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昭和の名コメディアン・フランキー堺が魅せる"慈悲深さ"を帯びた芝居... 型破りな設定の検事をナチュラルに演じる「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」

2026.2.3(火)

「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」に出演するフランキー堺(写真右)
「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」に出演するフランキー堺(写真右)

フランキー堺が主演を務めたテレビドラマシリーズ「赤かぶ検事奮戦記」は、彼の円熟期の魅力を凝縮した代表作の一つである。本作の放送が開始された1980年代初頭、日本のテレビドラマ界においてフランキー堺という俳優が放つ存在感は唯一無二であった。ジャズドラマーとしてキャリアをスタートさせ、コメディアン、そして映画・テレビなどで幅広い役柄を演じる俳優として、国民的知名度を誇る"大物"であったことは誰の目にも疑いようのない事実だ。

和久峻三の法廷ミステリー小説を実写化した本シリーズで、フランキー堺が演じたのは人情派の検事・柊茂。司法試験を突破したエリートではなく、検察事務官から苦労の末に検事へと昇格した、いわゆる"叩き上げ"の人物だ。

岐阜地検高山支部のたった一人の検事である彼は、法廷で激論を交わす最中、愛妻弁当に入っていた好物の赤かぶの漬物を床にまき散らしてしまったことから"赤かぶ検事"という愛称を拝命する。このエピソード自体が、柊という人物像と、それを演じるフランキー堺の持ち味を象徴している。人懐っこい笑顔と名古屋弁混じりの口ぶりからは、エリート然とした威圧感は皆無で、むしろどこか抜けたところのある親しみやすさが漂う。そんな佇まいで、日々発生するさまざまな事件に向き合っていくのだ。

■ユニークなキャラクター設定をナチュラルに魅せるフランキー堺

フランキー堺のシリアスな雰囲気と、お人好しな笑顔のギャップに注目
フランキー堺のシリアスな雰囲気と、お人好しな笑顔のギャップに注目

(C)松竹

型破りでユニークな設定ながら、その内側には、事務官時代に培った嗅覚と人間に対する深い洞察力を秘めている柊。人間の痛みを見逃さない温かな眼差しも印象的で、フランキー堺はこのキャラクターを決して誇張することなく、日常の延長線上に生きる一人の公務員として丁寧に演じている。法廷ミステリーというシリアスな側面を持ちながらも、柊の佇まいが作品全体に柔らかな空気をもたらしているのだ。

そんな唯一無二のバランスで成り立つ彼の芝居をさらに深掘りすると、"間(ま)"というキーワードが浮かび上がってくる。独特の名古屋弁は、ともすればコミカルになりすぎる危うさを孕むが、その奥にある絶妙な間合いこそが、柊という人物の人懐っこさと老獪さを同時に伝える説得力となっている。

セリフの語尾の上げ下げや、相手を煙に巻くような柔らかなトーンも、まさに"柊らしさ"だ。事件の背景にある人間関係や感情を見逃さない姿勢、そして法廷シーンでの鋭い眼光とお人好しの笑顔のギャップは、フランキー堺にしか表現できない芸当だ。

■フランキー堺にしか演じることができない検事役を見逃すな

このシリーズを通じて描かれるのは、型にハマらない検事の活躍と同時に、法の下で人と向き合い続ける一人の男の姿だ。「幕末太陽傳」での居残り佐平次に見られた、周囲を翻弄しながらもどこか憎めないエネルギー。「私は貝になりたい」の清水豊松役から滲み出た、理不尽な運命に翻弄される小市民の哀しみと誠実さ。それらの動と静の演技が、本作では"慈悲深さ"を帯びた芝居へと昇華されている。

2026年2月9日(月)より、ホームドラマチャンネルにて「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」が放送される。飛騨高山の風情ある街並みと、そこで展開される人間ドラマの密接な絡み合いにも、ぜひ注目したい。

文=川倉由起子

放送情報

赤かぶ検事奮戦記Ⅱ
放送日時:2026年2月9日(月)20:00~
放送チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ(スカパー!)
出演:フランキー堺、春川ますみ、片平なぎさ、森田健作、勝野洋、栗田洋子
※放送スケジュールは変更になる場合があります。