『WIND BREAKER』濱尾ノリタカが語る、十亀条を"本物"にするための役作りとは
2025.12.1(月)
週刊少年マガジンで連載中の人気漫画を実写映画化した『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』が2025年12月5日(金)に公開される。
孤独な不良高校生・桜遥が、街を守る集団「防風鈴(ボウフウリン)」の一員として成長していく本作で、桜の前に立ちはだかる組織「獅子頭連(ししとうれん)」の副頭取(ナンバー2)・十亀条役を演じたのが濱尾ノリタカだ。
今回、HOMINISでは貴重な役どころを務めた濱尾にインタビューを実施。"仲間から恐れられる非情な男"をどう作り上げていったのか、その役作りの裏側や撮影秘話まで、じっくりと話を聞いた。
――「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」への出演が決まった瞬間の心境をお聞かせください
「最初に伺ったのは、主人公の一番のライバルのような役だということでした。これだけの大作映画で、こういうポジションをやらせていただくのは初めてだったので、率直に嬉しかったですし、しっかり期待に応えなければいけないなと思いました。
実は、萩原(健太郎)監督とは、『ブルーピリオド』という作品でご一緒させていただいていました。その時は少しだけの出演だったのですが、オーディションの際に『今後のことも踏まえて一緒にやっていきたい』と言ってくださり、撮影が終わった後にも『また絶対に一緒にやろう』とおっしゃってくださったことが、本当に嬉しかったです。その期待に、とにかく応えたいという思いでした」
――十亀条は仲間から恐れられる存在ですが、十亀を演じるにあたって最も意識された点はどこですか?
「『獅子頭連』の中でも直接的にメンバーを束ねているというポジションの強さもありますし、桜と戦っていても実際に彼を圧倒するようなシーンが多い。その"強さ"は意識しました。ですが、彼自身は弱さを抱えていて、それは自分でも分かっていると思うんです。言語化できなかったり、行動に移せていなかったりしても、内側にある弱さは、ずっと抱えていたと思います」
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
――非情で冷徹な一面と、桜遥への興味という人間的な側面の二面性を捉える難しい役どころだと思いますが、どのような役作りをしましたか?
「原作の漫画があり、アニメもすごく人気な作品に出るのは初めてだったので、まずは外側から入っていくことが大事だなと考えました。話し方やビジュアル、特に下駄を履いているので、下駄で歩く練習はずっとしていました。
体つきに関しては、十亀は体がすごく大きくて、でも顔がシュッとしているので、元々の(自分の)体の大きさを活かしたまま顔だけ絞って、"現実的じゃない、嘘みたいな体"を目指しました。そうやって外側のことを埋めていって、最後に人間として成立させられるように調整しました。いつもとは逆のアプローチで役を作っていく過程は新しい発見でした。
内面的な部分で言うと、僕自身と十亀の一番の共通点は"手放すことが上手ではない"ということだと思っています。『獅子頭連』のナンバー2でいることも、頭取・兎耳山(山下幸輝)への気持ちを諦めてしまえばもっと楽なのに、それができない。もがいている時に桜を見て影響を受けていくというのは、役と同時に、僕が桜を演じる(水上)恒司くんに思うこととも混ざっていったんじゃないかなと思います。撮影の2カ月間、一緒にいる中で、恒司くんに対する興味も増えていきました。お互いに作用し合いながら、自然な気持ちの流れで十亀と桜になれたのは、すごく幸運だったなと思います」
――「副頭取/ナンバー2」という立場を演じる上で、リーダー・兎耳山との関係性をどう意識しましたか?
「『獅子頭連』という組織で"ナンバー1"、"ナンバー2"という関係ではあるのですが、それ以前に『友達』であることは、とても大事にしました」
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
――華麗なアクションも見どころの一つだと思いますが、苦労した点や注目ポイントをお聞かせください
「本格的なアクションはこの作品が初めてでした。十亀は強い役なので、余計な細かい動きをせず、淡々と、声もあまり出さずに戦うというのが意外と難しかったです。
一番大変だったのは下駄です。全体を通してタックルのような、重心を低くして足を取りにいくレスリングっぽい動きが多いのですが、下駄の相性が最悪で(笑)。体重をかけると"めきっ"といってしまうんです。踏み込みが強いシーンでは、一気に下駄が壊れ始めて。たくさん用意していただいていたのですが、ストックが少し心配になりました(笑)。
それから、風の演出も予想外でした。アクション練習の時は風が吹いていない環境だったので、現場で最初に爆風を浴びたときは驚きました」
――印象に残っている撮影エピソードを教えてください
「僕のクランクインの日が、『獅子頭連』のメンバーといるシーンだったんです。そこで鹿沼役の(萩原)護くんと、有馬役の(高橋)里恩くん(※「高」は正しくは「はしご高」)が、監督から『好きにやって』という指示のもと、アドリブで自由にやっていて。原作がある人気キャラクターを演じる上で、"枠からはみ出してはいけない"という緊張感が正直あったのですが、彼らが自由にやってくれたおかげで、最初から余計なことを考えずに役に集中することができました。それは本当に助かりましたし、2人には何度も『ありがとう』と伝えました」
――共演者との関わりの中で「ここは十亀条らしさが引き出された」と感じたシーンや瞬間はありますか?
「恒司くんのお芝居は、とても生々しかったんです。だから僕も、余計な調整をせず、お互いに思うように、役のことを中心に考えて芝居をすることだけに集中できました。2人とも良い集中の状態でやれた瞬間がたくさんあったので、お互いが持ってきたものをぶつけ合うような形でできたのが良かったです」
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
――ご自身は普段、「リーダー」、「ナンバー2」どちらのタイプだと思いますか?
「サポートする側でいることが多い人生だったように思うのですが、"元々はそうじゃなかったな"と最近思い出したんです。中学の時は水泳部のキャプテンもやっていました。最近はプライベートでも自分の気持ちを大事にするようになって、少しずつ友人関係でも真ん中の方にいることが多くなっているのかもしれないです。...と言ってみたものの、大人数で誰かといることがないので、真ん中もなにもないですね(笑)」
――先ほど、十亀と重なる部分は「手放すことが上手ではないところ」だとおっしゃいましたが、真逆だと感じる部分はありますか?
「真逆なのは、話し合わないところです。僕は話し合いたいタイプなので。抱え込んでしまうのは、弱さとも言えるし、強さとも取れる。僕から見たら弱さでも、誰かから見たら強さになる。十亀は強さのつもりだったのかもしれないですけど、そこは僕とは真逆だなと思います」
――恐れられる存在を演じた一方で、濱尾さん自身は周囲からどんな人柄だと言われることが多いですか?
「『素直だね』と、先輩からも後輩からも言われます(笑)」
――忙しい現場を過ごす中で、役から離れてリラックスするための習慣や、最近ハマっていることはありますか?
「水泳です。大学までずっとやっていて、今でも好きで泳いでいます。昨日も泳ぎましたし、この後も泳ぎに行きます(笑)。沖縄での撮影中も、宿舎から1時間くらい歩いたところに市民プールがあって、下駄を慣らすがてら散歩して、泳いで帰るということをしていました」
――最後に、公開を待つファンに向けて、十亀条を演じたからこそ伝えたいメッセージをお願いします
「桜との関係性の変化に伴って、十亀が変わっていくところを見てほしいです。梅宮(上杉柊平)に対して、兎耳山に対して、そして『獅子頭連』の仲間に対して。その全ての変化に注目していただきたいです。
また、誰を中心に観ても楽しめると思います。その都度それぞれのキャラクターが何を感じているのか、その感情が途切れずに続いている作品なので、そういった感情の機微をぜひ見ていただきたいです!」
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
文=HOMINIS編集部
公開情報
映画「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」
2025年12月5日(金)公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
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