ドラマ『人間標本』市川染五郎が初対面で伊東蒼のことを「怖い」と言った理由
2025.12.18(木)
『告白』『母性』『ユートピア』など数々の衝撃作を世に放ち続けるベストセラー作家・湊かなえ氏の小説『人間標本』が実写映像化。ドラマシリーズとして、12月19日(金)よりPrime Videoで世界配信される。(全5話/一挙配信)。
そのテーマは【親の子殺し】というセンセーショナルなもの。蝶の研究者である榊史朗(さかき しろう/西島秀俊)が、息子・榊至(さかき いたる/市川染五郎)を含む6人の少年たちを殺害し「人間標本」にしたと衝撃の告白から始まる、禁断のミステリーサスペンスだ。
今回は、市川染五郎、そして宮沢りえ演じる有名画家の一之瀬留美(いちのせ るみ)の娘・一之瀬杏奈(いちのせ あんな)を演じた伊東蒼の2人にインタビュー。撮影中の思い出などを中心に話を聞いた。
――非常にセンセーショナルな作品ですが、原作、もしくは脚本を読んだときの感想を教えてください
伊東「読んでいくうちにすべての登場人物の印象がどんどん変わっていく感じが、すごくおもしろいなと思いました。この人の本当の顔、本当の性格は、どこにあるんだろうと思いながら。読み終わった後は、自分の中で考える時間がすごくありましたね。ミステリーがとても好きなので、好きなジャンルの物語でしたし、あっという間に読んでしまいました」
染五郎「原作と脚本を読んで、数か月ある撮影期間中、この作品の世界観にずっと集中力を保ったまま存在できるかという不安はありました。1人1人の人物について細かく役をイメージしやすかった部分もあれば、現場に入って新しく気付くこともあって。とてもおもしろかったです。それからグロテスクなものを美しく見せてしまうような部分にもとても惹かれました。原作では目を背けたくなるようなシーンもあるのですが、読みだしたら止まらない作品だったので、今回の映像化もそうなっているんじゃないかと思います」
――ご自身が演じた役については、どのように解釈しましたか
染五郎「至は、とても純粋でまっすぐな人、それでいて狂気、人間のドロドロしたところが心の奥底に眠っているようなキャラクターだなと思いました。もともとがまっすぐで純粋だからこそ、ふとした瞬間にそういう部分が表れやすい人物だな、と。心の底から悪い人っていうことではなくて、人間味があるところは魅力的だなと思いました」
伊東「杏奈は私からだいぶ離れたところにいて、怪しいとか恐ろしいっていう言葉のほうで役作りをしてみました。ただ、実際に撮影が始まって、(舞台となる)山奥の別荘で(宮沢)りえさんや染五郎さん、皆さんとお芝居をする中で杏奈としてもプラスの気持ちというか、みんなと話していてこの空間が好きだとか、楽しいという気持ちも当たり前に芽生えるだろうなって思ったり、だからこそ、その後のシーンの1つ1つがまた違った辛さだったり、悲しさだったりを帯びてくるなとも思いましたね。撮影に入ってから、私の中での杏奈像は変わっていきました。原作を読んでいた時よりも柔らかくなったし、より人間味を帯びた人になったかなと」
――お互いの印象を教えてください
染五郎「本読みの時に、初めてお会いしたのですが、怖かったですね」
伊東「え?怖いですか?」
染五郎「伊東さんご自身がということではなくて、役者として圧倒されたという意味で(笑)。セリフも怖かったので、隣に座っていて"うわぁ、存在感がすごいな"と思いました」
――本読みが始まって一気に印象が変わったということでしょうか?
染五郎「撮影期間中もそうでしたけど、スイッチを意識的に入れていらっしゃるように見えたんです。その切り替えはすごいなと思いました」
伊東「どうですかね...すごくあったかい現場だったので、その後に杏奈が取る行動に対して1週間前から夢を見て"嫌だな"と思っていました。そういう意味では、引きずるタイプなのかなと」
――伊東さんから見た染五郎さんの印象も教えてください
伊東「染五郎さんは(年齢が)1つ上なんですけど、実際にお会いする前、いろんな媒体で拝見していた時には隙がないというイメージを持っていました。ピシッとしている方なんだろうなと。でも、とっても話しやすいし、私の"ごはん食べましたか?"のような質問にも、フランクに答えてくださって、何気ない会話ができたので緊張とかそういうのはありませんでしたね。至とのシーンを撮影するときに、その場で台本が変わっていくことがあったのですが"じゃあ、このセリフを言うために、私がこう動けばいいですかね?"など提案しやすかったので、包容力もある方だなと思いました」
染五郎「嬉しいです。人見知りなので、人よりしゃべらないタイプなんですけど、たしかにお会いする前から知っていてくださった方に初めてお会いした時に"意外としゃべるんですね"と言われることは多いです。正直、この口数でしゃべるって言われるなんて、どんだけしゃべらないと思われているのだろうとは思いますが」
――撮影中に思い出に残っていることはありますか?
染五郎「山での撮影だったので花粉症がひどくて!少し気にしなかったら目が腫れているということがありました。撮影の間もずっとポケットに目薬を入れて、合間にずっとさして。カメラが回っているときに、くしゃみを我慢するのがとても大変でした。なるべく目をかかないようにとか、鼻水が出ないとか、そっちに気を取られる瞬間があったので、花粉症がなければ、さらに役に集中できたのになと悔しい思いもあります」
――伊東さんは染五郎さんが花粉症なのは気づいてましたか?
伊東「花粉症なのは気づいていましたね(笑)。本当に(花粉が)空中を舞っているのが見えるぐらいの環境でしたから。でも、お芝居の時は、そんなことは一切感じませんでしたし、腫れているのもわからなかったです」
――伊東さんは撮影のときの思い出はありますか?
伊東「ごはんがとってもおいしくて!お弁当もケータリングも、それ以外の差し入れのものも全部おいしくて、お茶番場の前にみんなが集まっていたなというのを覚えています」
染五郎「花粉症の人用に甜茶(てんちゃ)をご用意してくださっていたのですが、それにだいぶ助けられました。ありがたかったです」
――今回おふたりが演じた役は強い目的意識を持った若者という印象を受けました。今おふたりが一番情熱を注いでいることや、これだけは譲れない"こだわり"があれば教えてください
伊東「映像でも舞台でもそうですけど、お芝居をしていて、どういうふうにやっていきたいかを一緒にやっている方と相談する場面が多い中で、思っていることや自分の気持ちの流れを言葉でしっかり相手に伝えるということ、語彙力を増やすこと、頭と気持ちをつなげる速度をあげて、より上手に、より正確に、よりスピーディーにできるようにということに最近はこだわっています」
――そのためにしていることはあるのですか?
伊東「ちょっと日記を書いたり、辞書を読んだり...とか。ただ、今は気が向いたらやるという状態で、しっかり習慣づけてやっていきたいなと思います」
――染五郎さんはいかがでしょうか?
染五郎「役者としては、引き出しを増やすことに情熱を注いでいます。それは自分が演じる役幅という意味でも、どんな役がきても対応できるような、知識と技術とセンスみたいな意味でも。いろんなものを見てバリエーションを増やしておくことをしたいですね」
――いろんなものっていうのは映像作品とか舞台ですか?
染五郎「とにかく自分以外の方のお芝居を見ることですね。"こういうパターンもあるんだ"っていうのは無限にあると思うので。台本に書かれていない部分で、どう動いたらいいのかっていうのは、きっちりその役が自分に入ってないと、成立しないと思うんです。そういう意味では、きっちり毎回、毎回、役を染み込ませることにこだわっています」
文・撮影=於ありさ
ヘアメイク=市川染五郎:桂川あずさ/伊東蒼:伏屋陽子(ESPER)
スタイリスト=市川染五郎:中西ナオ/伊東蒼:藤井牧子
■ドラマ『人間標本』あらすじ
盛夏の山中で発見された六人の美少年の遺体--自首したのは有名大学教授で蝶研究の権威・榊史朗(西島秀俊)だった。幼少期から蝶の標本作りを通し、「美を永遠に留める」執念に取り憑かれた男は、最愛の息子(市川染五郎)までも標本に変えてしまう。蝶に魅せられた史朗は、なぜ事件を起こしたのか。その狂気の犯行の真相は、複数の視点によって新たな真実へと姿を変えていく......。
作品情報
『人間標本』
配信開始日:2025年12月19日(金)よりPrime Videoにて世界配信開始
話数:全5話 ※一挙配信
出演:西島秀俊 市川染五郎 伊東蒼
荒木飛羽 山中柔太朗 黒崎煌代 松本怜生 秋谷郁甫
宮沢りえ
原作:湊かなえ 『人間標本』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:廣木隆一
美術監修・アートディレクター:清川あさみ
※配信内容・スケジュールは予告なく変更になる場合があります
※作品の視聴には会員登録が必要です(Amazonプライムについて詳しくはamazon.co.jp/primeへ)
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