『万事快調<オール・グリーンズ>』南沙良×出口夏希が語る、"居場所"がくれる安心感「地元の友だちの存在大きい」
2026.2.13(金)
第28回松本清張賞を満場一致で受賞した波木銅の青春小説を映画化した『万事快調〈オール・グリーンズ〉』が、2026年1月16日より公開中。ラッパーを夢見ながらも学校にも家にも居場所を見いだせない朴秀美(南沙良)と、陸上部のエースで社交的な一方、家庭に問題を抱える映画好きの矢口美流紅(出口夏希)。未来の見えない田舎町で鬱屈を抱えたふたりは仲間とともに同好会「オール・グリーンズ」を結成し、"一攫千金"を狙う禁断の課外活動へ踏み出していく。
W主演の南沙良と出口夏希に、演じるうえで意識したポイントや現場での空気感、作品が投げかける"居場所"というテーマについて話を聞いた。
――お二人が今まで出演してきた作品とはまた本当に違った表情が見られる映画になっていますが、完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
南「撮影しているときは結構いっぱいいっぱいだったというか、本当に走り抜けた感覚だったので、出来上がったものを観て、監督のこだわりもすごく感じましたし、原作にあった疾走感みたいなものが、しっかりと映画にもあって。面白いものになってよかったな、という感覚はあります」
出口「撮影しているときは、楽しかったんですけど、出来上がったものを観ると、どうしても反省点を探しちゃうので.....反省点がいっぱいありました。でも撮影中は本当に楽しかったです」

――爽快感があって、本当に気持ちいい作品ですよね。お二人が演じた役はそれぞれ居場所のなさを抱えながらも、それぞれ違った形で前に進もうともがいています。ご自身と重なる部分、共感した部分はありましたか?
南「朴秀美は割と卑屈な女の子なんですけど、私もどちらかというと卑屈なほうなので、そこは共感しやすかったです(笑)。あと、私自身ヒップホップを昔からよく聴いていたので、そういうところも少し近いなと思いました」
出口「矢口美流紅は今まで演じたことのない役でしたが、のびのび自由に演じられました。自分と重なる部分は撮影中は考えたことはなかったのですが、現場でみなさんの芝居を受けながら、その瞬間に出てくる感情を大事にできたのが楽しかったです」

――今回、南さんはラップを披露するシーンもありました。事前にイメトレしたり、練習したりもされたのでしょうか?
南「そうですね。インする前に何度か練習の機会があって、そこで教えていただいて、やりました。でも元々聴いていたというのもあって、そこまで難しいとは感じなかったです」
――演じる上で意識されたことはありますか?
南「3人それぞれ、身を置いてる環境は決して明るいものではないんですけど、たぶん本人たちはそれを悲観的に思ってないというか。朴はずっと鼻で笑ってるようなタイプの女の子、っていう印象があったので、あんまり悲壮感が出ないように、というのはお芝居をする上で意識していました。作品を作る上で、そこはテーマとして考えていましたね」
――タバコを吸っているシーンや、お酒を飲んでいるシーンもありましたよね。あのときの表情がすごくいいなと思ったのですが、どうやってあの感じを出したんですか?
南「普段お酒が好きなので、思い出していたんですかね(笑)。でも、あまりそこは考えていなかったかもしれないですね」
――出口さんはいかがでしたか?
出口「現場に入るまであまり考えられなくて。衣装を着て、その場所に行かないとわからないなって思っていたので、現場に入ってから、座り方とか、話し方、笑い方などは結構意識してたりしました」
――美流紅に関しては痛々しいシーンもありましたけど、それも含めて爽快感がありますよね
出口「そうですね。スピード感が、観ていても本当に気持ちいいですし、あのシーンから美流紅、変わっちゃってますから(笑)」
南「そうだったね(笑)」

――監督から、演じるにあたって具体的なディレクションはありましたか?
南「監督は割と、今回は(ほかはわからないですけど)演出を細かく付けない方だったので、あまり言われなかったです。自由にやらせていただいた印象ですね」
出口「『もうやってみようか』が口癖なんじゃないかっていうくらい、自由に演じさせていただきました」
――まず自分で考えてきたものを出してみて、そこから、という
出口「たぶん監督も自由に演じてほしかったのかなって思います。そこが今回はやりやすくて、3人で話してるときも結構自然に話せました」
――お二人は『ココア』で主演を務めていましたが、今回また現場でご一緒して、お互いの演技で刺激を受けたことはありましたか?
出口「前回はオムニバス形式で、同じシーンがなかったので、今回がほとんど初めましてだよね」
南「ほとんど会ってなかったよね。なので、今回刺激を受けたことはいっぱいありました。夏希ちゃんにしか出せないものがあって、美流紅は夏希ちゃんしかできなかったんだろうなって思います。いろんな人を惹きつけるキラキラしたものというか、夏希ちゃんにしか出せないものだなって。あと、どこに行っても自分でちゃんと機嫌を取れているんですよ。本当にいつ会ってもご機嫌で、周りを笑顔にしてくれるというか。自分の機嫌を自分で取るって意外と難しいことだと思って。私は割とできないタイプなので。そういうところはすごいなと思いますし、一緒にいて楽だなと思います」
出口「嬉しいです。でも私は意外と何も考えてないです。自分でもよくわかってなくて、のほほんとしているだけなんです(笑)。沙良ちゃんは普段は脱力系というか、力が抜けてる感じなんですけど、現場でお芝居ってなると、なんかかっこいいんですよね。表情一つ一つが。そこにスッと入るように見えました」
――一緒に撮影していく中で、最初と比べて印象は変わりましたか?
南「変わりましたね。イメージ自体はそんなに変わってないんですけど、こんなにしゃべりやすいんだと思いました。私がしゃべれるというか。こんなに話せて、話しやすいとは思ってなかったですね」
出口「私は真逆になりました(笑)。『ココア』のときは挨拶ぐらいで、あまりお話ししてなかったので、静かで、あんまり話さないイメージがあったんですけど、実際はいっぱい笑うし、いっぱい話してくれるし、何を思っているのかわかりやすかったので(笑)。すごく仲良くなりたいなって思いました。すごく好きになりました」
――同好会「オール・グリーンズ」は、既存のコミュニティから少し外れたところに、自分たちの居場所を作っていく物語でもあると思います。お二人にとって、居場所というか、心の拠りどころは何でしょうか?
出口「地元の友だちの存在がすごく大きいです。何かあったときに支えてくれるのも、やっぱり地元の子たちで。会っていなくても『何かあった?』って気づいてくれるし、私も素直に頼れるんです」
南「私は家族ですかね。家族全員でそろって会う機会はなかなかないんですけど、年末とかに実家に帰ると、やっぱりすごく安心感があって。いつも応援してくれているので、私にとっての居場所だなと思います」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
南沙良/ヘアメイク=藤尾 明日香(kichi.inc) スタイリスト=武久真理江
出口夏希/ヘアメイク=中山友恵 スタイリスト=道端亜未
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