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福山潤、予測不能キャラ・リッチェストを語る「黒幕かシステムか、僕もまだ分からない」

2025.12.17(水)

フジテレビ×bilibiliが贈るアニメ枠「B8station」で毎週木曜1時15分から放送中のTVアニメ『破産富豪 The Richest Man in GAME』。ある日、さえないサラリーマンである主人公のペイ・チェンは、深夜残業中に突然スマホが光り、大学時代へタイムリープ。そこで「リッチェスト」と名乗る謎のキャラクターが現れ、チェンに資金を提供し、"金持ちになるチャンス"を与えると提案するところからスタートする物語である。

ペイ・チェンを翻弄する謎多き存在・リッチェストを演じるのは、福山潤。陽気とも不気味とも取れるキャラクターを、福山はどのように捉えて演じているのか。作品との出会い、吹き替えならではのアプローチ、そして主人公のペイ・チェンを演じる小野賢章との掛け合いまで、収録の裏側を語ってもらった。

© bilibili 閱文動漫 改編自閱文集團旗下起點讀書小說《虧成首富從遊戲開始》 作者:青衫取醉

――今回の作品出演が決まった際の印象は?

「タイトルを聞いた時は"没落していく富豪の話"かなと思ったんですが、読んでみると逆で。"あ、どんどん富豪を目指していくんだ"と。転生ものかと思えばそうでもなく、タイムリープはしているものの、ジャンルとして一つに言い切れない作品でした。

僕はゲームの説明をする役なので、"これどう展開していくんだろう"と序盤はまったく読めなかったですね。自分のキャラが黒幕なのか、ただのシステムなのかすら、まだ分からないです(笑)」

――リッチェストは非常に謎の多いキャラクターですが、ご自身ではその"正体"や"目的"をどのように捉えていましたか?また、演じるうえで意識していた点は?

「"本当の目的があるといいな"と思いながら演じていました。たまに"目的がない"キャラクターもいますけど、そうなるとどう扱うべきか迷う部分があって。ただ、そうした可能性も含めてキャラクターを組み立てていました。

僕としては、もし"ゲームマスター"のような存在が裏にいるとしたら、リッチェスト本人ではなく、その人物が動かしている"システム"のような存在だと考えると、いちばんしっくりくるんです。ただ、正体がどこまで明かされるのかに関係なく、"正体がなくても成立する"ような作り方はしておきたい気持ちもありました。この先どうなるのか僕自身も分からないので、リッチェストが何者なのかを知るその瞬間までは、むしろ知らないほうがいいんじゃないかなと思っています」

© bilibili 閱文動漫 改編自閱文集團旗下起點讀書小說《虧成首富從遊戲開始》 作者:青衫取醉

――リッチェストを"キャラクター"として見ると、どんな人物だと感じましたか?

「確信を持てるわけではないので、どんな方向にも振れるように作りたいと思っていました。

見た目はちょっとファニーで、映画泥棒のキャラクターにも見えるし、テレビにも見えるような不思議なデザインですよね。いろんな要素が混ざっているので、怖い展開やサスペンス、デスゲーム的な方向、システム側との絡み......どんな流れにも合うようにしておきたいと思いました。

原語のお芝居をベースにしつつ、日本語版として足せるところは積極的に足して、僕が"面白いな"と思ったアイデアは受け入れていただける形で作っていきました」

――リッチェストを演じるうえで、特に気をつけていたポイントは?

「説明がとにかく多い役なので、まずはきちんと伝わることが大事だと思っていました。物語のテンポがとても速いので、耳に入ってくる言葉がしっかり輪郭を持てるようにしたかった。キャラクターらしさと"聞いて理解できる音"を両立させることは、常に意識していましたね」

――収録で難しかった部分や、逆に"できたこと"はありましたか?

「ネタとして遊べるところはたくさんあったんですが、尺の問題で入れられない部分も多かったですね。"ここは面白いけど、ペイ・チェンが喋っているから乗せられないな"というケースも結構あって。アニメーションの動きが面白いところが多いので、つい乗せたくなるんですけど(笑)、そこは音響監督と"ここはOK""ここは無しで"と細かくジャッジしながら進めました。

一方で、最初の登場シーンのように、原語にはないちょっとした"ふざけ"を入れられたところもあります。アニメを見慣れている方なら構造が分かるだろうと思って入れた遊びで、誰にも迷惑をかけないしキャラの説明にもなる。"こういう人なんだ"と伝わる部分は、受け入れていただけました。

日本のアニメは制作途中で収録が進むことも多いんですが、今回は絵が100%完成していたので、確定した情報の中で"何を作るか"を考えられるのが本当に楽しかったです」

© bilibili 閱文動漫 改編自閱文集團旗下起點讀書小說《虧成首富從遊戲開始》 作者:青衫取醉

――小野賢章さんとの掛け合いで、印象的だったことは?

「最近なぜか賢章と組むことが多くて(笑)。今回の賢章は本当に喋る喋る!決まった絵に情報量を合わせていくのは大変で、"また大変な目に遭ってる~"と、横でニヤニヤしてました。

リッチェストは説明がない部分ではあまり登場しないので、そこまでカロリーは高くなかったんですが(笑)、"損しようとしたのに得しちゃう"みたいな荒唐無稽な展開が続くのは、昔のアニメっぽさがあって楽しかったですね」

――好きなシーン、印象的だったシーンは?

「本来ならちょっとした感動にとどまる場面が、涙を流すほど大げさになったりして。ああいう"バカなこと"を真正面からやれる機会って最近はあまりないので、すごく楽しかったです」

――今回は中国アニメの吹き替えですが、普段と比べて難しさや、逆にやりやすかった点は?

「実写の吹き替えは細かな表情を拾うのが難しいんですが、今回は絵も音も完成している状態でいただけたので、とても手厚かったです。"吹き替えとして拾うべき情報"と"日本語版アニメとしての表情"をノンストレスで判断できて、すごくやりやすかったです」

© bilibili 閱文動漫 改編自閱文集團旗下起點讀書小說《虧成首富從遊戲開始》 作者:青衫取醉

――福山さんご自身もゲームがお好きだと思います。もしゲームを作ってプロデュースできるとしたら、どんなゲームを作りたいですか?

「ゲームを作るというより、昔"シムヒューマン"でやりたかったことがあります。人間を作るところから始まって、その後の人生やいろんなもの......"ひとりの人間プロデュース"ができると面白いなと昔考えていました。今なら作れそうなんですが、いろいろ問題も起こりそうで、やらないほうがいいだろうというゲームになってますね(笑)。

あとは、恋愛シミュレーションゲームのアンチテーゼとか、そういう発想は好きです」

――福山さんプロデュースの恋愛シミュレーション、気になります!内容は?

「恋愛シミュレーションって"恋愛を成就させる"のが目的じゃないですか。そうじゃなくて、邪魔する側、横恋慕していく側の...ゆるふわ猛禽類女子が主人公で、人のうまくいってるところに割り込んで略奪していく(笑)。

今までにないものを考えるとそういう発想になるんですけど......誰も興味に引っかからない!!!でも一定数の人はやりたいと思うんですよね。みんな心のどこかにそういう気持ちがあるはずなんですよ(笑)」

――それでは、最後にTVアニメ『破産富豪 The Richest Man in GAME』の今後の見どころをお願いします

「僕はこの作品を週刊少年漫画だと思ってやっています。荒唐無稽なところも含めて、続いても続かなくても楽しめるというか。中国産アニメのテレビオンエアも増えてきて、馴染んできたと思うので、視聴者の方が"どう見たか"の感想を逆に聞きたいですね」

文=HOMINIS編集部

放送情報

TVアニメ『破産富豪 The Richest Man in GAME』
2025年10月1日よりフジテレビ「B8station」にて毎週(木)1:15~放送