徳井義実×桃月なしこが語る「令和に官能小説作ってます」の魅力と撮影エピソード
2026.2.4(水)
1月7日より放送中のテレビ大阪のドラマ『令和に官能小説作ってます』。官能小説専門誌の編集部を舞台に、令和という時代における"官能"の表現と向き合う人々の奮闘を、コミカルかつ真摯に描いた話題作だ。
今回HOMINISでは、編集長・玉川丈治役を演じる徳井義実(チュートリアル)と、新人編集者・大泉ましろ役の桃月なしこにインタビューを実施。
官能小説界を舞台にした本作ならではの魅力や撮影現場でのエピソード、さらにはコンプライアンスが叫ばれる令和時代に「官能小説」を描くことの難しさと面白さについて、たっぷりと語ってもらった。
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――このオファーを受けて、脚本を読んだ際の率直な感想を教えてください
徳井「タイトルに"官能小説"が入っていて、自分はこれまでも官能系の仕事をさせてもらってきたので(笑)。高校時代、初対面の同級生とコミュニケーションを取るときにエロ本をきっかけにしたことがあったんです。遠足の休憩時間にエロ本を出したら、みんなが集まってきて、そこで一つになれたというか(笑)。それ以来、エロや官能的なものを通じて仕事をしてきた部分もありますし、変態っぽいキャラクターも含めてやらせてもらっている。だから、タイトルを見た時点で"これはやらせてもらおう"と思いました。しかも編集長役。官能小説を司る立場ですから、こんなにありがたい役はないなと感じました」
桃月「今作が地上波ドラマ初主演になるので、それ自体が私の一つの目標でもあり、主演でオファーをいただけたことがまず本当にうれしかったです。ただ、タイトルが『令和に官能小説を作ってます』だったので、"官能小説?"と(笑)。私は普段あまり小説を読まないですし、官能小説にも触れてきたことがなかったので、タイトルだけではストーリーが全然想像できなくて。もしかしてちょっとエッチな話なのかな、私エロ売りしてないけど大丈夫かな、と思ったりもしました。でも実際に台本を読んでみたら、いわゆるエッチな作品というより、お仕事ドラマとしてしっかり描かれていて。真面目で、面白くて、ちょっとだけエッチ、というバランスなので、撮影自体もとても楽しみながら臨めました」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――お互いの印象はどうでしたか?
徳井「正直、ジェネレーションギャップを感じて、年下の方にイラッとすることもあるのかなと思っていたんですが(笑)、実際に会ってみるととても優秀で、現場の空気もよく見てくれる頼りがいのある方でした。20歳以上年下ですが、本当に桃月さんは素晴らしいなと思いました」
桃月「徳井さんは、私が芸能界に入る前からずっとテレビで見ていた方なので、最初は共演、しかもダブル主演ということで正直かなり緊張しました。どういうテンションで会話をしたらいいんだろう、という不安というか、どちらかというと恐怖に近かったです(笑)。どんな方なんだろう、芸能人の方への話しかけ方も分からなくてどうしよう、と思っていたんですが、本読みの段階からとても穏やかで、"気を張らなくていい相手だな"という空気を出してくださっていて。おかげで撮影はとてもやりやすかったです」
――撮影時の印象的なエピソードはありますか?
桃月「1話の長回しシーンですね(笑)。真っ暗な背景で行われる一連のシーンを、カットなしで撮影したので、メイキングがあればぜひ裏側を見ていただきたいです」
徳井「あまりにも人力で(笑)。すごく立体感が出ましたよね。あのシーンで『カットOK』が出た瞬間の現場の盛り上がりたるや、もうクランクアップかと思うくらいでした」
桃月「あの達成感がすごすぎて、そのあとちょっと気持ちが入らなくなりました(笑)」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――現場で印象に残っている言葉や出来事はありましたか?
桃月「コンプライアンス的に使えない言葉が本当に多くて(笑)。実際にいただいた台本からセリフが変わることも結構ありました。このままいけると思っていたらNGが出て、別の言い回しに変わる、ということもあって。変更後のセリフがなかなか言えず、かなりリテイクを重ねました」
徳井「劇中でも、官能小説を作る上で令和のコンプライアンスと戦う姿が描かれていますが、実はその裏側の撮影現場でも同じように戦っているんです。編集部と作家が戦う物語と、台本を作る現場での戦い。ダブルで戦っているところが、この作品の面白さだと思います」
桃月「『どこまでがセーフなんだ?』と、私たち自身も台本を読みながら悩むことが多くて。『なぜこれはよくて、これはダメなんだろう』と考える場面は何度もありました」
――お二人とも、演じる役柄とご自身の共通点はありますか?
桃月「オタク気質なところは、かなり共通していると思います。話し方もデフォルトが早口なんです。ほかのドラマの現場では『もう少しゆっくり話してみようか』と言われることが多いんですけど、この現場では逆に『もっとテンポよく、もう少し早口で』と言われることが多くて。普段から早口なので全然苦痛ではなかったですし、むしろ『これくらいのスピードでしゃべっていいんですか?』というくらいのテンションでやらせてもらっていました」
徳井「玉川編集長は、エロスに対して本気で真面目に向き合っている人物なんですが、その点は僕自身とも重なる部分があります。普段、劇場などでいわゆる下ネタを話すことはありますが、品のない下ネタと、どこか品のある下ネタは違うと思っていて。ただくだらないだけのものは言わないようにしているんです。エロスや官能に対する向き合い方、リスペクトの気持ちは、玉川編集長と共通している部分かなと思います」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――映像やSNSなど刺激の強いコンテンツが溢れている今、あえて"言葉で想像させる官能"を描くことに、どんな意味や面白さを感じましたか?
徳井「刺激の強いコンテンツが溢れ返っている現代で、さらにAI生成の"ちょっとエロいもの"まで出てきている。直接的な表現をすぐに見られる時代だからこそ、ひねりを利かせて、言葉から想像しないと成立しないものへのニーズも、一定数あるんじゃないかと思うんです。むしろ、言葉で想像させる官能のほうが、興奮度合いは高い気がしていて。想像できた瞬間にこそ、価値が生まれるんじゃないかなと思います」
桃月「すごい!編集長っぽいです(笑)。官能小説って、独特の言葉の言い回しが本当に多いですよね。『穴獄』や『淫獣』みたいに、そこでしか使われない言葉がたくさんある。普段あまり聞き慣れない言葉だからこそ、読んだ人それぞれが自分なりに想像するんですよね。もしかしたら、想像している内容は人によって全然違うかもしれない。それでも成立する、いろんな解釈が生まれるところが、官能小説の面白さの一つだと思います。同じ作品を読んでも、受け取り方はきっと人それぞれ違うんじゃないかなって」
――"想像できる余地"があることも、官能小説の大きな魅力だと感じました
桃月「そうなんです。官能小説って、"余白"があるものなんですよね。読者が想像するための余白がちゃんと残されている。だから、あまりにも直接的な表現になってしまうと、ティーンズラブだったり、別ジャンルの作品になってしまう。その余白があることこそが、官能小説の一番の魅力なんじゃないかなと思います」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――官能的な題材を扱いながら、今の時代にどう向き合うかが丁寧に描かれている印象がありますが、お二人が感じた「令和らしさ」はありますか?
桃月「やっぱり、台本がちょこちょこ変わるところですかね。『これがダメなの?』って思うようなワードがNGになって、『この言い回しに変えてほしい』という調整が結構あって。完成稿から、細かくセリフが変わっている部分が多いんです。それは令和ならではなのかなと思いました。正直、完成稿と変更後のワードに大きな差があるかと言われると、私からするとそこまで変わらないんですよ。何が違うんだろう?って思うくらいの誤差なんですけど、その"基準値"がすごく難しくなってきているのは、令和っぽさなのかなと感じました」
徳井「僕は、現場の空気感がすごく令和っぽいなと思いました。誰も怒らないし、ピリピリもしない。みんなで『大丈夫、大丈夫』って言いながら進めていく雰囲気があって。本編にも、そういう空気感はきっと反映されていると思うんですけど、そこはすごく令和的だなと感じましたね」
――徳井さんはこれまで、エロや猥談を笑いとして語る場に多く立ってこられましたが、今回あらためて物語として官能を扱ってみて、笑いにするエロと、作品として描く官能の違いを感じた部分はありましたか?
徳井「明確に違うのは、やっぱり"目的"ですね。官能小説におけるエロは、人を興奮させるためのもの。一方で、笑いにするエロは、あくまで笑いを取るためのものなんです。エロというフィルターを通して笑いを生み出しているので、最終的に目指しているところが違う。興奮させるものなのか、笑わせるものなのか――そこはかなりはっきり分かれていると思います」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――桃月さんは、コスプレイヤーやモデルなど"見られる表現"を続けてこられた中で、今回、官能小説を作る側の物語に参加されて、特に新鮮だと感じた点は何でしたか?
桃月「実際に自分が作る側に立っているというよりは、あくまで"役として"演じさせていただいているので、正直、表現する立場としてはそこまで大きな違いは感じなかったというのが本音です。女優としてのお仕事の一つ、という感覚ですね。ただ、官能小説という、これまで触れたことのなかった世界に関われたことや、編集部という"裏側"の仕事を知れたことは新鮮でした。私たちはどうしても完成した作品しか知らないじゃないですか。その裏で、こんなにも試行錯誤しながら戦っている人たちがいるんだ、ということを知れたのは大きな学びでした」
徳井「でも、他のドラマだと、あんなに一人で喋るシーンってあまりないですよね。一人きりで延々と話す、みたいな。見ていて新鮮でした」
桃月「確かにそうですね。一人でベラベラ喋っているシーンとか、部屋でずっとやっていましたし(笑)。ナレーションやモノローグもすごく多かったなと思います」
――最後に、視聴者の皆様へメッセージをお願いします
桃月「『令和に官能小説を作ってます』というタイトルからは想像できないくらい、すごく面白い"お仕事ドラマ"になっていると思います。老若男女、幅広い方に楽しんでいただける作品なんじゃないかなと。私自身、これまで官能小説に触れたことがなかったのですが、この作品に携わる中で、作中に登場する本が実在する官能小説だと知って、撮影の合間に読んでみたんです。そうしたら、意外とすごく面白くて。官能小説に馴染みのない方も多いと思いますが、このドラマをきっかけに少しでも興味を持っていただけたら、官能小説の世界がもっと盛り上がるかもしれないな、なんて勝手に思っています」
徳井「この作品に登場する編集部には、実際にモチーフとなった編集部があって、僕が演じた編集長にも実在のモデルがいます。本当に、そうした方々が日々戦っている現場がベースになっている物語なんです。今の時代って、笑っていいもの・いけないもの、コンプライアンスのセーフとアウト、官能なのかエログロなのか、その境界線がすごく難しくなっていますよね。そうした"境界"について、楽しみながら考えてもらえる作品でもあると思います。1話30分でテンポも良く、非常に見やすいドラマなので、ぜひまずは気軽に1話を観てみてください」
©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
文=HOMINIS編集部
放送情報
「令和に官能小説作っています」
テレビ大阪 2026年1月8日(木)スタート 毎週(木)0:00~
テレビ愛知 2026年1月11日(日)スタート 毎週(日)2:15~
DMM TVにて独占見放題配信
広告付き無料配信サービス「TVer」にて見逃し配信
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