上野樹里のターニングポイントの1つ――矢口史靖監督作「スウィングガール」で光る瑞々しい演技
2026.1.31(土)
2006年に放送され、後に劇場版も公開されるなど大ヒットを記録した「のだめカンタービレ」。奔放な主人公・野田恵(のだめ)を演じた上野樹里は、コミカルかつエネルギッシュな演技の中でも、のだめの音楽に対する純粋さと天才ゆえの孤独も繊細に表現し、実力を世に知らしめた。
のだめ役がその人気を確かなものに決定づけた上野だが、その名が広く知られるようになったきっかけと言えば、2004年に主演した映画「スウィングガールズ」だった。
矢口史靖が監督・脚本を担当した同作。矢口監督と言えば、2001年の「ウォーターボーイズ」で一躍注目を集めたことは周知の事実。男子シンクロナイズドスイミングを題材に、高校生たちの青春を眩しく描いた物語は大ヒットを遂げ、多くの人の心を鷲掴みにした。その3年後に公開された同作は、スウィングジャズに挑戦する女子高生たちの奮闘を描く青春音楽コメディ。なりゆきでビッグバンドジャズを始めることになった平凡な女子高生たちが、音楽の魅力に気付き、次第にのめり込んでいく過程を映し出している。
東北の田舎町にある高校に通う鈴木友子(上野)ら13人は、夏休みに補習授業を受けていた。ある日、教室を抜け出す口実のため、友子たちは野球部の応援に行った吹奏楽部員の弁当を試合会場まで届けることに。しかし、炎天下で運んだせいで弁当は傷み、それが原因で吹奏楽部員たちが腹痛や吐き気で倒れてしまう事態に。唯一無事だった部員・中村拓雄(平岡祐太)は、次の試合の応援のため、演奏してくれる人を募る。そうして集まった友子、斉藤良江(貫地谷しほり)、関口香織(本仮屋ユイカ)ら計17人のメンバーで、即席のビッグバンドを結成することとなる...。
■音楽の魅力に気付き、のめり込んでいく...その過程を上野樹里がフレッシュに好演
(C)2004 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通
当初の彼女たちは"補習をサボる口実"という不純な動機でビッグバンドに参加し、楽器ができないのはもちろん、楽譜を読むことすらできず、やる気もない。しかし、次第に音楽の魅力に気付き、のめり込んでいく過程が見どころだ。
上野演じる友子は特に、何事も思い付きで行動し、真っ先に不満を口にするタイプ。「ジャズっておっさんのやるもんだべ」と文句を言い、テナーサックスに息を吹き込んで「ほっぺた痛い...」と弱音を吐き、「何か詰まってんじゃねえの?」と、音が鳴らないのも楽器のせいにする始末。しかし、音楽の楽しさに気付いた瞬間、彼女の瞳はたちまき輝き、表情はキラキラしたものに変化する。そんな姿を、上野が生き生きと演じているのが印象的だ。少女たちが次第にジャズに夢中になっていく姿には、胸が熱くなる。
「ウォーターボーイズ」を含め、青春のまばゆい部分だけではなく、その側面の衝突や葛藤などの泥臭さを丁寧に描き出すのは、矢口監督の手腕。等身大の女子高生たちが映し出すのは成功の物語や才能の開花ではなく、"上手くいかなくてもいい"、"それでもがむしゃらにやる"姿だからこそ、多くの人の背中を押してくれる。
上野は本作で第28回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、前述の「のだめカンタービレ」を始め、「ラスト・フレンズ」や大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」、「グッド・ドクター」、「監察医 朝顔」など数々の話題作に出演し、俳優として確かな存在感を放ってきた。
劇中の演奏シーンは、数ヶ月に及ぶ猛特訓を重ね、吹替えなしで撮影されたという。上野にとってターニングポイントであると同時に、貫地谷、本仮屋、平岡らが若手俳優として注目を集めるきっかけにもなった本作。今なお色あせない青春映画として、ぜひ改めて味わってほしい一作である。
文=HOMINIS編集部
放送情報
スウィングガールズ
放送日時:2026年2月14日(土)14:00~、3月3日(火)17:20~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:上野樹里 貫地谷しほり 本仮屋ユイカ 平岡祐太 ほか
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