これぞ劇場版ライダー作品の原点!本郷猛と佐々木剛が演じる1号&2号の共闘が熱い!「仮面ライダー対ショッカー4Kリマスター版」
2026.12.29(月)
「ウルトラマン」と並ぶ特撮ヒーローの原点である「仮面ライダー」は、1971年に放送が開始された。現在も続く仮面ライダーシリーズでは、通常のテレビシリーズと共に劇場版が製作されるのが恒例となっているが、劇場版の原点と言えるのが、1972年春の「東映まんがまつり」で公開された「仮面ライダー対ショッカー」である。今回東映チャンネルで、美しく高画質化した4Kリマスター版が放送されるが、ここで改めて本作の見どころをご紹介したい。
■短編映画ながらも28体の再生怪人が大挙して登場!
本作は、主人公が仮面ライダー2号/一文字隼人(佐々木剛)から、仮面ライダー1号/本郷猛(藤岡弘)に再交代する時期に制作された。ダブルライダーのそろい踏みという点に加えて、劇場版独自のポイントも多い。新たな怪人ザンジオーを中心に、過去に倒された怪人28体が大挙して再登場するほか、本郷猛の新しい変身ポーズが初披露された(旧1号編は変身ポーズなし)。また、いわゆる「新1号編」から登場するショッカー戦闘員の新コスチュームも本作で初めてお目見えしている。
(C)石森プロ・東映
悪の組織ショッカーの死神博士(天本英世)は、地質学者大道寺博士(伊豆肇)が開発した人工重力装置GXの設計図強奪を狙っていた。ショッカーはGXを使って地軸を狂わせ、大洪水を起こす計画だったが、設計図は不完全で、肝心の方程式が含まれていなかった。大道寺博士は悪用を防ぐべく、不測の事態に備えて娘の珠美(斎藤浩子)に預けていたのだ。計画を察した一文字隼人と滝和也(千葉治郎)、さらに本郷猛が駆け付けるも、珠美はザンジオーに誘拐されてしまう...。GXがショッカーの手に渡れば地球は危ない。ダブルライダーは決死の奪還に向かう。
32分の短編作品ながら、スリリングなストーリーに加えて、前述した通りに過去の怪人が勢ぞろいするとあって、ファンには見どころが満載。特に珠美と設計図の方程式を交換する死神博士を援護するため、崖の上に28体の怪人が出現して1体ずつ名乗りを上げるシーンは名場面だ。このシーンはイタリア映画「ヘラクレス」(1958年公開)での城塞に軍団が立ち並ぶシーンをイメージしたとされている。ムカデラス、エジプタス、アルマジロング、ドクガンダーといった2号ライダー編に登場した怪人を中心に、蜘蛛男、蝙蝠男、さそり男、サラセニアンらの旧1号ライダー編の怪人たちが登場するのもファンには胸アツだ。なお、怪人たちが撤退する場面をよく見ると、かまきり男、サボテグロン、ピラザウルス、トカゲロン、アリガバリ、ハエ男など名乗りの場面に不在だった怪人の姿も確認できるので、注視されたい。
(C)石森プロ・東映
■シリーズ屈指の人気悪役「死神博士」も登場する
撮影中の事故によって藤岡が負傷したことで、一文字隼人を演じる佐々木への主役交代がなされたが、本作は仮面ライダー新1号編への橋渡しの役割を果たした作品と言える。本作の後にもダブルライダーが共闘する場面は何度か見られるが、旧1号のコスチュームと2号が揃うのは本作独自のポイントであり、その意味でも貴重な映像だ。また、本郷がザンジオーに奪われそうな珠美の人形を手元に引き寄せる超能力を発揮する場面など、シリーズ本編で描かれていない特殊能力が披露される点も見どころと言える。本郷&一文字の息もピッタリで、公開当時はダブルライダーのカッコよさが全国の子供を興奮させた。
佐々木と藤岡は劇団NLTの同期で友人だったため、一度はライダー役のオファーを断っている。藤岡の役を取るのに抵抗があったらしいが、藤岡の復帰までという条件付きで出演した。千葉治郎は千葉真一の実弟で、仮面ライダー以外にも「ロボット刑事」や「アクマイザー3」など特撮作品や時代劇で活躍。企画段階でライダー役の候補にもなり、2号役で起用しようというプランもあったが、実現しなかった。脇役ではあるが、兄が率いるJACで鍛えたアクションは本物で、演技も上手く、画面映えする俳優だった。
天本英世演じる死神博士は、シリーズ中の悪役で屈指の人気を誇るキャラクター。本人はこの役に思い入れがあったものの、死神博士ばかり強調して自身を語られることを嫌った。そんなメディアの態度を批判しただけで、彼はこの役を心底愛しており、ファンに依頼されれば死神博士の似顔絵入りでサインに応じていた。大道寺博士役の伊豆肇は、東宝の二枚目スターを経て、後年は特撮作品の博士役を得意とした。特に有名なのが「人造人間キカイダー」の光明寺博士役である。また、ザンジオーの声を演じた辻村真人は、仮面ライダーシリーズの怪人役に欠かせない声優で、かまきり男、ドクガンダー、ムササビードル、ナメクジラ、カメストーン、ドクモンなど数多くを担当。V3,Xライダー、ストロンガーに至るまで人気怪人の声をあてている。
特撮ファンにはたまらない要素が満載の映画「仮面ライダー対ショッカー」。本編と同時進行で撮影されたため、スタッフや出演者は非常に厳しいスケジュールが組まれて、現場は過酷だったらしい。しかし、そんな裏事情をまったく感じさせない出来栄えで、満足度は高い。4Kリマスターで蘇ったことで、より価値が高まったと言える。令和の若い仮面ライダーのファンたちにも、黎明期の息吹のような本作の力強さを感じ取ってもらいたいと思う。
文=渡辺敏樹
放送情報
仮面ライダー対ショッカー 4Kリマスター版
放送日時:2026年1月2日(金)17:00~
放送チャンネル:東映チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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