下野紘、『ズートピア2』ゲイリー役で感じた挑戦と喜び 上戸彩&森川智之との共演、そして"ズートピア愛"を語る
2025.12.8(月)
ディズニー・アニメーション最新作『ズートピア2』で、新キャラクター・ゲイリーの声を担当する下野紘。ディズニー作品への参加は今回が初めてで、オーディション時には「記念受験だと思っていた」と語るほど特別な挑戦だったという。圧倒的な人気を誇る『ズートピア』の続編で、新たに爬虫類キャラクターとして物語に加わるゲイリーは、明るく愛嬌のある一方で、"ズートピア最大の謎"に深く関わる重要な存在でもある。
HOMINISでは、オーディション合格時の心境や、日本版ならではの収録の裏側、ゲイリーのチャームポイント、そして作品に込められた共存のメッセージまで、たっぷりと語ってもらった。
――ディズニー作品への参加は初めてだそうですが、まずはオーディションに合格されたときのお気持ちから聞かせてください
「まずは素直に『うれしい!』という気持ちが一番にありました。ディズニー作品は、自分の中では特別な存在。数ある作品の中でも特別枠として心に残っている作品です。幼い頃からディズニー作品にたくさんお世話になってきたので、まさか自分がそこに関わらせていただけるとは夢にも思わず、本当にうれしかったです。ただ同時に、プレッシャーも大きかったですね。『ズートピア』はとても人気のある作品ですし、その続編で、新キャラクターとして登場する立場でもあるので、期待に応えなくてはという気合いと、自分に務まるのかなという不安が入り混じっていました。手を挙げて喜ぶというよりは、喜びとプレッシャーの入り交じった、すごく複雑な感情でした」
――長くキャリアを重ねてこられた下野さんでも、そこまで緊張されたんですね
「本当にすごかったです。手汗が全く止まらなくて(笑)。もちろん普段のオーディションも緊張するのですが、それ以上でした。ディズニー作品という看板が持つ重みは、普段とは全く違いました」
――オーディションが終わったあと、印象に残っていることはありますか?
「もうこれで十分だと思っていました(笑)。自分の中では記念受験くらいの感覚だったんです。そのくらい特別なオーディションでしたし、そもそも今回のようなオーディションを受ける機会自体がそこまで多くはないので、受けられただけでもありがたいと思っていました。もちろん、受かっていたら良いなとは思っていたのですが、大きく期待しすぎないようにして、いつも通りの日常に戻ろう、という気持ちでした。合格の知らせをいただいたときは、本当にうれしかったです」
――オーディションに向けての準備は、普段と比べていかがでしたか?
「とにかくセリフをしっかり言えるようにすること、セリフからどういったキャラクターなのかイメージを膨らませることを大切にしていました。スケジュール的にも、余裕があったわけではないので、その分、普段以上に繰り返し練習していたと思います。ただ、どれだけ家で練習しても、実際に現場に行って演出を伺ってみないとわからない部分も多いので、そこは現場での演出をしっかり受け止めようと思いながら、できる限りの準備をして臨みました」
――今回演じられたゲイリーは、予告映像を見る限りでも、とてもユニークなキャラクターですよね
「予告では、ズートピア最大の謎に迫るというキャッチコピーとともに、ゲイリーが様々なシーンに登場していると思います。フライパンで頭を叩かれていたり、『ごめん!』と叫んでいたり、かなりドタバタしている印象があるのではないでしょうか。キャラクタービジュアルを見ていただくとわかる通り、すごくにこやかな表情をしていて、明るくて愛嬌のあるキャラクターです。お調子者とまでは言わないですが、コミカルな雰囲気もしっかり持っていて。ただ、クセの強さだけが前面に出ているわけではなく、きっと観てくださる方に自然と受け入れてもらえるような、親しみやすいキャラクターなのではないかと思っています」
――ゲイリーを演じるうえで、特に意識されたポイントはどんなところでしょうか?
「字幕版のゲイリーの声にできるだけ近づけたいという思いがありました。字幕版のキー・ホイ・クァンさんは声がかなり高いんです。その高さを真似するだけでも大変だなと思いながら、自分の声でどこまで寄せていけるかということを試行錯誤していきました。ゲイリー自身がすごく明るくて、どこか面白みやコミカルさもあるけれど、同時に優しさも持っているキャラクターなので、その"明るさ"と"優しさ"のバランスは特に意識していました」
――予告だけでも、かなり高いトーンのお声を出されているのが印象的でした
「本当に、自分でもよく出しているなと思いました(笑)。そして、今回のゲイリーは自分にとって挑戦だったと思います。自分の持てるものを全てをゲイリーに注ぎ込みたい、という気持ちがとても強くあり、原音に少しでも近づけられるように、テンポ感やニュアンスなど、細かな部分まで試行錯誤しながら演じていました」
――オリジナル音声がある作品ならではの難しさもあるんですね
「そうですね。息づかいひとつとっても、日本のアニメーション作品とは違います。息を吸うタイミングや、音の変化のつけ方、セリフの言い回しやリズムが独特なんです。同じ尺の中でも、英語の方が情報量が多いこともあるので、『どのくらいのテンポで話したら良いのか』『どのタイミングで息を吸っているのか』といったところを耳でよく聞きながら、自分の芝居に反映させていくのは、簡単ではなかったです。自分の解釈だけでゲイリーを演じるのとはまた違う難しさがあります」
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――前作『ズートピア』といえば、「異なる属性を持つ存在同士の共存」も大きなテーマのひとつだと思います。爬虫類であるゲイリーも、今回新たに加わる側のキャラクターになりますが、そのテーマについてはどのように感じていますか?
「種族の違いや、立場の違いなど、様々な"違い"はありますが、お互いを本気で理解しようと思えば、誰とでも仲良くなれるというメッセージを感じています。ヘビや爬虫類は、この『ズートピア』の世界にこれまで登場してこなかった存在で、ゲイリー自身も最初は指名手配されてしまうくらい、危険視されている立場です。そこからジュディやニックとどう関わっていくのか、その関わりの中でズートピアの街にどのような変化が起きていくのか、というところが描かれています。今の時代、どうしても"情報"だけで人や物事を判断してしまいがちですが、そうではなく、きちんと本人に会って話を聞き、直接感じたことをもとに相手を理解していくことが大切だというメッセージも、この作品に込められている気がします」
――人とちょっと違うという意味では、ゲイリーもかなり個性的なキャラだと思います。ご自身のことで、「ここは人と違うかも」と感じるポイントはありますか?
「一番わかりやすいところで言うと、ゲイリーと同じく牙の位置でしょうか(笑)」
――八重歯、ですね
「そうです(笑)。ゲイリーのチャームポイントでもあると思うので、そこに少しシンパシーを感じています。加えて、人からよく言われるのは気配の消し方がうまいということです。先日もマネージャーさんに5メートル手前くらいまで気づかれなかったことがありました(笑)。」
――『ズートピア』シリーズには、個性豊かなキャラクターがたくさん登場しますが、下野さんご自身がお気に入りのキャラクターは?
「ナマケモノのフラッシュです。動きがスローすぎる上に、途中で別の話題を振ってしまうと、話がそれて、さらに時間がかかってしまう。本当に絶妙ですよね。それのに、車に乗ると急に速かったりして、『どういうこと!?』とツッコみたくなります。そのギャップが大好きです。あの独特のリズム感と空気感は、何度見てもクセになります」
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――主人公のジュディとニックのコンビについては、どんな魅力を感じていますか?
「ジュディはとにかく頑張り屋で、真っすぐすぎるがゆえに、空回りしてしまうところもあるのですが、そこがまた魅力的だと思います。ニックは皮肉っぽいことを言ったりもしますが、なんだかんだ常にジュディのことを気にかけています。幼少期の経験など、ふたりには共通する部分もあり、だからこそ、お互いのことをよく理解し合えている。最高のバディだと思います」
――ジュディ役の上戸彩さんとニック役の森川智之さんの声の魅力についてはどう感じていますか?
「お2人とも、声質がとても柔らかく感じるのが印象的です。作中ではお互いに言い合いになったり、ケンカっぽくなったりするシーンもありますが、それでもどこかトゲトゲしすぎないというか、会話全体を包み込むような柔らかさが常にあるように思います。聞いていて耳心地がいいと言いますか、激しく怒鳴り合って感情をぶつけ合うのとはまた違う、独特のぶつかり方をしているんです。そのどこまでも優しい雰囲気が、2人の関係性や作品全体の空気を作っているのだと、今回あらためて感じました」
――最後に、本作を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします
「『ズートピア2』では、なぜズートピアには爬虫類がいないのか?という、ズートピアにおける"最大の謎"が描かれます。ニックやジュディをはじめとした前作からおなじみのキャラクターたちはもちろん、ゲイリーを含む新キャラクターも続々と登場して、よりにぎやかで魅力的な世界になっています。『ズートピア』が大好きな方には、きっと満足していただける作品になっていると思いますし、もし前作をご覧になっていない方でも、『ズートピア2』をきっかけに1作目も観てみたいと感じてもらえるはずです。ぜひ劇場で、ズートピアの世界を思いきり楽しんでいただけたらうれしいです」
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取材・文=川崎龍也
公開情報
『ズートピア2』
大ヒット上映中!
(C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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