ソバージュヘアで微笑み、猫と戯れる...小泉今日子が自然な佇まいで作り上げた心温まる物語「グーグーだって猫である」
2026.1.22(木)
今年2月の誕生日で還暦を迎える小泉今日子。1月24日(土)からはこれを記念した全国ツアー「KK60 〜コイズミ記念館〜 KYOKO KOIZUMI TOUR 2026」を開催。5月2日(土)、3日(日)には、日本武道館で公演を行う予定だ。1980年代に新しいアイドル像を切り開いた"キョンキョン"は、今なお世代を超えて支持されている。
当時から歌手のみならず、役者としても活躍していた小泉。近年では、2012年に中井貴一とW主演を務めた「最後から二番目の恋」がヒットし、人気シリーズに。2025年4月には「続・続・最後から二番目の恋」も放送され、年齢を重ねても魅力的な小泉の姿を改めて視聴者の心に焼きつけた。前作から約11年ぶりの「続・続・最後から二番目の恋」では千明も"アラ還"になり、テレビ局での仕事は続けながら、そろそろ定年という言葉もチラつく頃。小泉は11年を経た"変化"を表現した方が自然だという考えのもと、自らグレイヘアで出演することを提案したという。生きていれば年をとり、しわもできる。時間の流れに無理をして逆うようなことはなく、それでいて遊び心を失わないナチュラルな生き方が千明という役の中にも滲んでおり、それがまた"キョンキョンらしさ"に繋がっていくとともに、女性からも"素敵"、"チャーミング"と愛され続ける所以なのではないかと思う。
(C) 2008 「グーグーだって猫である」 フィルム・コミッティ
そんな小泉が2008年、40代の頃に主演を務めたのが、犬童一心がメガホンをとった「グーグーだって猫である」だ。漫画家・大島弓子の自伝的エッセイを映画化した本作で、小泉は天才漫画家・小島麻子を演じた。長年、一緒に暮らしていた愛猫のサバを亡くした悲しみを経て、新たな子猫・グーグーと出会い、ともに暮らし、変化していく日常を描いた物語の中で、小泉はシャイで不器用な主人公・麻子になりきっている。小泉自身、大島の漫画の熱狂的なファンで、大の猫好き。並々ならぬ思い入れを持って役に臨んだことが作品の端々から伝わってくる。柔らかでどこか浮世離れしている麻子の感情の機微を、細やかに表現した小泉の演技が新鮮だ。
■纏う空気感をガラリと変える小泉今日子の魅力
(C) 2008 「グーグーだって猫である」 フィルム・コミッティ
売れっ子漫画家の麻子は吉祥寺で暮らし、ナオミ(上野樹里)を始めとする4人のアシスタントを抱えながら、徹夜も当たり前の多忙な日々を送っていた。そんな時に相棒のサバが天国に旅立ち、麻子はショックから漫画が描けなくなってしまう。「最後から二番目の恋」の千明が部下から頼りにされる姉御肌と言うならば、本作の麻子は真逆で、アシスタントから心配されるタイプ。特に彼女を気にかけているのは、学生時代に麻子の漫画を読んで人生が変わるほどの衝撃を受けたナオミ。つかず離れずの距離で、麻子の人生にエールを送り続ける。
サバとの最期の別れの時もアシスタント全員が号泣している中、ひとりだけ涙を流せなかった麻子は、後に子猫のグーグーと運命的な出会いを果たしたことによって青年・青自(加瀬亮)とも知り合い、徐々に自分を取り戻していく。言葉数は少なく、楽しい時も悲しい時も微笑みを浮かべている主人公を、小泉がファンタジーと現実の境目を生きているような不思議な雰囲気を纏って表現している。
■時折見せる達観したような表情が、美しすぎる
(C) 2008 「グーグーだって猫である」 フィルム・コミッティ
青自にごはん粒がついていると指摘され、ソバージュヘアを焦って確認する天然なところがある麻子。グーグーと一緒に過ごし、土の上に寝転がって空を見上げる場面では、「サバのこと考えているでしょ?」と指摘されて、穏やかな表情を見せる。どこか達観したような微笑みは現在の小泉に通じるところがあり、小島麻子という少女漫画家と小泉今日子というひとりの女性の境界線が消えるような感覚に陥ったりもする。
シュールで切なくも、主人公を取り巻く猫や周囲の人たちの愛情に心温まる本作。小泉の人生観や深みが垣間見える演技とともにじっくり味わってほしい。
文=山本弘子
放送情報
グーグーだって猫である
放送日時:2026年1月22日(木)21:30~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:小泉今日子/上野樹里/大島美幸(森三中)/村上知子(森三中)/黒沢かずこ(森三中)/林直次郎(平川地一丁目)/加瀬亮 ほか
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