熱量も凄まじいものがある。表情豊かで熱量もある、そんな龍馬を見ていると、本当の龍馬もこんな人物だったのではないかと感じるし、そう思わせる内野の演技はさすがというほかない。
第1作同様に「完結編」も、ザテレビジョンドラマアカデミー賞ほか、多くの賞を受賞。また日本での放送前に海外80カ国での放送も決定していたなど、ドラマとして高い評価を誇る本作。今も色褪せないその魅力を、大沢ら名優たちの演技とともに、じっくりと味わってみてはいかがだろうか。
文=堀慎二郎
放送情報
JIN-仁-完結編
放送日時:2026年2月15日(日)12:00~[全話一挙放送]
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:大沢たかお、綾瀬はるか、小出恵介、桐谷健太、藤本隆宏、市村正親、中村敦夫、佐藤隆太、市川亀治郎、麻生祐未、小日向文世、中谷美紀、内野聖陽 ほか
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