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沢城みゆき、歌舞伎に恋する。"5列目"から覗く粋な世界【#推シゴトーク】

2026.12.29(月)

沢城みゆきが恋してやまない、粋なもの
沢城みゆきが恋してやまない、粋なもの

2026年1月4日(日)より放送開始するTVアニメ『違国日記』に出演する沢城みゆき。

沢城は、アニメ『デ・ジ・キャラット』のオーディションで審査員特別賞をし、14歳で声優デビュー。『HUNTER×HUNTER』クラピカ役や『ルパン三世』峰不二子役 (三代目)、『ソードアート・オンライン』シノン役、『鬼滅の刃 遊郭編』堕姫役など、広い声域と高い演技力でさまざまなキャラクターを演じ分ける実力派声優として知られている。今回の『違国日記』では"人見知りの少女小説家"高城槙生役を務めている。

今回は、そんな彼女の"推し"ているものについて、語ってもらった!

――いま推しているもの、ハマっているものは?

「歌舞伎です」

――歌舞伎との出会いはいつですか?

「最初に観に行ったのはスーパー歌舞伎です。高校生くらいの時に、二代目市川猿翁さんが演じられていたものを、役者仲間の方に『見ておくといい』ということで連れて行っていただきました」

――初めて観た時の感想は覚えていますか?

「分かりやすく、"スーパー"がついている部分に迫力を感じました。水が出るとか、飛んだりする演出に圧倒されたのもあるんですけど、やっぱり貫かれたのは、その奥にある歌舞伎の粋な部分で。親子が最後花道にはけていくシーンで、息子は生き残ったんですけど、父親は死んでしまって。2人で花道をはけていくのかなと思いきや、息子を少し見送った後に、お父さんだけは手を振って奈落へ下がっていくんですね。あそこって人間以外の役人しか通常は出入りできないらしくて。その粋な演出を見た時に『うわぁ...!』って思ったことだけは今でも鮮烈です。『なんて粋な演出!』って。たぶん、歌舞伎の中にある"香り"に一番ノックアウトされたんだと思います」

――言葉じゃなく、表現する部分に惹かれたんですね

「そうなんです。今年1年間行ってみて分かったんですけど、5列目までは"同感"、5列目から10列目までは"共感"、2階席だと"観劇"だと思っていて。やっぱり5列目から前で見ると、役者さんの目の中が分かるんですよ。目の中で動いている歌舞伎が分かる。もちろん、型のカッコよさはどの席からでも分かると思うんですけど、目の中にあるものは、やっぱり5列目から前じゃないと分からない。ただ、いろいろ試してみて分かったんですけど、2列目から前は"出演"になってしまうことに気がついて(笑)。舞台袖が見えると、なんか自分も本番の気持ちになってきちゃって。もうちょっと後ろがいいなって」

――すごい沼ですね。本当に知れば知るほど、という感じです。歌舞伎のどんなところに一番惹かれていますか?

「たぶん、一番最初にふらふらと歌舞伎座へ向かってしまったのは、受け継がれてきている確かなものと、受け継いでいくロマンみたいな、歴史があるものの中にいることへの羨ましさ。受け継がれるほどの技術に触れたい、それに癒されたいっていう気持ちだったと思います」

――楽しみ方も変わってきたのでしょうか?

「最初は、自分の仕事柄、どうしても『どういうお芝居をしてるんだろう』っていうことに気が向いてたんですけど、だんだん自分がファッションに興味が出てくると、急にお着物のことにグッと気が向くようになりました。結構攻めているんですよ。異素材ミックスみたいな時もあったりして、『え、こんな組み合わせもありなんだ!』みたいな、とてもモダンなことに気が向くようになったり。『そっか、歌舞伎ってまずお衣装が素晴らしいんだ!』ってことを最近はすごく楽しみながら観ています。

あと、『師匠はこう演じていたけれど、今その弟子にあたる方はどう演じるのだろう?』といったところにも注目するようになりました。今年は襲名もありましたし、学校に行きながらゲームもしたいだろうに、たくさんお稽古をしたであろう、今の一番若い世代の歌舞伎役者さんたちの白波も見られたりして。推しポイントが結構いっぱいあるんだってことに気がつきました。これが"沼"なのかな?(笑)」

――まだ観に行ったことがない人からすると、少し敷居が高いイメージがあるかもしれません。これから観てみたいという方に、楽しみ方を布教していただけますか?

「5列目から前で見てくれれば大満足で帰れると思います。なぜかというと、本当に時を経て残る価値のある受け継がれてきたものを今燃やして、舞台上に...言うなれば"社会人"が立っているんですね。こんなエネルギーで働いている人がいるのだということに毎回感動してしまいます。それを見るだけで十分価値があるというか。一流のものってジャンルや言語を飛び越えてくるから、あんまり心配ないんじゃないかと...。もちろん、歴史や物語を分かっているからこそより楽しめるものもあると思いますが、まず圧倒されたらいいと思うんです。一応"イヤホンガイド"というものもあるんですけど、理屈で『なるほど、そういう意味なんだ』って分かるよりも、近くで見て『うわぁ、なんかすごい』っていう子供みたいな楽しみ方が、歌舞伎はできるような気がしています」

――とにかく、ポイントは「前で観てほしい」と

「はい。ちょっとでも興味があるようでしたら、前から5列目までで...!ぜひ、目の中が見える距離で観ていただきたいです!」

TVアニメ『違国日記』
TVアニメ『違国日記』

(C)ヤマシタトモコ・祥伝社/アニメ「違国日記」製作委員会

文=HOMINIS編集部

TVアニメ『違国日記』オリジナル・サウンドトラック
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PV
■PV 第2 弾公開!

■PV 第1 弾公開!
■ティザーPV 公開!

公式X:@ikoku_anime
公式Instagram:@ikoku_anime_official

放送情報

TVアニメ『違国日記』
2026年1月4日(日)よりTOKYO MX、ABCテレビ、BS朝日、AT-Xにて放送開始