沢口靖子が見せる笑顔と切ない横顔のギャップ...同僚として見守る、寺脇康文の優しさにじむ演技も必見「夏樹静子サスペンス 喪失-ある殺意のゆくえ-」
2025.12.5(金)
ドラマ「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」では情報犯罪に立ち向かう最年長の刑事・二宮奈美を演じ、何度も全力疾走するなど、アクティブなシーンも話題になっている沢口靖子。
デビュー翌年の1985年NHK連続テレビ小説「澪つくし」で人気がブレイクした沢口の代表作と言えば、1999年から放映がスタートし、2024年にseason24が放送された主演ドラマ「科捜研の女」。納得がいくまで追求する科学に基づいた捜査と、思いついたら即、実行の行動力で周囲を驚かせる法医研究員・榊マリコは安定の存在感。内藤剛志とのコンビネーションも含め、移り変わりの激しいドラマシーンの中、約25年も続くシリーズを背負ってきた。
そんな沢口が「科捜研の女」が始まって間もない2002年に主演、寺脇康文と共演したサスペンスドラマが「夏樹静子サスペンス 喪失-ある殺意のゆくえ-」だ。原作は「蒸発」や「Wの悲劇」で知られる作家・夏樹静子で沢口が演じているのは九州のテレビ局の報道ディレクター・杉原渓子。寺脇は渓子の学生時代からの幼なじみで同僚のカメラマン、立花洋介を演じている。
ちなみに当時の寺脇も単発ドラマを経て、水谷豊主演の「相棒 season1」がスタートしたばかり。ヒロインがひょんなことから殺人事件に巻き込まれる本作では沢口と寺脇がバディとなって真相を究明していくのも見どころとなっている。
■ヒロインに大らかな優しさで接する寺脇はまさに「相棒」のような立ち位置
社内で彼氏がいそうもないとからかわれた渓子はこれからデートだと嘘をつき、面白半分に後をつけてきた同僚の手前、引き返せず、渓子のそばで誰かを待っていた男(永島敏行)に演技で声をかける。が、その場はなんとか凌いだものの、合鍵を渡した覚えもない男が自分の部屋で殺害されるという事件に巻き込まれる。
気が強く、バリバリ仕事をしている渓子の悲しい過去を知っている立花は渓子を心配し、当初から男を撮影。男の本当の待ち合わせ相手の女性、早苗(松本ちえこ)が変死体で発見されたことから、事件の真相を共に解明することになる。
ふだんは「お渓」、「洋ちゃん」と呼び合う二人は良き相棒のような関係。真っ直ぐでおっちょこちょいのヒロインを演じた沢口は屈託のない笑顔と時折、見せる寂しそうな横顔が美しく、立花の前で日本酒を何合もあけ、目が座るシーンでは演技の幅の広さを見せる。そんな渓子をさりげない優しさでサポートし、いざという時に頼れる寺脇の大らかな人間性がにじむ演技も期待を裏切らない。
■物語のキーワードは"喪失"。沢口の熱演も!
早苗が6年前、阿蘇で起きた事故で夫を亡くし、そのひき逃げ犯が未だに捕まっていないこと、男も議員の選挙に関わり、阿蘇に潜伏していたという事実を知り、渓子と立花は現地で当時を知る医師に話を聞くことにする。事件はTV局に関係がないように思われたが、局に帰って飛び込んできたのは部長殺害のニュース。さらに人気キャスターの北坂麻里子(喜多嶋舞)も阿蘇の診療所と関わりがあることを知り、事件は複雑さを増していく。
その謎解きも醍醐味ながら、本作は大切な人を失った女性たちに焦点が当てられた人間ドラマでもある。彼との思い出を断ち切れないまま生きている渓子に立花は「他人と過去は変えられないけど、自分と未来はいくらでも変えられるんだぞ」という言葉をかけ、事件に巻き込まれたことで渓子の心情にも変化が生まれていく。後半は深い傷を負ったヒロインだからこその説得力を持つ台詞、心より身体が先に動いて思わぬ行動に出る沢口の熱演が胸を打つ。
文=山本弘子
放送情報
夏樹静子サスペンス 喪失-ある殺意のゆくえ-
放送日時:2025年12月12日(金)19:45~
放送チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた(スカパー!)
出演:沢口靖子、寺脇康文、喜多嶋舞、筒井真理子、佐戸井けん太、未來貴子、松本ちえこ、中山麻理、神山繁、永島敏行 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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