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渥美清が唯一無二の表現力で物語に誘う!「男はつらいよ」の山田洋次監督が脚本を担当した日曜劇場「放蕩かっぽれ節」

2026.2.3(火)

『男はつらいよ』シリーズのコンビ、渥美清が主演、監督の山田洋次が脚本を担当した、日曜劇場の「放蕩かっぽれ節」(1978年)が、TBSチャンネル2で2026年2月7日(土)に放送される。

この作品は古典落語『らくだ』を題材にした人情喜劇。江戸の長屋で嫌われ者のらくだの馬(犬塚弘)がフグに当たって亡くなり、彼の兄弟分・手斧目の半次(若山富三郎)が現れ、長屋の者に香典を出せと暴れだす。そこへやって来たのが大家の放蕩息子・徳三郎(渥美清)で、半次は大家に葬式の酒と肴を出すように徳三郎に伝言させる。もし出さなかったら、馬の死体をかっぽれ節に合わせて踊らせると脅す。徳三郎は父親にそのまま伝言するが、大家はケチで要求をはねつける。半次は馬の死体を大家の店に持ち込み、店内で踊らせて大騒ぎになる。

■「男はつらいよ」でお馴染み山田洋次監督が作り出す作品の世界観

多彩な芸の引き出しを持つ俳優・渥美清の、唯一無二の表現力が堪能できる
多彩な芸の引き出しを持つ俳優・渥美清の、唯一無二の表現力が堪能できる

※番宣写真はモノクロですが、本編はカラー作品です。

山田洋次監督は1966年から『日曜劇場』に年1、2本脚本を書いていて、それらの作品には渥美や倍賞千恵子など、『男はつらいよ』のレギュラー陣がよく出演していた。これもそのうちの一つで、落語ファンだった山田監督は落語の世界を映画化した「運が良けりゃ」(1966年)でも題材の一つに『らくだ』を取り入れている。

半次が馬の葬式の金を引き出すために、死体に踊りを踊らせるのは落語の内容そのままだが、半次の相方に放蕩息子の徳三郎を絡ませたのはオリジナル。渥美は、1973年に山田監督が脚本を書いた日曜劇場作品「放蕩一代息子」でも設定は違うが、大店の息子・徳三郎を演じていて、これはその姉妹編的な色合いも持っている。

この当時の渥美清は、年2回公開のペースだった『男はつらいよ』シリーズにフーテンの寅さん役で主演しながら、前年の1977年には映画「八つ墓村」では名探偵・金田一耕助を、同年7月には『土曜ワイド劇場』の第1作「時間(とき)よ、とまれ」で完全犯罪を崩す刑事・杉山松次郎を演じていて、こちらは『田舎刑事』シリーズとして全3本作られる人気作になった。

1979年にはスペシャルドラマ「幾山河は越えたれど~昭和のこころ古賀政男~」で作曲家・古賀政男を熱演し、テレビドラマの代表作としたが、寅さん以外のイメージを生み出そうと試行錯誤していた時代の一つが今回のドラマだった。

■渥美清による前半と後半のキャラクターの変化が見事!

※番宣写真はモノクロですが、本編はカラー作品です。

この作品では、遊び人の若旦那という風情で小唄を歌い、舌先三寸で周りの人を煙に巻く軽快な雰囲気の前半と、半次と二人で酒を酌み交わし、人が替わったように強気で威勢が良くなる後半のキャラクターの変化が見事。はじめは徳三郎を脅す強面のやくざ者から、酒の席では彼に手を焼いて立場が逆転する半次を演じた若山との掛け合いが絶妙の味わいを見せている。

当時『男はつらいよ』シリーズは20作を超えて、作品のマンネリ化が叫ばれていた頃。ここではその世評に抗うように、多彩な芸の引き出しを持つ俳優・渥美清の、唯一無二の表現力が堪能できる。犬塚弘や桜井センリ、杉山とく子など山田洋次の作品世界を熟知した俳優陣の名演と、『日曜劇場』で山田洋次脚本ドラマの大半を手掛けた宮武昭夫のツボを抑えた演出も素晴らしい、珠玉の作品だ。

文=金澤誠

放送情報

日曜劇場 放蕩かっぽれ節
放送日時:2026年2月7日(土)8:00~
放送チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
出演:渥美清、沢田雅美、柳家小さん、犬塚弘、若山富三郎 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります。