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"異色作"『ヒグマ‼』の世界観に飛び込んだ鈴木福――闇バイトとヒグマをつなぐ脚本の妙

2026.1.20(火)

2026年1月23日(金)に公開予定の映画『ヒグマ‼』。現実のクマ被害への配慮から一度は公開延期となっていたが、時期を改めてついにスクリーンでの上映が決まった。

闇バイトに加担したことで想定外の恐怖へ巻き込まれていく大学生・小山内蒼空(おさないそら)を繊細に演じるのは鈴木福。社会問題と自然の脅威を融合させた内藤瑛亮監督の異色作に、彼はどう挑んだのか――。その言葉を通して、本作の裏側に迫った。

――脚本を読んでの感想をお願いします

「闇バイトとヒグマという組み合わせと、『ヒグマ‼』というタイトルのインパクトの強さに惹かれました。僕は内藤監督の『ミスミソウ』を観ていたので、内藤監督作品として、佐藤圭一郎さんがプロデューサーとして関わるとどう仕上がるのか興味がありました。また、主演のオファーをいただき、マネージャーからもスタッフの皆さんの『福でやりたい』という思いが強いと聞いて、是非やりたいと思いました。

――タイムリーな社会問題を扱っていますが、その点についてはどう思われましたか?

「闇バイトは本当に、この話をいただいた時はピークくらいだったんですよ。ヒグマ自体もここ数年、温暖化の影響もあってクマが人里に下りてくることが多いというのは知っていたので、『こんなにタイムリーなことをやるんだ!?』と驚きましたし、企画書を見たときも『なにこれ?』と思いました。そんな闇バイトとヒグマという一見関連性のない目を引く2つのテーマではあるんですけど、物語としてすごく綺麗に繋がっているのが面白いと思いました」

(C)2025映画「ヒグマ!!」製作委員会

(C)2025映画「ヒグマ!!」製作委員会

――内藤監督とは今回ご一緒されてみていかがでしたか?

「僕が最初にイメージしていたよりも、台本も実際現場での芝居もポップに進んでいったので、今までの監督のイメージとは違う作品になるんだなというのを現場でも感じていました。あと、やはり監督は血が出てくるとすごく前のめりにいろいろやってくださって。僕の血糊もそうですけど、 "ワンダーキングダム"という看板に血をプシャーっと描くシーンは、監督自らが血糊を含んで"プシャー!"とやっているんです。監督がやることなすことが完璧で、見せてくれる芝居のイメージとか、ちょっとしたことも含めて面白くて楽しかったです」

――演じる上で気を付けたことや、この作品に参加する上で意識したことを教えてください

「まず、ヒグマの映画はどんな感じなのかを知るために、 (レオナルド・)ディカプリオの『レヴェナント:蘇えりし者』や『コカイン・ベア』、真田広之さんがメインで出演されていた熊が出てくる昔の映画など、熊の作品を何本か見ました。他にもYouTubeで実際のヒグマの映像や、スプラッターやホラー映画を見て『こういう表情なのかな』とヒグマと対峙した時の表情や反応を研究しました。
主人公の小山内は、台本から憎めないキャラクターだと感じました。闇バイトをしてしまうという経緯も含めて、可愛らしさもあるし、見ていて笑ってしまうような部分もある。ヒグマが出てきてからは生存という部分に意識が向きますが、それでも人間らしさを失わない。お母さんを『ママ』と言いかけて『母』と言い直すなど、大人になろうとしている年頃の青年を表現しました。物語は短い時間軸ですが、その中での彼の成長も意識しました」

(C)2025映画「ヒグマ!!」製作委員会

――演じられた役柄と似ていると感じる部分はありましたか?

「ポジティブなところですね。小山内はネガティブに入ってもそこで何もしないという選択をせず、行動を起こして次に立ち向かう力を持っている子だと思います。僕も割とポジティブで、嫌なことがあっても『よし』と切り替えて次に進むタイプなので、そういう部分は似ていると思います。あとはこだわりの部分かな。彼はゲームが得意で、僕自身は仮面ライダーや野球が好きで、オタクレベルに詳しかったりするので、何かにのめり込む感覚は共通しているかもしれません。ただ、母親と一緒にゲームをするという設定はありましたが、実際の僕は母とゲームをすることはないので、その点は違いますね」

――雪山のシーンが多くありましたが、特に印象的なシーンや、苦労したシーンはありますか?

「そうですね、いっぱいあります。皆さんと、夜ご飯を食べたのも楽しかったですし、ケータリングでご飯を出していただいたので、温かいごはんが食べられたことも喜びでした。あと、シーンの撮影でいうと、臓物が飛んでくるというカットは、人生でもなかなか経験できないことだったので印象に残っています。その結果として偶然生まれた顔血まみれのビジュアルなど、ハプニングから作品の良さが生まれた瞬間もありました。大変だったのは、ヒグマに襲われるシーンはすべてナイターで撮影していたことです。日没から朝までが勝負で、4日間ほど昼夜逆転の生活をしていました。その間に『ZIP!』などの他の仕事もあったりして、スケジュール的なバランスが大変でしたね。ちょうどMLBの東京シリーズの開幕の頃だったので、取材に行きながら撮影もしていました」

――作品の見どころやメッセージをお願いします

「不思議な映画になっていると思います。闇バイトやヒグマという時事ネタ的な要素もありますが、ただ何が起こるか分からないというだけでなく、キャラクターたちを楽しんでほしいです。僕たちも誠心誠意をもって演じているということは知ってほしいですね。見た人それぞれが、自然との向き合い方や命の重さ、自己との向き合い方を少しでも考えるきっかけになればと思います。

また、この作品の特徴的なのは、今の時代にあえて昔の撮影技法で作られている点です。CGではなく造形のヒグマを使い、アナログ的な撮影方法を採用しています。それが逆に新しさになっていると思います。今という時代に、あえて今じゃない方法でやっているからこそ面白いのかもしれません」

(C)2025映画「ヒグマ!!」製作委員会

文=HOMINIS編集部

(C)2025映画「ヒグマ!!」製作委員会
映画「ヒグマ!!」公式サイトはこちら

公式X:@HigumaMovie
公式Instagram:@higuma_movie
公式TikTok:@higuma_movie

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