天海祐希が体現する、強さと背中合わせの脆さ...余命わずかの母親役に挑戦した「ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏」
2026.1.30(金)
劇場版「緊急取調室 THE FINAL」が公開され、2014年の放送開始以来、主演を務めてきた人気シリーズが完結となった天海祐希。"生き方も含めてカッコいい女優"としてトップを走り続けている天海が2004年に主演し、多くの人を感涙させたドラマ「ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏」が日本映画専門チャンネルで2026年2月9日(月)・10日(木)に放送される。
同年、天海は「離婚弁護士」にも主演。翌年には「離婚弁護士II~ハンサム ウーマン~」が放送され、颯爽とした弁護士を演じた。本作の主人公、平木明日香はバツイチの建築士。育児を元夫の小田聡(佐々木蔵之介)に託し、娘の歩(福田麻由子)を置いて、キャリアアップすることを選択した女性だ。
そんな過去に気持ちの整理をつけ、建築事務所でバリバリ働く明日香を突然襲ったのが、病魔だった。診断はすい臓がんで余命3ヶ月。明日香は誕生日プレゼントを送ったものの、この2年顔を見ていなかった歩に会いたいと思うが、恋人、有里(永作博美)がいる聡に拒絶される。姉御肌で人に弱みを見せない主人公には天海らしさもあるが、病気のことを誰にも言えず、残された時間が短いことを知って母親として覚醒していく過程を丁寧に表現した演技はアナザーサイドを浮かび上がらせる。
なお、天海と佐々木は「離婚弁護士」、劇場版"キントリ"でも共演、歩役の福田とは2005年の「女王の教室」でも共演した。
■余命宣告をされ、初めて娘と向き合う天海の演技が刺さる
母になる自覚が薄いまま出産した明日香を、自分勝手な女だと思いながらシングルファーザーとして奮闘してきた聡。母に会いたくても我慢してきたひとり娘の歩は、自分の本当の気持ちを言えない無口な小学生になっていた。欲しいプレゼントを聞かれ、なんでもいいと答え、有里に会ってほしいという父に無表情で「いいよ」と答える。
偶然、事情を知ってしまった明日香の若い恋人、蓮太郎(要潤)は反対されても会いにいくべきと背中を押し、明日香は高級なバースデーケーキを買い、かつて自分が住んでいた家の前で立ち尽くす。有里と3人でケーキを囲んでいた歩だけが母の気配に気づき、裸足で外に飛び出すが、すでに明日香の姿はない。狼狽する有里は、母親が出ていったのは自分のせいだと歩が自分を責め続けていることを知り、思い悩む。
本作が感動を加速させるドラマになっているのは、迷惑をかけたくないあまり虚勢を張り、周囲の心配に気がつかない女性を演じた天海、熱い性格で娘をいちばんに思っているが、人の気持ちに鈍感な元夫を演じた佐々木、そして、生い立ちから心を閉ざした娘を演じた福田が愛によって成長していく過程を演じた物語でもあるからかもしれない。
■儚いからこそ、永遠の輝きを放つひと夏を刻んだ名ドラマ

病気のことを誰にも打ち明けられない明日香の変化に最初に気づく父親(平泉成)は、それとなく夏祭りに歩を連れて遊びに来るように誘う。蓮太郎、有里、事務所の後輩。来実(須藤理彩)の計らいによって、母娘はついに二人だけの時間を過ごす。
何が食べたいか聞くと「なんでもいい」と答える歩を「ちゃんと選ばないとダメだ」と叱り、家を出た理由を涙ぐみながら打ち明ける天海のまなざしは母親そのもの。笑顔を取り戻す娘と過ごす夏が儚い幸せだと知っているからこそ、心は引き裂かれるが、蓮太郎や会社の上司(松重豊)など心配はするが、詮索しない周囲の優しさにも気づき、やわらかな笑顔を見せるようになる。
明日香にバカがつくほどお人好しと言われる有里を演じた永作との激しい芝居の応酬も見どころであり、強さと背中合わせの脆さを表現した天海の演技は、たとえ生命が尽きても消えない眩しい光のようだ。回を追うごとに感動が増すストーリーを最終回までじっくり噛み締めてほしい。
文=山本弘子
放送情報
ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏(全11話)
放送日時:2026年2月9日(月)・10日(火)19:30~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル(スカパー!)
出演:天海祐希
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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