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若かりし頃の柳葉敏郎×沢口靖子の風格溢れる演技と存在感!真田広之・かたせ梨乃ら豪華俳優陣との共演も「TBS新春大型時代劇スペシャル『天下を獲った男・豊臣秀吉』」

2025.12.27(土)

戦国時代、足軽から天下人まで上り詰めた豊臣秀吉を、柳葉敏郎が軽快に演じたTBSの新春大型時代劇シリーズ第7弾「天下を獲った男・豊臣秀吉」(1993年)が放送される。この作品は今川家の足軽として、当時今川の人質になっていた徳川家康(三浦友和)と知り合ったのちの秀吉こと木下藤吉郎(柳葉)が、やがて侍として頭角を現し、織田信長(世良公則)の家臣になって、天下人として大阪城を築くまでを描いている。

通常の豊臣秀吉ものでは、織田信長との主従関係から彼の出世物語が描かれるが、ここでは徳川家康との関係性に力を入れているのが異色。また秀吉の信長の妹・お市や愛妾・茶々に対する愛情もクローズアップされていて、お市と茶々を沢口靖子が二役で演じているのも見どころだ。他にも大型時代劇らしく十朱幸代や真田広之、岩下志麻、名取裕子、かたせ梨乃といった豪華な出演陣が脇を固め、明石家さんまが足軽の組頭を演じるなど、バラエティに富んだキャスティングになっている。

■柳葉敏郎は俳優としての成長期に出演。存在感を見せた

柳葉敏郎と沢口靖子のフレッシュかつ堂々とした演技に注目!
柳葉敏郎と沢口靖子のフレッシュかつ堂々とした演技に注目!

(C)東映

柳葉敏郎は「君の瞳をタイホする!」(1988年)を始めとして、「ハートに火をつけて!」(1989年)、「愛しあってるかい!」(1989年)などのトレンディドラマで活躍。その後は人情に篤い、不器用な性格のテキ屋を演じた「ホットドッグ」(1990年)や、浅野ゆう子とW主演で夫婦の愛を描いた「親愛なる者へ」(1990年)で大人の俳優として着実に力をつけ、大河ドラマ「太平記」(1991年)にも出演を果たした。

今回のドラマの後には、1997年に始まる『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次を当たり役にしたが、あの貫禄ある存在感へと行きつく前の俳優としての成長期に、巡り合ったのがこの豊臣秀吉役だった。

また沢口靖子は東宝シンデレラに選ばれて注目された1980年代の美少女時代を経て、90年代には大河ドラマ「太平記」(1991年)で主人公・足利尊氏の正室・赤橋登子を演じ、ホテルウーマンになるべく、かつての恋人の妻と熾烈な企業戦争を繰り広げるシングルマザーを演じた「ホテルウーマン」(1991年)などに主演して、大人の女優として芸域を広げていた。

■沢口靖子の風格溢れる演技にも注目

(C)東映

彼女もまた、1999年に始まる『科捜研の女』シリーズで榊マリコという当たり役に出逢うのだが、そこに行きつく前に演じたこのドラマでの戦国時代の女性像には、ある種の風格が漂っている。彼女がここで、母親のお市と娘の茶々を、どのように演じ分けているかにも着目してもらいたい。

彼ら二人に秀吉とある種の友情で結ばれる家康役の三浦友和も加えて、作品には現代的なフットワークの軽さがあり、時代劇を見慣れていない視聴者にも面白い娯楽作になっている。ただスタッフには中島貞夫監督、脚本の高田宏冶などベテラン勢が起用され、本格派の時代劇としてしっかりした作り。柳葉敏郎と沢口靖子が脂の乗り切った時代に、時代劇の聖地・東映京都撮影所のスタッフたちとコラボレーションした、見応え十分な大作ドラマだ。

文=金澤誠

放送情報

TBS新春大型時代劇スペシャル「天下を獲った男・豊臣秀吉」
放送日時:2026年1月3日(土)11:00~
放送チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ(スカパー!)
出演:柳葉敏郎、沢口靖子、十朱幸代、財前直見、世良公則、鷲尾いさ子、真田広之、岩下志麻、三浦友和、名取裕子、野村宏伸、かたせ梨乃、明石家さんま、江藤潤、本田博太郎、橋爪淳、宮沢風太郎、隆大介、高橋悦史、菅井きん、長門裕之、ジミー大西、下川辰平、田中浩、品川隆二、鹿内孝、夏夕介、秋篠美帆、中野みゆき、菅貫太郎、西川弘志、真実一路、山口粧太、武野功雄、正城慎太郎、児島宏章 【ナレーター】陣内孝則
※放送スケジュールは変更になる場合があります。